懲役病棟 の商品レビュー
医師の香織と看護師のマリ江が半年だけ、刑務所に派遣されていた間に診察した受刑者たちの過去と立ち直りを描いたストーリー。 4人の女性受刑者を通じて、女性たちが罪を犯さざるを得なかった環境や、刑務所内の暮らし、出所後の自立の難しさなどを知ることができた。 一方で、重くなりそうな内容...
医師の香織と看護師のマリ江が半年だけ、刑務所に派遣されていた間に診察した受刑者たちの過去と立ち直りを描いたストーリー。 4人の女性受刑者を通じて、女性たちが罪を犯さざるを得なかった環境や、刑務所内の暮らし、出所後の自立の難しさなどを知ることができた。 一方で、重くなりそうな内容も、香織とマリ江のバカバカしいともおもえる掛け合いで、苦笑しながら読めた。 小説の中では、刑務所内で同室となった4人が、年代もバラバラながら、出所後も一緒に暮らしながら助け合える関係を築けるような人たちでよかったが、弱者に手を差しのべられない今の社会が、必要以上に犯罪者を生み出すことに繋がっているのかもしれないと思った。
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刑務所内の話だが 重過ぎることはなく 楽しめた 聴く人によって 読める心の内容が異なるところが 興味深い
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女子刑務所に興味があって読んだけど 聴診器はファンタジーすぎてあんまりピンと来なかったかなあ 私もいつ犯罪者になるか分からないし、私が犯罪者になったり死んだりしたせいで家族が犯罪者になってしまうかも、と思うと怖いから 自分だけの人生だと思わずに真面目に生きようと思った。 でも...
女子刑務所に興味があって読んだけど 聴診器はファンタジーすぎてあんまりピンと来なかったかなあ 私もいつ犯罪者になるか分からないし、私が犯罪者になったり死んだりしたせいで家族が犯罪者になってしまうかも、と思うと怖いから 自分だけの人生だと思わずに真面目に生きようと思った。 でも子供のために夫を殺せる強い人間でいたいな 多分私にはできないから、かっこいいと思った。
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聴診器シリーズ3作目読了。1作目に次ぐいい内容でした。罪を犯した女性達それぞれの深い背景が描かれていました。残念ながら最後の方は意味不明でした
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男子の長期受刑者の刑務所では、周りもみんな長期か無期かですから、気持ちが安定してくるんです。ですから共同作業では互いだ打ち解けて、刑務作業で作り上げる製品の質が高く、ダントツの売り上げを誇ってる刑務所もあります。それが生き甲斐となっているようです。 女性刑務官の4割が一年未満で...
男子の長期受刑者の刑務所では、周りもみんな長期か無期かですから、気持ちが安定してくるんです。ですから共同作業では互いだ打ち解けて、刑務作業で作り上げる製品の質が高く、ダントツの売り上げを誇ってる刑務所もあります。それが生き甲斐となっているようです。 女性刑務官の4割が一年未満で辞めてしまいます。3年未満だと7割です。 まるで介護施設ですよ。私たち刑務官は、看護や介護の訓練を受けていませんから、病気や障がいのある受刑者の対応も難しいんです。 「人生は努力次第だ。努力すればいくらでも人生は好転する。だから同情の余地なんかない。それどころか税金を使って無料で3度の飯を食えるんだから、随分といいご身分」私もはっきり言語化してしまえばそう思っていた節はある。 刑務官にずっと見張られながら一日8時間も働くのは容易ではない。トイレに行くにも許可がいる。もちろん、ここでも私語は禁止だし、賃金はその後の生活を保証できるほどのものではない。 「鍋で小豆をコトコトと煮るような幸せな日々もあったのだった。」刑務所でたまに出るスイーツを見て受刑者がふと思う。 歳をとるごとに気弱になっていく。盆正月などには子や孫に囲まれて、堂々と食卓の采配を振る立派なおばあさんになれると信じていたのはいつ頃までだったか。 私だって朝生には迷惑をかけたくない。だけど身元引受人がいなければ、出所後の生活を立て直すのは不可能に近い。お金もないし保証人もいないとなれば、住む所もパート仕事も見つけられない。 同じ舎房にいる五十代の「幸せ二人組」は、待っていてくれる家族がいるから、きっと満期を待たずに出所できるだろう。しかし彼女らは傷害罪だが、私は四百三十円の惣菜を盗んだだけなのだ。 早く出たところで行く所がないのなら、満期出所どころか一生ここにいた方がいいのかもしれない。 でも・・・・・・狂おしいほど自由が欲しい。 自由気ままに街を歩きたい。 幼い頃私を追いかけて泣いた愛らしい朝生が、今では私に会いたくないと思っている。こっちは会いたくてたまらないのに。 じゃあいったい誰が悪いのか。ギャンブル好きの夫なのか、それとも夫の愛人なのか、それとも貧乏人が浮き上がれない社会の仕組みそのものなのか。 愛する人に愛を与えられなかった時に最大の罪悪感を覚える。誰を愛して生きてきたのかがわかる計測器のようなもの。愛すればこそ罪悪感がある。 優しい人は、誰かに優しくできなかった時に、強烈に罪悪感を覚える。罪悪感は愛の量に比例するの。 そのときふっと、息子夫婦や孫たちが休日の公園で遊んでいる姿が思い浮かんだ。 実際に見たことがあるわけではないから想像に過ぎないのだが、それでも少しずつ心が穏やかになっていく。 私は息子家族にとって迷惑な存在に違いない。逆の立場を考えてみれば簡単にわかる。親族が刑務所に入っているなんて、誰にも知られたくなくて当然だ。世間の人はその事実を知った途端に、息子家族を色眼鏡で見るだろう。ムショに縁のない生活を送っていた昔の自分だってそうだった。私がムショに入っていることは、さすがに息子の妻だけは知っているだろうが、孫たちや妻側の親族にはひた隠しにしていることだろう。 優しいおばあちゃんになれると思っていたのは遠い昔のことだ。今や息子の人生を邪魔する魔物に変わり果てた。きっと息子夫婦は思っているだろう。心の中から抹殺してしまいたい、もう思い出したくもないと。 「息子家族を遠くから見守る・・・・・・確かにそうですね。私にはそれで十分です」 秋月の言う通り、私なりに精一杯やってきたつもりだった。しかし、それを息子が否定的に提えていたとしても、私にはもうどうしようもないことなのだ。 身元引受入のことは潔くあきらめよう。満期出所でも仕方がない。そして、ダメ元で生活保護の申請をしてみるところから人生をやり直すのだ。 罪とか罰とか法律とか刑務所とか、もう何が何だか訳がわからなくなってきた。 そもそも法律ってなんのためにあるんだっけ? そもそも刑務所って何のためにあるんだっけ?惣菜四百三十円で懲役2年。
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このシリーズ、聴診器から心の中が読める、という設定は、正直くだらないって思ってしまうタイプの私ですが、でもそれ以外のストーリーは、おもしろい。犯罪者になる過程とか、犯罪者に対する周囲の人の姿勢とか、ノンフィクションを読んでるようでした。
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巻末の村木厚子さんの解説通り、「罪を犯す人のリアル」「刑務所の中の暮らしのリアル」「世間のリアル」を、小説を楽しみながら感じられる良書だった。私自身にもあった偏見が変化したのを感じる。
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刑務所の生活、罪を犯す人の背景、世間の目、全て自分に当てはめて考えることができる作品。 小説にする大変さと、知らないと書けない。笑いもたくさんで、さすが垣谷美雨!
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シリーズもの。 聴診器にまつわる人の本音が聞こえる話。 刑務所の生活や受刑者の状況がリアルティがあって、本の世界に没頭できました。 この本に登場した医師と看護師のペアもまたステキだと思いました。
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垣谷美雨さんの作品は 「あなたの人生片付けます」 「あなたのゼイ肉落とします」 でファンになり3冊目になります。 いつも少しダークな問題も 軽快に解決する感じが気持ちよく スキッとする作品にハマってしまうのですが、 今回も、刑務所というダークな閉ざされた場所の病棟のお話です。懲役...
垣谷美雨さんの作品は 「あなたの人生片付けます」 「あなたのゼイ肉落とします」 でファンになり3冊目になります。 いつも少しダークな問題も 軽快に解決する感じが気持ちよく スキッとする作品にハマってしまうのですが、 今回も、刑務所というダークな閉ざされた場所の病棟のお話です。懲役病棟に、体調を崩してくる患者さんの事情を知ると、被害者なのではと思うような気の毒な方も多く もちろん、犯してしまった罪は償わなければならないのですが、 刑期を終えてもなお辛い目に遭う場合や、行き場がない方 また戻って来てしまう方も少なくないというのも現実だそうです。 お話は 突然、刑務所の病院勤務を命じられた香織先生と看護士のマリ江さん。 最初はいやいや、怖々だった二人が、せん別でもらった不思議な聴診器をあてると、患者さんの、苦しい内情がわかり… なんとか手助けしようとあれやこれやと奮闘するお話です。 最初は読みながら、そんな軽いノリで、ずかずか入り込んで大丈夫かーと思いましたが、そのストレートな軽快さでこじれた家族に第三者として さとし、事情を説明することで 少しづつこじれた紐がほどけ、何かしら希望がもてる展開や、 香織先生やマリ江さんの前向きな気持ちや明るさに救われる思いがして、よかったよかったと何度もほっとしました。 今回も、一人一人は思いテーマですが、スッキリ希望をもてるお話でよかったです。 病棟シリーズは、三作あるようで また機会があれば是非読んでみたいです。
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