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叩く の商品レビュー

3.2

18件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    2

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2024/05/25

アジサイの物語は、想像を掻き立てる話で好きだ。埋立地は、とにかく怖いし、当事者意識のなさを表す内容で現実的だ。個人的にまずまずの内容だ。

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2024/04/26

個人的に「海がふくれて」がすごく好きだ。一人の少女が父の死を乗り越え大人の女性になるある夏の話。幼馴染男女の何気ない日々、海沿いの田舎町の雰囲気、土地のしきたりなど、読んでいて感傷的な気分になる。他の作品はオチがはっきりせずモヤモヤした読後感だったが、これは良かった。 やはりこの...

個人的に「海がふくれて」がすごく好きだ。一人の少女が父の死を乗り越え大人の女性になるある夏の話。幼馴染男女の何気ない日々、海沿いの田舎町の雰囲気、土地のしきたりなど、読んでいて感傷的な気分になる。他の作品はオチがはっきりせずモヤモヤした読後感だったが、これは良かった。 やはりこの作者は田舎の描写や家族、友人との何気ない瞬間を描くのが非常に上手いと思う。また新作が出たら読みたい。

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2024/03/26

5篇を収録した短篇集。 表題作の「叩く」は、闇バイトで空き巣に応募したところ強盗だったというお話。すったもんだの挙句、拘束した老婆を殺すか否かで逡巡する心模様が描かれる。あまり気持ちのいい話ではない。 続く「アジサイ」は、置き手紙を残して妻が実家に帰ってしまった男の顛末。途中まで...

5篇を収録した短篇集。 表題作の「叩く」は、闇バイトで空き巣に応募したところ強盗だったというお話。すったもんだの挙句、拘束した老婆を殺すか否かで逡巡する心模様が描かれる。あまり気持ちのいい話ではない。 続く「アジサイ」は、置き手紙を残して妻が実家に帰ってしまった男の顛末。途中まではひどく共感したけれど、このオチはない。 最後にして本書中最長の「海がふくれて」は、東日本大震災で父親が行方不明になった少女のお話。幼馴染の少年と付き合い始めた少女の心が瑞々しく描かれている。が、やはり……。この作家さん、合わないかも。

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2024/01/19

短編が4つと中編が一つの構成だが、全般的にどんよりとした雰囲気の読後感だった.強盗の助けをしたにもかかわらず相棒に裏切られた佐藤の小心さを示した表題作.妻に逃げられた田村浩一の優柔不断さを表した「アジサイ」.「風力発電所」では難解な下北弁が出てきて現実を経験した小生としてはにやり...

短編が4つと中編が一つの構成だが、全般的にどんよりとした雰囲気の読後感だった.強盗の助けをしたにもかかわらず相棒に裏切られた佐藤の小心さを示した表題作.妻に逃げられた田村浩一の優柔不断さを表した「アジサイ」.「風力発電所」では難解な下北弁が出てきて現実を経験した小生としてはにやりとした.思い出話に満足した浩一の回想を示した「埋立地」.少し長めの「海がふくれて」が一番楽しめた.琴子と颯汰が暮らす海岸べりの町での淡々とした話だが、合挽場所の灯台、凪読み様の老婆、沖だしに行って帰って来ない父への手紙、フナダマ様を祭る行事、父の頭骨の発見など印象的なエピソードが随所に散りばめられた構成が良かった.

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2023/12/10

表題の叩くが、読みたくて読んでみました ちょっと自分には合わなかったのかもしれません いまいち、何が言いたいのか掴めないまま 最後まで読み終えました

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2023/11/23

 本作は、短編5編をまとめた書籍である。書名の「叩く」とは、第1編の主人公が「タタキ」となり金銭を盗む刹那、「タタキ」の紹介者に裏切られて殴打され、意識が戻るところからはじまる。面が割れ、このままでは捕まる。いっそのこと住人を殺害するか逡巡する心の揺れ。社会不適応やギャンブル依存...

 本作は、短編5編をまとめた書籍である。書名の「叩く」とは、第1編の主人公が「タタキ」となり金銭を盗む刹那、「タタキ」の紹介者に裏切られて殴打され、意識が戻るところからはじまる。面が割れ、このままでは捕まる。いっそのこと住人を殺害するか逡巡する心の揺れ。社会不適応やギャンブル依存となって生活困窮し、「タタキ」=犯罪に手を染めた自身の自堕落的生活を回想する。生育歴も含めて、自分が直面してる現実と思考のズレに主人公が気づいていない課題を浮かび上がらせる。第2編のアジサイにおいても、体調不良の妻を気遣うつもりで、外食を外ですませて帰ってくる夫。そんな夫に三行半を突きつけた、妻の気持ちが理解出来ない家父長制にどっぷり浸かった夫の認識のズレが際立つ。他編では、開発と環境破壊の問題、東日本震災で父を亡くした女子高生の日常生活と父への思いが溢れる。人間の深層心理をあぶり出し、登場人物は自分かもしれないと感じる作品でもあった。

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2023/11/08

5篇からなる短編集。 「叩く」の登場人物の佐藤。 闇職の掲示板で見つけた仕事は空き巣の補助だった。 この男、依頼人に裏切られ 高齢女性と一緒に残されてしまったのだが。 「アジサイ」も「叩く」も 最終的にどうなるのか書かれていない。 不穏な空気がヒタヒタと・・・。 最終章「海...

5篇からなる短編集。 「叩く」の登場人物の佐藤。 闇職の掲示板で見つけた仕事は空き巣の補助だった。 この男、依頼人に裏切られ 高齢女性と一緒に残されてしまったのだが。 「アジサイ」も「叩く」も 最終的にどうなるのか書かれていない。 不穏な空気がヒタヒタと・・・。 最終章「海がふくれて」は幼馴染の男女のやり取りが清々しい。 いやいや、本当にそうなのか。 どこかに隠されているブラックな部分を見落としてはいないか。 (ブラックは波?) つい、そんなことも思ってしまった。 どの章も不穏だけれど、そこで描かれる色や光、匂いなどが 頭の中でパーッと広がり楽しかった。

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2023/11/07

短編集。 表題作が一番面白かった。身勝手な自己弁護な屁理屈を繰り広げるのに呆れ返って苦笑だけれど、そんなみっともなさや愚かさが、全くは他人事ではないように思えて、生々しかった。

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2023/09/28

短編は向いてないのかもと思いながらだから何!といいながら読む。 どんな短編なら面白く読めるんだろう。今のところ児童図書の銭天堂がダントツでそれを覆えす短編はあるのだろうか。

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2023/09/27

人の心情の深いところを存分に味わえる本。 5つの短編集で構成されている。 叩く アジサイ 風力発電所 埋立地 海がふくれて 「叩く」は闇バイトに足を突っ込んだ人が、強盗に入った家で仲間に裏切られた所から始まる。 自分がどうするのか、何が正しいのか、ぐるぐると考えている訳だけど、...

人の心情の深いところを存分に味わえる本。 5つの短編集で構成されている。 叩く アジサイ 風力発電所 埋立地 海がふくれて 「叩く」は闇バイトに足を突っ込んだ人が、強盗に入った家で仲間に裏切られた所から始まる。 自分がどうするのか、何が正しいのか、ぐるぐると考えている訳だけど、とてもリアル。 他の話も、ちょっとした怪談にも思えてしまう空恐ろしさを兼ね備えている。 アジサイは、アジサイが咲いていく様を美しく描いているだけに、最後のシーンがぞわっとする。 風力発電所は、1番ゾゾゾとしたかもしれない。 埋立地も、一見子供達の悪戯心が呼んだちょっとした冒険話のようだけど、やっぱり怖い。 海がふくれては、1番穏やかで爽やかな感じではあったけど、海の恐ろしさが存分に描かれている。 後味が良いかと言われるとそうではないけど、 どれも、ちょっと怖くて、でもその怖さゆえかグイグイ引っ張られて読んでしまう。

Posted byブクログ