グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船 の商品レビュー
ベストSF 2023に選ばれ手にとったものの積んだままになっており、ようやく読むことができました。同じ時代を生きているはずなのに、どこか微妙に異なる世界にいる男女2人が互いに干渉しあっていく様子は、どこか「君の名は」に近い雰囲気があり、中盤までは先の展開が気になりすぎてページを捲...
ベストSF 2023に選ばれ手にとったものの積んだままになっており、ようやく読むことができました。同じ時代を生きているはずなのに、どこか微妙に異なる世界にいる男女2人が互いに干渉しあっていく様子は、どこか「君の名は」に近い雰囲気があり、中盤までは先の展開が気になりすぎてページを捲る手が止まらなかったです。ただ終盤にかけての展開があまりにも唐突で、ラストのオチも受け入れ難いものだったので、作品全体としてみるとちょっと好みではないというのが正直な感想です。世界観だけ見れば好みの青春SF小説ですし、量子論や相対性理論を絡めた展開もとても面白いんですが、全体としてみると、う〜ん……。
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ラノベ風のカバーイラストを警戒しつつも、『君の名は。』的なボーイミーツガール小説を期待して読んだ。 が、、物理学や量子力学に疎い文系脳の人間にはびっくりするほど退屈で、2/3過ぎたあたりでようやく展開したかと思ったら、電磁気変異を起こす特殊な人間だと言われたりアメリカの工作員に狙われたり、一気にわちゃわちゃした挙句あっという間にパラレルワールド融合。(どういう理論でそうなるの?) 夏紀と登志夫がそれぞれの世界の同一の存在だったということが判明したが、だとしても、二人がそこまで想い合う理由が分からず、最後の夏紀の自己犠牲的行動も突発的で説得力が無かった。 100年前に飛来した飛行船を一緒に目撃した、という幼少期の記憶を共有する少年少女がパラレルな世界線を超えて出会う…という最高に萌える設定なのに、そもそも二人が交流する機会が少ない(そのわりに意識を共有するので性的な部分には及ぶ)のが非常にもったいない。もっと関係性を深めてくれたら淡く切ないラブストーリーと言うこともできたのに、そのあたりの背景が希薄なために全く感情移入できず消化不良に終わった。 この本が2023年ベストSF小説国内篇1位に輝いたという、評価の基準がよくわからない。(もしかしたら、叙情的なストーリーよりも、SFマニアが熱くなる要素がふんだんに盛り込まれているかどうかが重要なのかも?)
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グラーフ・ツェッペリンは20世紀初めに実在した飛行船。テーマは並行世界と呼ばれる別々の世界。映画マトリクスや、TENETを好きな人にはフィットするかも。時間が絡んだかなりのSF。 高校生・夏紀の宇宙は月と火星開発が進みながらも、インターネットが実用化されたばかりで、ワープロ専用...
グラーフ・ツェッペリンは20世紀初めに実在した飛行船。テーマは並行世界と呼ばれる別々の世界。映画マトリクスや、TENETを好きな人にはフィットするかも。時間が絡んだかなりのSF。 高校生・夏紀の宇宙は月と火星開発が進みながらも、インターネットが実用化されたばかりで、ワープロ専用機が残る2021年。登志夫は、宇宙開発は発展途上だが量子コンピュータの開発・運用が実現している2021年を過ごしている。並行世界と呼ばれる概念で、物理学でも議論されていて、時間が過去から未来へ流れてゆく性質のものではない可能性もあるとか。 二人とも、幼い頃に飛行船「グラーフ・ツェッペリン号」を一緒に眺めたことがある、と覚えている。それぞれの世界で、少しずつ異変が生じていて、終盤では二人があるところを介して接触する。
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高野史緒の作品は初めて読んだ。他の本として「混ぜるな危険」は所有しているもののまだ読んでいない。これまでもいくつかの作品が上位にランクインしていたが、この度ベストSF2023国内篇でめでたく第1位を受賞された。おめでとうございます。その様な評判もあり早速購入して読んだ。 裏表紙...
高野史緒の作品は初めて読んだ。他の本として「混ぜるな危険」は所有しているもののまだ読んでいない。これまでもいくつかの作品が上位にランクインしていたが、この度ベストSF2023国内篇でめでたく第1位を受賞された。おめでとうございます。その様な評判もあり早速購入して読んだ。 裏表紙のあらすじやSFが読みたい2024年度版の書評を頭に入れて読み進めた。すぐにでも今流行りのSFアニメ映画になりそうな予感がする。話の設定・構成も申し分ない。本の表紙を見るといい感じの青春SFで、特定の地域が脚光を浴びる等、話題性も十分に獲得できるだろう。もしかしたら私の知らない所で既にその様な話が進んでいて、数年後には新海誠監督で公開され、日本アカデミー賞を受賞するかもしれない。 半分くらい読んだところで、ふと考える。話がなかなか広がって行かない。文調の変化が乏しく、初期設定とあまり変わらないやや単調な展開が続く。この雰囲気は全体の3/4まで続く。そして急な展開が訪れ、いきなりハードSFモードに突入する。結末は、ありがちなパラレルワールドの融合。しかも、女子の方の世界が吸収されるだなんて、男性の作家がこの様な結末を選んだら、もう世間から叩かれまくるだろう。結果的には全体の構成が少々バランスに欠けており、映像や演出サイドでかなり作り込まないとアニメ化の際にはなかなかしんどいと思われる。 大森望・日下三蔵・藤井大洋・林譲治の後押しが大きいということは今後も素晴らしい作品が出てきて高評価を得る可能性は高い。多分今回の作品が1位に選ばれたのはその様な要素があるからなのだろう。私は1位でない作品の方を評価している。これは私の個人的な見解であり、いつの日か蔵書の「混ぜるな危険」も読む日がきっと来ると思うが、それまでにはかなり長い年月が必要だ。
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星2.5 だらだら感があり、ストーリーに起伏がなかった。いや、夏紀と登志夫が結びついたところから「来るか!?」と思ったけど、そこからはなんだか観念的な世界に飛んでいってしまった。夏紀の最後の行動もあまりに唐突で、よくわからなかった。
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高野史緒「グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船」読了。土浦が舞台の青春SF。3年ほど土浦の近隣で暮らした事があったので、当時の情景が思い出され懐かしかった。多元宇宙をモチーフにしたSFならではのストーリー展開が素晴らしかった。さらに随所の伏線が最後見事に回収されとても切なく感動...
高野史緒「グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船」読了。土浦が舞台の青春SF。3年ほど土浦の近隣で暮らした事があったので、当時の情景が思い出され懐かしかった。多元宇宙をモチーフにしたSFならではのストーリー展開が素晴らしかった。さらに随所の伏線が最後見事に回収されとても切なく感動した。
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青春小説でSF。「SFが読みたい! 2024年度版」ベストSF2023国内編第1位の作品。 以前から読みたいと思っていたのだが、なぜか踏ん切り(?)がつかずズルズルと積読状態だった。パラレルワールド物で、しかもガールミーツボーイ物だ。夏紀と登志夫、やはりラストは切ない。 ...
青春小説でSF。「SFが読みたい! 2024年度版」ベストSF2023国内編第1位の作品。 以前から読みたいと思っていたのだが、なぜか踏ん切り(?)がつかずズルズルと積読状態だった。パラレルワールド物で、しかもガールミーツボーイ物だ。夏紀と登志夫、やはりラストは切ない。 そのうちアニメになりそうな気がする。
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最後9分の1までは丁寧に綴られていた二人の思考や身の回りの出来事や人間たち、なんか意味あったんだろうか。 君の名は。にも言えることだが、この少年少女二人がお互いを強く思い合うようになる理由(過程?)よくわかんないよな。色々過程があってお互いのことを知っていくうちに思い合うようになるより、理由はわからないけどすごい愛おしい!みたいなほうがロマンチックなんですかね。 量子力学の知識あったらもっと楽しめたのかな。ストーリー仕立ての量子力学解説本のストーリー部分がこれだったら面白そう
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まさかの、茨城県土浦SF。 のっけから、知った地名がバンバン出て来てビビったが、著者がここの出身らしい。 表紙の感じから、「君の名は」かよと思ってしまったが、まあ、そんな感じかもしれない。 今、日本のSFってこんな感じなの? 科学の最先端ワンアイデアと、設定がそのまま構成にな...
まさかの、茨城県土浦SF。 のっけから、知った地名がバンバン出て来てビビったが、著者がここの出身らしい。 表紙の感じから、「君の名は」かよと思ってしまったが、まあ、そんな感じかもしれない。 今、日本のSFってこんな感じなの? 科学の最先端ワンアイデアと、設定がそのまま構成になって作品になるみたいな。 ちょっと甘酸っぱい青春の、なんつか、高校文学部的な。 あとは作者の文章家としての技能と、編集者の腕? 結果として思ったより悪くないと思ったのも事実だが、最悪なのが、おそらく、作品のキモになる幻想的な展開と、量子論の裸の説明。 ここがもっと上手く処理出来ていれば、もっと素直に楽しめたような気がする。 一番気になったのは、「竜ヶ崎」だなあ。 地名としては正確には「龍ケ崎」なので、土浦市民からしてもそんなものかとちょっとショック。
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