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深く、しっかり息をして 川上未映子エッセイ集 の商品レビュー

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49件のお客様レビュー

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2024/08/21

東日本大震災の年からコロナ禍までの10年のエッセイ。成功して行く姿が眩しくて、私には続けて読むのは無理でした。しかし、文章は美しく言葉で表現する事の大切さを感じさせてくれました。タイトルと後書きが素敵です。

Posted byブクログ

2024/08/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日常生活のささいなことから、社会全体の構造にいたるまで、いろんなテーマに関する川上さんの思いがつまっている。 小説家の先生だから普段からすごいことを考えているのでは、と思っちゃうが、開いてみれば同じ人間同士一般人と大きな差はないのかもしれないなと思った。 いくつか心に残ったエッセイがあるが、一番刺さったのは「彼女のような人ならとくに」かなぁ… トークショーで20代の女性から「妊婦だって仕事はきちんとしないといけないと思うが、自分もいつか子どもを産んだら、優しくなれるのか」という質問が投げかけられたことについてのエッセイだ。 私は質問者とまったく同じことを感じていて、この質問をするってどれだけ勇気がいっただろうと思ってしまう。筆者の川上さんも、質問者が感じている生きづらさを思いやるようなことを書かれたうえで、余裕がなくて人に優しくできないときもあるよね、それって会社がどうにかすべきじゃない?と答えたと綴られていた。 たしかに、妊婦かどうかに関わらず基本的に人には優しくすべきだ。ではなぜ質問者の彼女が妊婦に注目してしまったかでいうと、社会の中に妊婦には優しくすべきという風潮があること、また余裕がない中でも思いやりを強制される対象が、質問者の場合妊婦というケースに限られるからなのかなと思った。 そう思って顔をあげてみると、世の中には妊婦以外にも高齢者、子ども、障がい者、怪我人、病人などなど、ここには書ききれないくらい気をつかった方がいい人たちがたくさんいる。 気が遠くなる。正直そこまでやってらんないよ!って思ってしまうのは、私だけなのだろうか。 そして、そう思ってしまうのは、私が真面目で余裕がなくて生きづらさを抱えているからなんだろうか。そんな何も気遣うポイントがない私を気遣ってくれる家族や親以外の人は、この世の中にいるんだろうか。 会社だって、すべての従業員が100%気持ちよく働ける環境を用意するなんて難しい。人は足りてないのに仕事は山積み、そんななかでお休みに入る人がいるってなったら、マジか…勘弁してくれ…ってなっちゃうし、会社としてもじゃあ今から人を一人採用してそこに入れようなーんて簡単な話ではない。 といったように、うだうだぐちぐち書いてきたけど、絶対この本で推したいポイントってここじゃないのである。もっとほっこりするお話とかたくさん載っているのでぜひ読んでみてほしいです!!!

Posted byブクログ

2024/08/06

日常のあれこれから世の中のあれこれまで みえこぱいせんがふんわりと綴ったエッセイ集。 なんでふんわりしてるのかな、と考えたけど、 いろんな方の意見があることを内包し、余白を残した上で綴られてるからだろうな。 こちらもふんわりと読ませていただきました。 あとがきがかなり良かっ...

日常のあれこれから世の中のあれこれまで みえこぱいせんがふんわりと綴ったエッセイ集。 なんでふんわりしてるのかな、と考えたけど、 いろんな方の意見があることを内包し、余白を残した上で綴られてるからだろうな。 こちらもふんわりと読ませていただきました。 あとがきがかなり良かった。 私も、いろいろあっても、穏やかであることにこだわっていきたい。

Posted byブクログ

2024/06/25

可愛い表紙に惹かれて。 雑誌Hanakoに連載された2011年から2022年までのエッセイ。ファッション、子育て、生活や社会、作品のこと。 読者に語りかけるように書かれた文章が、印象的だった。

Posted byブクログ

2024/06/12

◾️特に好きなもの 悲しみを乗り越えられるわけ 別れのリトマス試験紙 すべてを忘れてしまう私たちは いっそすべての穴を埋めたい 主人などいない 彼女のような人ならとくに これっていったい何なんだろう 似てると言ったら烏滸がましいのだろうけれど、私も根っからのネガティブ人間なので...

◾️特に好きなもの 悲しみを乗り越えられるわけ 別れのリトマス試験紙 すべてを忘れてしまう私たちは いっそすべての穴を埋めたい 主人などいない 彼女のような人ならとくに これっていったい何なんだろう 似てると言ったら烏滸がましいのだろうけれど、私も根っからのネガティブ人間なので、川上未映子さんのエッセイに何度となく出てくる、生きることは強制参加、なぜか涙が出てくる、みんないつか死ぬのに、エトセトラ、そんなような感覚がとてもよく分かって、泣きたい気持ちになる 私は自分の心情を言語化することは好きだけれどうまく帰結することが苦手 拡散して拡散して、なんだこりゃ、私、何がしたいんだっけ?何が好きなんだっけ、なんで生きているんだっけ、たとえば2050年って、私、何歳だ?生きてるの?私の周りにいる大切な人たちもみんなみんな、その頃何しているんだろう?分からない未来のことを考えて漠然とした不安に包まれるような感覚になってそれは本当に、実際に、呼吸がうまくできなくなることがあった(ある) > 過去や未来の不自由さに比べて、「今」だけは、自分の努力で少しぐらいは何とかできそうだって思わない? 大切なものを守ってゆく、たくさんある努力の中の、これはひとつだと思うんだよね。 だからこれは本当に救いになる考え方というか、忘れずにいたいと思ったフレーズです。 「今」が繋がってきた結果が過去であり続いていった先に未来があって、近くても遠くてもそれは「今」の連続の中にある。 あれこれごちゃごちゃと難しく考えたがりな私はとくに意識して、「今」を大事にしていきたいなと思う いろんなことが当たり前じゃないよねっていうことを感じさせてくれるエッセイでした

Posted byブクログ

2024/05/20

川上未映子さんのエッセイ。 図書館でなんとなく手に取った本です。 読み進めていくうちに、川上未映子さんが好きになりました。他の本も読みたいです。 読んで良かったと思えるエッセイ。

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2024/05/04

川上未映子さんの文章を読むと「あ、これ怒っていいんだ」と発見が多い。過去飲み込んだ出来事に対して一緒に怒ってくれている感じになって安心する。考え続けることが自分の力になるのだな。

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2024/04/30

こういうエッセイは月刊誌、雑誌で読むから新鮮、新しさを感じるんだろうなー。 生き生きとその時の世相の関心に、読む側も今起きていることだからこそ共感できる。 単行本にまとめてしまうと、今から見た過去の答え合わせはできたしても、重複した内容や思考の浅さにおやっ、となる。もやっとか...

こういうエッセイは月刊誌、雑誌で読むから新鮮、新しさを感じるんだろうなー。 生き生きとその時の世相の関心に、読む側も今起きていることだからこそ共感できる。 単行本にまとめてしまうと、今から見た過去の答え合わせはできたしても、重複した内容や思考の浅さにおやっ、となる。もやっとか。

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2024/04/13

川上未映子さんの小説もエッセイも大好きで、全て網羅している。 Hanakoに連載された2011〜2022までのエッセイ。 他のエッセイ本と重なってる部分もあったけれど、やっぱり未映子さん節好きだな。 同い年で、色々な共通点もあり、誰かに何かを買ってもらうのが苦手で、「欲しいもの...

川上未映子さんの小説もエッセイも大好きで、全て網羅している。 Hanakoに連載された2011〜2022までのエッセイ。 他のエッセイ本と重なってる部分もあったけれど、やっぱり未映子さん節好きだな。 同い年で、色々な共通点もあり、誰かに何かを買ってもらうのが苦手で、「欲しいものは自分で稼いで買うこと」にある意義や快感を感じる。と言うのも同じ。 話してたら話したら無いほど楽しいだろうなぁ。 それで、今回ホットヨガにハマっていると書かれていて、嬉しくなってしまった。 ジョギングはしてないから分からないけれど、ヨガの呼吸からは、気付きや学びがとても多い。 緊張したり、うまくいかない事があると、自分でも気付かない間に、呼吸が浅くなったり、止まっていたりする。 そんな時にヨガをすると、アーサナ(ポーズがグラグラして)が安定しない。 深く深ーく呼吸をすると精神も肉体も安定する。 少しだけ、楽になる。 次のエッセイは、新しく家族に迎えたダックスちゃんが登場するのかな。 我が家もダックスを飼っているので、とても楽しみ。

Posted byブクログ

2024/03/24

15年にわたり雑誌Hanakoに連載されたエッセイの中から、2011年から2022年までの80本を選び収録した本。 川上さんのエッセイは『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』を読んだけれど、あちらとはまるで別物の印象だ。特に社会問題化している女性の権利や、子育てに関するあ...

15年にわたり雑誌Hanakoに連載されたエッセイの中から、2011年から2022年までの80本を選び収録した本。 川上さんのエッセイは『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』を読んだけれど、あちらとはまるで別物の印象だ。特に社会問題化している女性の権利や、子育てに関するあれこれが心に残った。おっさんであるぼくが読んでそう思うのだから、若い(とわざわざ限定する必要もないのか?)女性なら尚更じゃないかな。 掲載誌ゆえかファッション系の話も多く、お金持ちっぽい書き方がちょっと気に障った。

Posted byブクログ