縁切り上等! の商品レビュー
参考になるなぁとついつい考えつつも、主人公があんまり魅力的ではないところが、なんだか残念。他の登場人物の皆さんは、おもしろい人が多かったのにな。新川作品の主人公、なぜかみんな相性悪いので、そういうものかもしれないです。 2024/1/18読了
Posted by
離婚を専門に扱う弁護士・松岡紬(つむぎ)の物語。異なる登場人物が各章の語り手で、人物同士の関係が描かれる。 「切りたい縁だけスパッと切るのが、縁切りの極意」だそう。当人同士の縁だけではなく、多くの場合は子供が離婚に関係する訳で、それぞれのストーリーでも、さまざまな年齢、関係の子...
離婚を専門に扱う弁護士・松岡紬(つむぎ)の物語。異なる登場人物が各章の語り手で、人物同士の関係が描かれる。 「切りたい縁だけスパッと切るのが、縁切りの極意」だそう。当人同士の縁だけではなく、多くの場合は子供が離婚に関係する訳で、それぞれのストーリーでも、さまざまな年齢、関係の子供も登場する。そして、ある章では、子供を持つ同姓パートナーの別れ話で、今の法律の限界も描かれる。 主人公の紬は、縁切寺として名高い東衛寺の末娘。10代の頃に両親の離婚を経験。その影響があるのか、独身。母が家を出て、今は父や兄夫婦と暮らしている。幼なじみの出雲との今後の関係が気になる。
Posted by
面白い…鎌倉に行ってみたくなりました。離婚は、誰でも一度は、考える問題、それをなかなか実行できなく、今に至っている。大変なエネルギーと勇気と知恵と莫大な時間がかかりますね。
Posted by
ひさびさの新川帆立作品 今回の主人公は 鎌倉の縁切寺の隣に事務所を構える 離婚専門の弁護士 松岡紬 離婚案件は夫婦の数だけあり、その事案に合わせ 痛快に解決に導くお仕事小説 新川作品の展開はいつも 面白くて走り抜ける爽快感がある。 そして 登場人物たちの様子が映像で浮かぶよ...
ひさびさの新川帆立作品 今回の主人公は 鎌倉の縁切寺の隣に事務所を構える 離婚専門の弁護士 松岡紬 離婚案件は夫婦の数だけあり、その事案に合わせ 痛快に解決に導くお仕事小説 新川作品の展開はいつも 面白くて走り抜ける爽快感がある。 そして 登場人物たちの様子が映像で浮かぶように 分かりやすい表現やシチュエーション、セリフがイケていて 読み進める手が止まらない。 最近 ネットマンガを読むことが多いが その感覚に近いかもしれない。 依頼案件ごとに1話完結なので 忙しい年末年始 一息つくのにおすすめです。
Posted by
弁護士ではありませんが、 人生をうまく渡り歩くための交渉術を学んだような気がしました。 新川さんの弁護士系の小説は痛快!で好きです。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前向きな離婚で、後味がよろしい! 弱い立場の女が男から逃げての離婚劇ではなく、子供を抱えて自立する人、したたかな人、同性婚の人ありで、今の時代の離婚劇という感じ。 さすが新川さんのリーガル物。続きがもっと読みたい。 舞台は北鎌倉。 縁切寺の元住職を父にもつ弁護士紬。 事務所はお寺を改装したもの。 紬自身は結婚や恋愛に全く関心がない。 場所や人物設定がなかなか味を出している。 ただ、表紙の女性は紬先生ぽくないし、味がない。もったいない。
Posted by
帆立さんのお話はどれも痛快。つくづく、離婚するときにもめなくてよかったと思う。 江戸時代に詠まれた松ヶ岡川柳!玄太郎さんのときどきのつぶやきが合っていて、いい感じ。 離婚したい理由、したくない理由、などなど、それぞれに考えはあるんだと思う。 そっか、離婚を決意すると女は強くなり...
帆立さんのお話はどれも痛快。つくづく、離婚するときにもめなくてよかったと思う。 江戸時代に詠まれた松ヶ岡川柳!玄太郎さんのときどきのつぶやきが合っていて、いい感じ。 離婚したい理由、したくない理由、などなど、それぞれに考えはあるんだと思う。 そっか、離婚を決意すると女は強くなり、男は弱くなる?のはそんなに珍しいことじゃないんだ。自分の育った家庭環境もあるのだろうけれど、それを外に発散していいことはない。そりゃ、元凶は家族に当たり父だったりするのだろうけれど。(ジャニーズの問題も然りかな。) みんなが幸せならいいのにな。
Posted by
離婚専門弁護士、紬は北鎌倉にある縁切り寺東衛寺の娘。離婚したい依頼人が少しでも有利に離婚できるように探偵の出雲と奔走する。ドロドロせずにスッキリ進む。まあいろいろあるんだな、といった感想。でも少しタメになったかも。
Posted by
北鎌倉で有名な縁切寺の1人娘があなたの離婚をお手伝い。 離婚訴訟を専門とする弁護士、松岡紬の活躍を描く連作短編お仕事小説。 物語は、各話で視点人物が異なる。 ◇ 夫のモラハラや束縛に耐えきれずに生後10ヶ月の翔を抱き着の身着のままで家出した聡美だった...
北鎌倉で有名な縁切寺の1人娘があなたの離婚をお手伝い。 離婚訴訟を専門とする弁護士、松岡紬の活躍を描く連作短編お仕事小説。 物語は、各話で視点人物が異なる。 ◇ 夫のモラハラや束縛に耐えきれずに生後10ヶ月の翔を抱き着の身着のままで家出した聡美だったが、それに気づいた夫の亮介の動きは速かった。妻は実家に帰ると踏んだ亮介が駅に先回りして待ち伏せしているのを見て、慌てて背を向けた聡美の目に映ったのは、縁切寺として有名な東衛寺だった。 妻の姿をいち早く見つけた亮介が聡美の名を呼びながら駆けてくる。思わず聡美は東衛寺に向かって走り出したが、赤ん坊を抱いた聡美と亮介の距離は縮まるばかり。 絶望的な気持ちで寺の境内に逃げ込んだ聡美を匿ってくれたのは、20代後半ぐらいの、小柄で清楚な女性だった。 ( 第1話「くやしくば尋ね来て見よ松ヶ岡」) ※全5話。 * * * * * 新川帆立さんお得意の弁護士もの。でも新川さんの他の作品とは趣を異にしていておもしろかった。 まず舞台設定がいい。北鎌倉の縁切寺。 駆け込み寺として古くから名高い東慶寺をモデルとしているのは明らかで、年若い弁護士の紬の事務所にも箔をつける役割を果たしています。その事務所も寺の蔵をリフォームしたもので、ますますいい感じです。 そして扱う案件が縁切寺にふさわしく離婚問題。この設定もいい。 離婚に至るには精神的にも体力的にもかなりの負担がかかります。藁にも縋る思いで駆け込み寺に逃げ込んでくる女性に寄り添う主人公。ストーリーとしても魅力的です。 付け加えるなら、各話のタイトルとして東慶寺に絡む川柳が使われているところも洒落ています。 そしてタイトルの川柳は当然モチーフにもなっていて、とても興味深かった。 最後に人物設定。 主人公は松岡紬。東衛寺の1人娘にして絵に描いたほどの美人弁護士です。 ただし、新川さんはこの紬に3つの個性を設定しています。 1つ目は、整理整頓が大の苦手であるというところです。 これは片付け上手の聡美を事務所スタッフに迎える上で必要な個性でした。実際、聡美の活躍や存在感は物語を展開させる上で、大きな役割をはたしています。 2つ目は、まったくひどい方向音痴であるところです。 そのひどさはミッション遂行に差し障るほどですが本筋にはあまり関係なくて、笑いを取るシーンで少しばかり役に立っているぐらいでした。 そして3つ目が、アロマンティックアセクシャルであるというところ。 恋愛欲求も性愛欲求もまったく持ち合わせていません。 この3つめについては最初、男女の愛憎問題の最たるものである離婚を扱うのには不向きでないのかと思ったけれど、却って冷静に問題を捌けるという展開なので、大いに納得しました。 ただし、子どもの頃から紬に想いを寄せ続け、紬の特性を知った現在でも密かに紬を守るためにそばにいる出雲が不憫で仕方ありません。なんとかならないですかね。 その他、前述の聡美に出雲、紬の父僧侶の玄太郎と、紬の弱点を補うメンバーを揃えたところは、さすが新川帆立さんだと思いました。 ストーリーについては、女性の自立やDV被害、同性婚など、現代的な問題をヒューマンドラマに仕立てているし、最終話はミステリー仕立てなので、読んでいて退屈しない出来栄えでした。 ただ新川さんの他の作品と違い、主人公が大車輪の活躍を見せない ( その分、聡美や出雲が活躍するのですが ) という展開なので、新鮮さが半分、あてが外れた感半分といったところが読後感でした。
Posted by
縁切りで名高い鎌倉の東衛寺の末娘・松岡紬は離婚事件専門の弁護士。赤ん坊を抱えて逃げてきた、パワハラ夫と離婚したいという妻に、「もう大丈夫だよ。これまでよくがんばったよ。」と声をかけ、子どもの親権、慰謝料、財産分与、養育費について有利に交渉するために、浮気の証拠集めの必要性について...
縁切りで名高い鎌倉の東衛寺の末娘・松岡紬は離婚事件専門の弁護士。赤ん坊を抱えて逃げてきた、パワハラ夫と離婚したいという妻に、「もう大丈夫だよ。これまでよくがんばったよ。」と声をかけ、子どもの親権、慰謝料、財産分与、養育費について有利に交渉するために、浮気の証拠集めの必要性について説明するのは、さすがプロ。子どもが成人するまでの20年がかかっているし、勢いだけで離婚したらいけないのだな~と勉強になった。女優かアナウンサーかという美形ですごくモテそうな紬だが、「みんな結婚やめちゃえ~って思ってるから。縁切り上等!」と言う。子どもの頃母親が出て行ったことや、縁切り寺に訪れる人たちの不幸な結婚を見てきたことから結婚は意味不明という結論に至ったのか。確かに三組に一組が離婚すると聞くと、結婚とは…と考えてしまう。結婚を続けるにはお互いを理解し合うために言葉にする努力は必要だなとか、それでもダメだったら離婚して新しくやり直すことはできるんたなとか、でも離婚は勢いではなく準備が必要なんだな…とか色々考えさせられた。
Posted by