1,800円以上の注文で送料無料

いい子のあくび の商品レビュー

3.7

223件のお客様レビュー

  1. 5つ

    44

  2. 4つ

    87

  3. 3つ

    54

  4. 2つ

    19

  5. 1つ

    2

レビューを投稿

2024/09/18

この人と喋る時の自分と、違う人と喋る時の自分は使い分けてるかもしれないけど、どちらもその時は本当にそう感じているし、だからどちらも本当の自分。 末永い幸せ 結婚は人身売買、女が家に入るという考えの悍ましさ

Posted byブクログ

2024/09/09

"割に合わなさ"を描いた中編の表題作「いい子のあくび」、他2作の短編からなる小説。 日常に潜むモヤモヤにフォーカスされていて、みんな何かしら共感できる部分はあるんじゃないかな? 登場人物の言動に心がざわざわ。かなり共感できる部分もあれば理解し難い部分もある...

"割に合わなさ"を描いた中編の表題作「いい子のあくび」、他2作の短編からなる小説。 日常に潜むモヤモヤにフォーカスされていて、みんな何かしら共感できる部分はあるんじゃないかな? 登場人物の言動に心がざわざわ。かなり共感できる部分もあれば理解し難い部分もあるけど、人間らしさが惜しみなく描かれているから面白いです! 愛嬌が大事と思ってこれまで生きてきた自分としては、心の奥の細胞を綿棒で擦り取って顕微鏡で観察されているような感覚になりました。 「あるある」と共感できる作品は世の中にいっぱいあるけど、こんなにも奥の方の、言語化できないでいる心の内を文章に起こしてくれている作品はなかなか無いと思います!

Posted byブクログ

2024/09/03

歩きスマホをしてぶつかってくる人をよけてあげるなど、公私ともに「いい子」の佐元直子だが、常に鬱屈した「割りに合わなさ」を感じ続けていて、ある日思い切って行動に出るという表題作の「いい子のあくび」ほか2編の短編を収録。 3作とも、面倒くさいなぁという感性を持った女性が主人公で、特に...

歩きスマホをしてぶつかってくる人をよけてあげるなど、公私ともに「いい子」の佐元直子だが、常に鬱屈した「割りに合わなさ」を感じ続けていて、ある日思い切って行動に出るという表題作の「いい子のあくび」ほか2編の短編を収録。 3作とも、面倒くさいなぁという感性を持った女性が主人公で、特に表に見せる「いい子」とは違うダークな面を持つ表題作の主人公とは関わりたくないなと思う。ただ、自分は男性ではあるが、彼女らの感覚の中に「なんかわかるかも」と思うものも結構あった。 表題作の主人公が抱えるいつも先に気付く人ばかりがよけてあげたりするのが割りに合わないという感覚も、自分もそういう行動をとることがあり、普段は別に気にすることもないが、割りに合わないなと思うこともあるなと再認識した。また、矛盾する感情があっても、それは表と裏というよりも全部が全部本当で、ばらばらなものが集められて心のかたちに並べられたみたいという感覚も理解できた。 「末永い幸せ」の主人公が、結婚式に「じんしんばいばい」を感じて、親友の結婚式であっても出たくないと感じるというのも、自分は結婚式をしたこともあるし、出るのも各々のこれまでの人生を感じられたりして好きなのだが、主人公の結婚式に対する違和感は一理あると思った。 そして、3作に共通する、人生の中で仲良くなった人との関係の儚さを憂えながらも諦観するような気持ちも共感するところである。

Posted byブクログ

2024/08/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人間関係を損得勘定で考えたり、友人、彼氏、職場の人など対する人によって演じ方を変えたり。それは誰でも経験があることだと思うがあまりにも内側の自分の為、口に出して言うことはほとんどないのではないか。一方で自分もこんな感情抱いた経験あるかも?と思える部分が節々にあり読み進めてしまう。 ”話し相手がどう思うかを抜きにして人の話を聞く仕方がわからない” ”今ここの、この場でしかない人間関係を何十年も築き続ける。作って作っていつか手放す。” ”中学で仲が良かった子も、高校で仲が良かった子も。連絡が途絶えたあの人たちに、私からも連絡をしないことで、なんとか保っているのだ” また、結婚式のファーストバイトを「じごく」と感じてしまうところも今まで意識して言葉にしたこと無いが共感を覚える。 モヤモヤした読後感ながら同時にすっきりした感覚を覚えるのは、小説を通して自分の認識していなかった感情を認識し言語化することによるのではないだろうか。

Posted byブクログ

2024/08/18

読む前と読んだあとの気持ちの変化は? だれもが思ったことのある ドス黒い感情を表現してもらうことで どうなるか?体験させてもらった。 ちょっと損してる?と思ってたけど、 行動しなくてよかった。 と、思わせてくれた。 どうしようもない、 モヤモヤ感情を抱えている人に オスス...

読む前と読んだあとの気持ちの変化は? だれもが思ったことのある ドス黒い感情を表現してもらうことで どうなるか?体験させてもらった。 ちょっと損してる?と思ってたけど、 行動しなくてよかった。 と、思わせてくれた。 どうしようもない、 モヤモヤ感情を抱えている人に オススメしたい一冊です!

Posted byブクログ

2024/08/18

高瀬さんの作品は、今の時代の生きにくさや息苦しさを本当にリアルに映し出していて、それは読んでいて苦しくなってしまうほどだ。 でも読まずにいられない。 いま、この世に何が起こっているのか、そこから目をそらしてはいけないと思わせられる、そんな一冊。

Posted byブクログ

2024/08/16

う〜ん…読後感はどんより。 他人、社会から、自分の存在を軽んじられた感じがして、それにあらがわないと、自分を保てなくて…ってのは共感できる。 誰でも瞬間的に変わる不安定な感情にのまれながらも、なんとかコントロールして過ごしていると思うけど、本作ではあまりにも自分中心のダークをさら...

う〜ん…読後感はどんより。 他人、社会から、自分の存在を軽んじられた感じがして、それにあらがわないと、自分を保てなくて…ってのは共感できる。 誰でも瞬間的に変わる不安定な感情にのまれながらも、なんとかコントロールして過ごしていると思うけど、本作ではあまりにも自分中心のダークをさらけだしてて、気持ちが荒む。 前作より過激な内容を…っていう内事情かしら。

Posted byブクログ

2024/08/12

すごくよかった!自分の信念を曲げたくないことってある。それが自分の身を傷つけることになっても、友人と距離ができてしまうかもしれなくても。他人からみたら些細かもしれないけど譲れないこだわり、文章にするのがうまい。

Posted byブクログ

2024/08/11

収録作のうち「末永い幸せ」が特に好みだった。 『こういう視点でこういう題材を書く作者は性格が悪いなぁ』と言い切るのは簡単。 そんな風に突き放すことで、あたかも自分は違いますよ、自分はちゃんと結婚式を違う観点から見ていますよ、と取り繕うことができる。ここにこんなことを書く自分こそ性...

収録作のうち「末永い幸せ」が特に好みだった。 『こういう視点でこういう題材を書く作者は性格が悪いなぁ』と言い切るのは簡単。 そんな風に突き放すことで、あたかも自分は違いますよ、自分はちゃんと結婚式を違う観点から見ていますよ、と取り繕うことができる。ここにこんなことを書く自分こそ性格が悪いな、と自覚しながらここに感想を書く。笑 ご祝儀のほかにドレスやバッグ、ヘアセット代。結婚式の出席にはお金がかかる。お金だけじゃなく、新郎とは違う、新婦の立場。 自分が言語化できずにいた、というより考えないようにしていた、向き合おうとすらしていなかった部分を深くえぐられた気分。 「それって慣習だから」「みんなやってるから」「誰もが通る道だから」そんな表面的な言葉で知らず知らずのうちに押し込めていた、心の底のモヤモヤをよくここまで文章化したな、という感想。

Posted byブクログ

2024/08/10

高瀬隼子節炸裂、といった作品。 現代社会での悪意を描くのが本当に上手くて、怖くて、ある意味ホラー小説です。 表題の『いい子のあくび』の主人公の他者への傲慢で、自分勝手な考え方が、現実に起きてる事件の加害者の感情を想像させて興味深い。 歩きスマホをする人を無差別に標的にする行動は...

高瀬隼子節炸裂、といった作品。 現代社会での悪意を描くのが本当に上手くて、怖くて、ある意味ホラー小説です。 表題の『いい子のあくび』の主人公の他者への傲慢で、自分勝手な考え方が、現実に起きてる事件の加害者の感情を想像させて興味深い。 歩きスマホをする人を無差別に標的にする行動は、自分の正義を振りかざし、正当化していてリアルにいそうで怖い。 ずっと主人公目線で進んでいった物語が、最後の出来事で、スッと第三者目線になり現実的な見え方になったのは、読んでいてホッとしたし、お見事でした。 『お供え』は身近な人達への些細な悪意 『末永い幸せ』は結婚式に対しての違和感 両方とも共感出来る部分はあるけど、実際はここまで、その悪意や違和感に向き合わず、それとなく生きているから、フォーカスするとこんなんになるのだなぁ、という感想。 ここら辺の感情は大小に関わらず、誰にでもあると思うから、人間、見たい感情にフォーカスして生きていければ幸せだよね、と思った。

Posted byブクログ