ACEサバイバー の商品レビュー
ACEという言葉が、日本において殆ど浸透していない現状にも関わらず、アメリカおける逆境体験の研究結果や支援の在り方について生物学的見地を含め、わかりやすく丁寧に説明されている。 まだまだ心身の病は自己責任という日本社会の思い込みを、そう簡単に払拭できない現状が歯がゆい。 このよう...
ACEという言葉が、日本において殆ど浸透していない現状にも関わらず、アメリカおける逆境体験の研究結果や支援の在り方について生物学的見地を含め、わかりやすく丁寧に説明されている。 まだまだ心身の病は自己責任という日本社会の思い込みを、そう簡単に払拭できない現状が歯がゆい。 このような状況において、『ACEサバイバー』というちょっと衝撃的なネーミングが、日本に浸透するにはどれくらいの時間が必要なのだろうか。親ガチャでも、複雑性PTSDからレジリエンスを信じて生きていける支援の在り方を確実に浸透させていきたい。今一度児童憲章を確認し、子どもたちが安心して過ごせる世の中になるよう切に願う。
Posted by
ACEサバイバーの実態と対策について。 ACEスコアと諸現象との関連性は顕著。 ACEサバイバーの二人の半生もすごく胸に迫るものがあった。 対策は難しいが、助けが必要なときに、繋がりたいときに、本人が望む形で繋がれるようにすることに尽きる。
Posted by
ACE(Adverse Childhood Experience)=子ども期の逆境体験は、当事者の人生全体が被る不利な影響を及ぼす。そしてACE自体が社会の怠惰による産物であることを指摘している本書。 関連するテーマの「毒親」や「アダルトチルドレン」等を扱った(これまで流通してい...
ACE(Adverse Childhood Experience)=子ども期の逆境体験は、当事者の人生全体が被る不利な影響を及ぼす。そしてACE自体が社会の怠惰による産物であることを指摘している本書。 関連するテーマの「毒親」や「アダルトチルドレン」等を扱った(これまで流通していたような多くの)書籍は、心理学やカウンセリングの知見をベースに書かれており当事者目線のケアには有用であったが、 一方で親も含めた彼らを取り囲む環境全体を見直すための分析には不十分だと感じていた。 その欠けていた視点が、本書を読むことで補完されたように思う。 ACEサバイバーにふりかかりがちな自己責任論を著者は明確に否定しながら、医学と疫学成果を踏まえ、社会学的な立場から機能不全のある家庭や子ども期の逆境についての解決策や提言を示している。 そのため、行政や医療やケアに従事する職業人だけではなく、子どもたちが埋め込まれている環境について考えたいすべての人におすすめできる一冊だと感じた。 また現在、逆境および子ども時代の逆境の影響に苦しんでいる当事者にとっては、「第4章 ACEによる悪影響を断ち切るには」の「レジリエンス」「保護要因・促進要因」といったキーワードの理解が役に立つと思われる。 個人的には、母親として「逆境の連鎖」を断ち切り、マルトリートメントを予防していく方策を具体的に調べていきたいという課題感が掴めたので、とても良い読書体験になった。 補足: ・子どもの教育環境の改善策として、包括的性教育についても触れられている。日本ではなかなか包括的性教育の例を聞かなかったので、大阪市立田島南小学校・中学校の例には驚いた。 本校のカリキュラムをモデルに、全国の小中学校で展開すると良いのではないかと感じた。 ・他者が「おそらく何らかのトラウマを抱えているけれど、どう応答/アプローチしたらいいかわからない」という状況にこれまで何度か遭遇しては立ち往生してきたので、TIC(trauma informed care)についても今後勉強してできることを探りたいと思った。
Posted by
ようやく読了。 ACE studyについてつかむのに一番良さそう、と思って手に取ったものの、読むのがつらくて時間がかかってしまいました。 トラウマインフォームドケアについての学びは重ねてきましたが、ACE、小児期逆境体験についてはさらっとしか通れていなかったので、この本を行き...
ようやく読了。 ACE studyについてつかむのに一番良さそう、と思って手に取ったものの、読むのがつらくて時間がかかってしまいました。 トラウマインフォームドケアについての学びは重ねてきましたが、ACE、小児期逆境体験についてはさらっとしか通れていなかったので、この本を行きつ戻りつしながらゆっくり考えを深めました。 起きていることを理解して、可能性に目配りしながら、適切に対応していくこと。 考え方だけでなく、データや経験者の声からも学べる貴重な一冊でした。
Posted by
データに基づいた記述がなされており、出典も明記されているので、ACEの資料および入門書として参考にしやすい内容である。海外だけでなく国内の動向についても触れられており、いくつかのプロジェクトがあることがわかった。 一方で、これだけ膨大なデータがあるにも関わらず、現状でできることが...
データに基づいた記述がなされており、出典も明記されているので、ACEの資料および入門書として参考にしやすい内容である。海外だけでなく国内の動向についても触れられており、いくつかのプロジェクトがあることがわかった。 一方で、これだけ膨大なデータがあるにも関わらず、現状でできることがTICによる関わりとなると少し心許ない気もするし、あまり好ましいデータもないので、サバイバーの不安を煽ることにならないか心配である。そう考えると、ACEの指標が単なるスクリーニングのために作られたものなのか、それとも他に何か別の意図があるのかがわからなくなってきた。使い方を間違えると、差別のための指標ともなりかねない危うさがあるなと思った。
Posted by
ACE(エース)と呼ばれる、小児期の逆境体験が及ぼす人生規模でのリスクについて述べられた本。 一般に広くACEの考え方を広めたい、との想いで書かれているようですが、専門用語と統計学的なデータが羅列され、一般人には難しい内容だと感じました。 かいつまんで説明するとすれば、 ...
ACE(エース)と呼ばれる、小児期の逆境体験が及ぼす人生規模でのリスクについて述べられた本。 一般に広くACEの考え方を広めたい、との想いで書かれているようですが、専門用語と統計学的なデータが羅列され、一般人には難しい内容だと感じました。 かいつまんで説明するとすれば、 逆境体験として述べられるものには…… ・身体的虐待 ・心理的虐待 ・性的虐待 ・身体的ネグレクト ➡十分な衣食住、医療ケアが与えられない ・心理的ネグレクト ➡安心させ、守ってくれる大人がいない ・親との別離:別居、または離婚 ・近親者間暴力:殴り合いをする現場を目撃 ・家族のアルコール・薬物乱用 ・家族の精神疾患・自殺 ・家族の服役 これらの項目で該当するものを数える(0~10)=ACEスコアで、このスコアが高いほど影響が大きくなっていきます。 何が影響されるのかというと、 ・虚血性心疾患 ・脳卒中 ・肝疾患 ・肺がん ・慢性閉そく性肺疾患 ・糖尿病:気分の上下? ・頻繁な頭痛:自律神経? ・睡眠障害 ・認知症発症リスク(高齢者) ・高次生活機能制限のリスク ・自傷念慮を抱くリスク(若年の母親) がデータとして(ACEスコアが0の人と比較すると)有意な差が見られたとのこと。女性の方がスコアが高めになっているとか、トラウマになる種類は男女で差がある(トラウマになりやすい項目が男女で異なる)といったこともデータを示して述べられています。 私は「発達性トラウマ障害」について調べていてこの本にゆきあたったのですが、発達性トラウマ障害について知りたいのであれば、わざわざこの本を手にする必要は無いなと感じました(それをテーマに掲げた本を読む方がいいです)。 関連するワード(PTSD、レジリエンス、アタッチメント、トラウマインフォームドケア)についてはあっさりめに解説されていますので、やっぱり一般向けとは言いながら、実情はまず専門家にこれを読んでもらって啓発してもらう……という形を取ろうということなのでしょうか。 さまざまな参考文献が挙げられていますので、専門職ではなくてACEについて知りたいのであれば、図書館で借りるとか本屋でパラパラ見て自分に合いそうな本かどうか、確かめた方が無難だと思います。 内容についてはデータをしっかりと示したうえで解説されているので、変に平易に噛み砕いて説明されるより説得力があり、個人的には良かったと感じました。 かなり偉そうなレビューを書いてしまいましたが、私はただの素人なので、これからも少しでも関連しそうな書籍があれば、当たって砕ける精神で読んでみようと思います。
Posted by
- 1
