グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
Boy meets girl のお話かと思ったのですが、ちょっと違った? ここからネタバレ 平行世界の夏樹と登志夫が 君の名は みたいに恋人同士に なるのかと思ったけど、まさかの同一人物、からの融合?からの夏樹自爆? 最後、ツェッペリンを追いかけていくくだりが、理解不能。 夏樹は電子のふるまいを操れる異能力者だったの? 一つの世界のために、一つの世界を失くすという BAD ENDにしかできなかったのかなあ?
Posted by
さらっと読める青春SF……なんだけど、エンタメではない。エンタメの皮被った私小説、純文学寄りだ。後書きまで読むと、より尚更。 二つ別々の世界を生きる女の子と男の子。グラーフ・ツェッペリン号を中心に、茨城は土浦を舞台に繰り広げられるひと夏。ハードSFでも、単なる青春SFともエンタメ...
さらっと読める青春SF……なんだけど、エンタメではない。エンタメの皮被った私小説、純文学寄りだ。後書きまで読むと、より尚更。 二つ別々の世界を生きる女の子と男の子。グラーフ・ツェッペリン号を中心に、茨城は土浦を舞台に繰り広げられるひと夏。ハードSFでも、単なる青春SFともエンタメとも違う、この独特な詠み終えた後の気持ちを、ぼくは大切にしたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
並行世界のそれぞれに暮らす高校2年生の夏紀と、17歳だけれども飛び級で東大2年の登志夫が、著者の故郷土浦を舞台に交差していく長編SF。甘酸っぱさ漂う良質のYAであり、ネット空間に堆積されていく情報の本質にせまっていく作品でもあり、と思いながら読み終えて、あとがきに書かれた著者の近況を読み、さらに心打たれた。夏紀に生理がくることが物語のなかで重要な要素のひとつになっているのだが、生理のない女性である自分にとっては、これは読んでいて、かなり苦しく、つらかった⋯⋯それでも、この物語が、自分は好きです。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ふわっとした並行宇宙SF。でも、堅苦しい話は出てこないので、ささっと読むのにいい。四畳半神話大系のようなコミカルなところはない。恋愛色も薄い。 最後は悲恋ぽく終わったのが意外だった。 途中に少女のエッというエピソードもある。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
女子高生の夏紀と大学生の登志夫(年齢は夏紀と同じ)は異なる宇宙(並行世界)にいる。土浦に到着する飛行船グラーフ・ツェッペリンを介して出会う。この二人は量子の性質である情報のあるなしが同時に存在しているのと同様な存在である。この二人の関係は恋人になるものではなく、恋人でもあり兄弟でもあり本人でもあるような量子的存在だ。だからこそ、ラストに向かう現象は、シュレディンガーの猫のように観測されるまでは状況が確定しないことになる。量子の振る舞いを17歳の男女として表現したところが、あやふやな立場と相まってより揺れる心の不安定さが伝わってくる。さくっと読めて面白かった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
⚠️少しネタバレあります。 140あたりと315辺りの展開は好き、加えてその時の夏紀の感情についての描写は、難しく書かれながらもどことなく共感できるものがあり本に夢中になれた。 話の内容は中々難しかったし、もう少し恋愛要素が欲しかったのも確かだが、個人的には後半の時間と情報の関係性、その情報の集まりとも言える時を進む或いは後退する時の描写がとても好きだった。
Posted by
所謂パラレルワールド・ラブストーリー。しかも主人公は十代の少年少女と来れば、アニメっぽい話だなあと思ってしまうのは仕方がない。パラレルワールドの描写は歴史改変された近現代の日本を思わせるもので、この辺は作者さんの得意とするところ。とはいえ如何にも面白そうなネタが途中でぶった切られ...
所謂パラレルワールド・ラブストーリー。しかも主人公は十代の少年少女と来れば、アニメっぽい話だなあと思ってしまうのは仕方がない。パラレルワールドの描写は歴史改変された近現代の日本を思わせるもので、この辺は作者さんの得意とするところ。とはいえ如何にも面白そうなネタが途中でぶった切られるようにして終ってしまうのは、もったいない気がする。
Posted by
高野史緒『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』読了。 2018年の年刊傑作選にも採られた短編を長編化。土浦を舞台に百年前に当地に寄港した飛行船に関する幻の記憶を有する少年少女のボーイミーツガールを主軸としたジュブナイルSF。 百年前に飛来したはずの飛行船を幼少の頃に実在しない...
高野史緒『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』読了。 2018年の年刊傑作選にも採られた短編を長編化。土浦を舞台に百年前に当地に寄港した飛行船に関する幻の記憶を有する少年少女のボーイミーツガールを主軸としたジュブナイルSF。 百年前に飛来したはずの飛行船を幼少の頃に実在しない親族の異性と目撃したというなんともエモい思い出が物語を駆動させていくのだけれども、もう少しその特別な関係性を掘り下げるものが欲しかったかなぁ。SFとしても少し説得力に欠けるというか。。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
夏にぴったりの青春SF小説。 夏紀と登志夫の世界は並行世界だったのかな。 誕生日が同じで父母も同じ。でも、少し違う世界。 最後の方で少し難しくなって物語に上手くついていけてない気がしますが、夏紀はグラーフ・ツェッペリンを落とさないことで登志夫の世界を優先させたのかな。 ちょっぴりほろ苦い結末でした。
Posted by
- 1
- 2