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「おかえり」と言える、その日まで の商品レビュー

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33件のお客様レビュー

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2024/04/11

登山をする者にとって遭難は、だれにでもどこででもいつでも起こりえると言えます。 作者は普段は看護師として、医療に従事されていますが、山岳行方不明遭難者捜索活動および行方不明者家族のサポートを行う民間の山岳遭難捜索チーム、LiSSの代表です。 普通、遭難の一報が入ると警察、消防など...

登山をする者にとって遭難は、だれにでもどこででもいつでも起こりえると言えます。 作者は普段は看護師として、医療に従事されていますが、山岳行方不明遭難者捜索活動および行方不明者家族のサポートを行う民間の山岳遭難捜索チーム、LiSSの代表です。 普通、遭難の一報が入ると警察、消防などによる捜索が開始されますが、大体一週間ほど捜索をして見つからない場合、公的な捜索はひとまず打ち切りになるようです。 しかし残された家族は何としても見つけてあげたい、帰ってきて欲しいのです。 そこで中村さんの団体に声がかかります。 中村さんはまず、家族との面談を行います。 本人について、事細かに聞き取りをし、その人の性格、行動パターンなどを割り出します。 そのうえで、地形図を読み込み、実際現場に足を運び、遭難者の行動を想像したり、起こりうるすべてについて検証します。 こうして中村さんは何人もの遭難者を発見してきました。長い人は何年も経過したり、残念ながら生存の確率は低いですが、家族の元に戻るということで、ご家族の気持ちにも区切りがつくでしょうし、納得できるのだと思います。 本書を読んで改めて心したこと。 山岳保険はぜったい加入するべき、最近は電子機器の発達により、自分の居場所がわかるというのもありますが、 捜索には本当にお金がかかるということです。 そしてもう一つ心掛けていることは、青色の物を身に着けるということ、青色は自然界には存在しないので、山の中で目立ちやすく、もしもの時見つけてもらいやすいと聞きました。 そして山道具はとても丈夫なので、結構年数がたっても風化しないということです、上着の切れ端が枝に引っかかっていて、本人にたどり着いたということもあるそうです。 でもまずは、遭難しないことに日々注意を払うことです。

Posted byブクログ

2024/03/15

「山好きが山でなくなったのだから本望だ」。とは思わない。  自身も登山が趣味でよく山に登る。初めて登る山は不安が多い。何度か道に迷ったことがある。すぐにルートに戻れることが多いが、なかなか戻れずに右往左往し、パニックになるそんなとき、“遭難”の二文字が頭をよぎる。それはまさしく恐...

「山好きが山でなくなったのだから本望だ」。とは思わない。  自身も登山が趣味でよく山に登る。初めて登る山は不安が多い。何度か道に迷ったことがある。すぐにルートに戻れることが多いが、なかなか戻れずに右往左往し、パニックになるそんなとき、“遭難”の二文字が頭をよぎる。それはまさしく恐怖!である。  この本の中での遭難者は皆、山迷いや転落などの事故死である。即死状態であったかもわからないし、事故によって動きが取れなくなり、忍び寄る死への恐怖を感じながら家族への思い、導かれた山への思いもあれば、後悔も無念さもいろんな気持ちで数時間、あるいは数日を過ごしたことだろう。  本望でないにしても本人の好きな山、自然の中で迎えた死はどこか悲惨ながらもなにか厳粛さを感じてしまう。  自然は甘くないとか、自然が牙をむくなどという表現があるが、この本を読んでいてほのかに感じるのは、その山が拒絶ではなく、事故にあったその遭難者を穏やかに包み込んで追悼しているような気がしてくるのである。  遭難者の発見を待つ家族に対峙する救助隊には遭難者を見つけるというだけでなく、深い思いやりの精神をもって辛苦の時を乗り越えさせる役目もあることを知った。  とてもいいドキュメントを読ませていただいたし、深く心に残るとてもいい本でした。  ちなみにNHK-FMラジオの「山カフェ」で紹介されていたので読みました。

Posted byブクログ

2024/01/21

山岳遭難者の捜索に携わられている方による、実際のお話。最初に書かれていたが、山岳遭難というと2〜3千メートルクラスの険しい山で起きるものというイメージだったが、本書の事例はそうでは無かった。かといって登山初心者でもないし、初めて登った山ではないケースもあった。それだけ、登山と遭難...

山岳遭難者の捜索に携わられている方による、実際のお話。最初に書かれていたが、山岳遭難というと2〜3千メートルクラスの険しい山で起きるものというイメージだったが、本書の事例はそうでは無かった。かといって登山初心者でもないし、初めて登った山ではないケースもあった。それだけ、登山と遭難というのは切り離されない関係にあるということを感じた。 著者の方は民間にて山岳遭難者の捜索にあたっている方で、そういう団体があることも初めて知った。 この方は遭難者を闇雲に探し回るのではなく、ご家族などに遭難者の性格や普段の振る舞いなどを聞いてプロファイリングのようなことをしてから、どこで遭難したのかを検討するようである。それだけにどのお話も実感に迫るものがあり、文章の読みやすさもあって一気に読むことができた。 登山には興味があって初めてみたいとおもっていたが、簡単に考えてはいけない、実際に行くなら慎重な準備が必要だということを強く実感した。

Posted byブクログ

2024/01/13

山岳遭難捜索の現実を読ませてもらいました。 生きている間に見つけるのがどれほど難しいのかよくわかる。 自分だけは遭難しないとは絶対に思わないで、できる限りの準備をして山に出かけたいと強く思った。

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2024/01/03

山歩きを始めた人、全員に読んで欲しい本。 山の怖さ、なぜ遭難が起こるのか、捜索の難しさがよくわかる。迷惑をかけないよう、登山を楽しもうと心に誓った。

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2023/12/24

山登りが好きな人が多いなぁ、と感じてたいたが、報道されるものだけでも相当なものだが、それ以外にも遭難は数知れず… 自分たちも危険に晒される救助隊の人たちって…公的機関の捜索の後にあるいは同時に活動する民間捜索団体の看護師の方の著作。発見を待つ家族との関わりから遭難者のプロファイリ...

山登りが好きな人が多いなぁ、と感じてたいたが、報道されるものだけでも相当なものだが、それ以外にも遭難は数知れず… 自分たちも危険に晒される救助隊の人たちって…公的機関の捜索の後にあるいは同時に活動する民間捜索団体の看護師の方の著作。発見を待つ家族との関わりから遭難者のプロファイリングをし、捜索の範囲を絞っていく手法に脱帽。 山登りに憧れるが、改めて怖さを感じた。

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2023/11/23

民間の山岳遭難捜索「LiSS」。 ハイキング程度しかいない者にとって、慣れ親しんだ里山などでも遭難してしまう事実に驚かされた。 公的な捜索が打ち切られても、遭難者を見つけて欲しいという家族の願いも、時間とともに精神的・金銭的にも負担となっていく。そんな家族にも寄り添いつつ、1人...

民間の山岳遭難捜索「LiSS」。 ハイキング程度しかいない者にとって、慣れ親しんだ里山などでも遭難してしまう事実に驚かされた。 公的な捜索が打ち切られても、遭難者を見つけて欲しいという家族の願いも、時間とともに精神的・金銭的にも負担となっていく。そんな家族にも寄り添いつつ、1人でも多く「おかえり」と言えるように活動されている。 遭難者を探す途中で、別の遭難者やご遺体に遭遇したケースも書かれているが、実際まだまだたくさんの人たちが「ただいま」と言う機会を待っているのだろうと感じた。

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2023/11/17

ネットで一部を読んでいて続きが読みたかった 春から登山を始めたので、山岳遭難については興味があり内容も詳細でためになった ザックやウェアを茶や、黄色系にしていたので『青は自然界に絶対ない色なので、どこかに青いものを身に着けて欲しい』という言葉が響いた 今度購入する時の参考にしよう...

ネットで一部を読んでいて続きが読みたかった 春から登山を始めたので、山岳遭難については興味があり内容も詳細でためになった ザックやウェアを茶や、黄色系にしていたので『青は自然界に絶対ない色なので、どこかに青いものを身に着けて欲しい』という言葉が響いた 今度購入する時の参考にしようと思った 家族は登山をしないので、待つ側の気持ちもよくわかり今まで以上に慎重に山に入ろうと思った

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2023/10/31

民間の山岳遭難捜索チーム「LiSS」の代表の著者。 遭難者の家族に寄り添い、サポートし、丁寧な聴き取りからプロファイリングをして、遭難者の手がかりを探っていく。 公的機関の救助が打ち切られた後に依頼されることが多いようで、全て紹介されているのはご遺体で発見されたケース。 何週間...

民間の山岳遭難捜索チーム「LiSS」の代表の著者。 遭難者の家族に寄り添い、サポートし、丁寧な聴き取りからプロファイリングをして、遭難者の手がかりを探っていく。 公的機関の救助が打ち切られた後に依頼されることが多いようで、全て紹介されているのはご遺体で発見されたケース。 何週間、何ヶ月もかかる捜索は見つからない時の待つ家族の心の変化についても触れられている。家族の心労はかなり大きいようで丁寧に真摯に寄り添ってくれるのは心強いだろう。 登山しない自分にも語り口が分かりやすく、著者の仕事への想いと情熱が伝わる。遭難者の家族のサポートを含めたこの様な捜索チームがあるという事とその仕事を詳しく知る事が出来た。

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2023/10/28

子育て終わりの頃から始めた山歩き・・いつの間にやらのめり込む登山者となった。 捜索にかかわっている専門家の目線より、素人だからこそ気づくというプロファイリングに舌を巻いた。 幾つか、私も歩いた場所があった事もあって息をつめて読み、遺体発見時の描写を頭に描きました。 一つ間違えば...

子育て終わりの頃から始めた山歩き・・いつの間にやらのめり込む登山者となった。 捜索にかかわっている専門家の目線より、素人だからこそ気づくというプロファイリングに舌を巻いた。 幾つか、私も歩いた場所があった事もあって息をつめて読み、遺体発見時の描写を頭に描きました。 一つ間違えば、私も同じ轍を踏んでいたことは想像に難くない。まして運命は天から見下ろす形で己に降ってくると日頃から感じている為、作中にも同様の事が書かれているのを読み色々考えさせられるものばかりでした。 中村さんの文筆力も惹きつけられるものであり、とても読み易く、伝わってくるものが大きいです。 山を愛し、歩いている方々にぜひともバイブルとして手元に置いて繰り返し読んで欲しい一冊だと思いました。

Posted byブクログ