懲役病棟 の商品レビュー
不思議な聴診器のお話第三弾は、著者の社会問題意識がさらに色濃く出ているようで、とても興味深くおもしろかった。 著者によって詳らかにされた、女性が罪を犯さざるを得ない現実を知るとともに、医者がお節介をやいた後によい方向に向かうお話にほっこりする。 受刑者の背景と共に更生支援、出...
不思議な聴診器のお話第三弾は、著者の社会問題意識がさらに色濃く出ているようで、とても興味深くおもしろかった。 著者によって詳らかにされた、女性が罪を犯さざるを得ない現実を知るとともに、医者がお節介をやいた後によい方向に向かうお話にほっこりする。 受刑者の背景と共に更生支援、出所後の現実、刑務所内での労働などなど、著者の課題意識が随所に垣間見える。そのような社会問題を提起しつつ読後感爽やかなエンターテイメントに仕上げる垣谷さん。本書を書くにあたっては、相当取材して勉強されたことがうかがえる。 村木厚子さんの解説も非常に興味深かった。
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病棟シリーズ第3弾。聴診器を扱う人物はなんと今回はふたり。脇役に徹していた看護師のマリ江さんの奮闘ぶりが面白くって、元ヤンの香織先生とのコンビが最高❗️刑務所が舞台だった本作は、もっともっとおどろおどろしくて暗い気持ちになる展開かと思っていたけれど、気持ちに寄り添って応援したくな...
病棟シリーズ第3弾。聴診器を扱う人物はなんと今回はふたり。脇役に徹していた看護師のマリ江さんの奮闘ぶりが面白くって、元ヤンの香織先生とのコンビが最高❗️刑務所が舞台だった本作は、もっともっとおどろおどろしくて暗い気持ちになる展開かと思っていたけれど、気持ちに寄り添って応援したくなるような明るいお話が満載。悲しい現実にもめげず、聴診器コンビが背中を押しまくって、周囲の人を巻き込んでいく姿、変わっていく内面と、収監者たちの心模様の変化が存分に楽しめた。 第4弾は、果たして誰に聴診器がわたるのだろう。今からワクワクしてしまう。 村木厚子さんの解説も素晴らしかった。深みが加わって物語が再燃するようでとてもよかった。
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女性受刑者は、加害者じゃなくて被害者なんだということは理解できたし、ストーリーも興味深く読めたが、それぞれの受刑者の経過が、やや現実離れし過ぎているということで、入り込めない面もあった
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
女子刑務所に派遣した医師と看護師が不思議な聴診器を使うと受刑者の心の声と半生を知ることができるようになった。 それまでは差別的な目で見ていた受刑者それぞれのここに至るまでの事情をしり、なんとかしてあげたいと考える二人。 くだけた軽い文章で暗い話も心がヒリヒリ痛くならないのがいい。 受刑者みんなが悪人なわけじゃない、環境を整えて新しい生活を歩みはじめるラストが明るい気持ちになる
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魔法の聴診器シリーズ第三弾。 女子刑務所のリアルが心に残った。村木さんの解説まで込みで読後感のよい作品。 私だったかもしれない。 盗んだ、刺した、クスリに手を出した、火をつけた。 刑務所での暮らしと、その後の暮らし、その困難さ。 希望を持てないこと。 縁の薄いまま一生を終えられた...
魔法の聴診器シリーズ第三弾。 女子刑務所のリアルが心に残った。村木さんの解説まで込みで読後感のよい作品。 私だったかもしれない。 盗んだ、刺した、クスリに手を出した、火をつけた。 刑務所での暮らしと、その後の暮らし、その困難さ。 希望を持てないこと。 縁の薄いまま一生を終えられたらラッキーだと思う。 優しい世界であってほしい。 加害者であり被害者、という言葉がもっと届くといいと思う。
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『後悔病棟』『希望病棟』に続く病棟シリーズ第三弾。今回は元暴走族の“金髪女医”太田香織とベテラン看護師の松坂マリ江が女子刑務所へ。 心の声を聞ける聴診器を受刑者の胸にあてると罪を犯さなければならなかった事情が見えてきて、彼女達は罪を犯したけれど被害者なんだ。 惣菜430...
『後悔病棟』『希望病棟』に続く病棟シリーズ第三弾。今回は元暴走族の“金髪女医”太田香織とベテラン看護師の松坂マリ江が女子刑務所へ。 心の声を聞ける聴診器を受刑者の胸にあてると罪を犯さなければならなかった事情が見えてきて、彼女達は罪を犯したけれど被害者なんだ。 惣菜430円の万引きで懲役2年を科せられた清子、DV夫から逃れる為に殺してしまった美帆、ダメ男にそそのかされて覚醒剤に手を出しちゃったルル、孫の仇を討つために放火した梢、、、。 第四段も出ないかな?読みたいな。 まだまだこの物語のキャラ達とお別れしたくないな。
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04月-14。3.5点。 病棟シリーズ第三弾。今回は金髪医師が例の聴診器を引き継ぐ。女子刑務所の診療所へ半年間出張、例の中年看護師と一緒。 シリーズで一番面白い。
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病棟シリーズ第三弾。 「後悔病棟」の早坂ルミ子医師、「希望病棟」の黒田摩周湖医師に続き、パツキンの太田香織センパイが登場! 太田香織(37歳)と、ベテラン看護師の松坂マリ江(50歳)は、青葉市の女子刑務所に常勤医と看護師として出向することになる。 彼氏に付いて暴走族に入ったこと...
病棟シリーズ第三弾。 「後悔病棟」の早坂ルミ子医師、「希望病棟」の黒田摩周湖医師に続き、パツキンの太田香織センパイが登場! 太田香織(37歳)と、ベテラン看護師の松坂マリ江(50歳)は、青葉市の女子刑務所に常勤医と看護師として出向することになる。 彼氏に付いて暴走族に入ったこともある香織だが、元々がお嬢様で世間知らず。 刑務所に入るような女はクズばかりだろうという偏見を持っていた。 熱を出して診察室を訪れる受刑者の印象が、「普通の女」でいささか意外に思う。 ルミ子から託された不思議な聴診器で診察するうちに、彼女たちは加害者ではなく、むしろ被害者ではないかと気づく。 なんで被害者の方がチョーエキ受けてるの? 不条理である。 本当なら、覚醒剤を勧めて稼がせる彼氏や、暴力を振るって何度も怪我をさせる夫の方を監禁して、性根を叩き直すべきだと私も思う。 しかし一方で、刑務所とは、頑丈なシェルターという一面を持ってはいないだろうか。 不自由な生活ではあるが、塀の中にいる間、彼女たちは守られているのだ。 DV夫への傷害で実刑を受けている二人の女性は、服役中に家族の奔走で離婚が成立し、差し入れ、手紙、面会も多く、その表情は笑顔。同室の者たちから羨ましがられている。 しかし、釈放されたら、元夫がまた干渉してこないとは限らない。 刑務所を出た後の方がいろんな意味で大変なのではないだろうか。 再犯を犯さないためには、出所した後に安心できる居場所があることが一番大切である。 香織は、若い頃に見た暴走族の少女たちは居場所が無かったのかもと気づく。 女性の受刑者の多くが、男によって人生を狂わされている。 彼女たちの人生は重たいが、同室の受刑者同士の友情や、香織とマリ江の軽快な会話のやり取りが、読むことをつらくさせない。 「治って出ていく」という点で、刑務所は病院と似ている。
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後書きにもありました。 人はどうしたら罪を犯さずに済むのか、 また、真に更生するにはどうしたらいいのか。 人生は、自分の思うようには動いてはくれず、思わぬ方向に進んでいくことの方が多いのかもしれない。 更生するには……住む場所や最低限のお金、そして「希望」。 どれか一つ欠...
後書きにもありました。 人はどうしたら罪を犯さずに済むのか、 また、真に更生するにはどうしたらいいのか。 人生は、自分の思うようには動いてはくれず、思わぬ方向に進んでいくことの方が多いのかもしれない。 更生するには……住む場所や最低限のお金、そして「希望」。 どれか一つ欠けても更生するのは厳しいかもしれない。 聴診器の件はファンタジーだけど、 ハラハラドキドキしながら十分に考えさせられる良書でした。
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聴診器でその人の考えが読めるシリーズで、今度は女性刑務所の病棟での話。前作の希望病棟とテーマが近く、社会の(特に女性が抱える)の課題ゆえに犯罪を犯してしまった人々を描いていた。 犯罪を肯定するような描写にはさすがに「どうなの?」とは思ったが、犯罪者に同情の余地があるのは確かなので...
聴診器でその人の考えが読めるシリーズで、今度は女性刑務所の病棟での話。前作の希望病棟とテーマが近く、社会の(特に女性が抱える)の課題ゆえに犯罪を犯してしまった人々を描いていた。 犯罪を肯定するような描写にはさすがに「どうなの?」とは思ったが、犯罪者に同情の余地があるのは確かなので、このような作品がきっかけで制度や法律が見直されれば良いと思った。
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