1,800円以上の注文で送料無料

HHhH の商品レビュー

4

14件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/06/26

その名はラインハルト・ハイドリヒ 「第三帝国デもっとも危険な男」、親衛隊将軍、国家保安部長官、ユダヤ人虐殺の司令官。 強制的に併合されたチェコの総督となったハイドリヒ。 暗殺すべく、チェコ人、スロバキア人のパラシュート部隊員がプラハに送り込まれる。 ノンフィクションでありなが...

その名はラインハルト・ハイドリヒ 「第三帝国デもっとも危険な男」、親衛隊将軍、国家保安部長官、ユダヤ人虐殺の司令官。 強制的に併合されたチェコの総督となったハイドリヒ。 暗殺すべく、チェコ人、スロバキア人のパラシュート部隊員がプラハに送り込まれる。 ノンフィクションでありながら、フィクション。 独特の手法で書かれたディティール。 作者、ローラン・ピネのデビュー作であり代表作。 タイトルの「HHhH」は「ヒムラーの頭脳はハイドリヒと呼ばれる」の略だ。(ヒムラーは親衛隊のトップ) (ちなみに「ヨーロッパでもっとも危険な男」と当時呼ばれたのは、これまた親衛隊のオットー・スコルツェニー大佐。幽閉されていたムッソリーニをグライダーで強襲し、奪還に成功。)

Posted byブクログ

2024/05/17

20年前、彼らはヒロシマとナガサキを知っていた。 読み始めてすぐに一旦停止。 内容が内容なだけに、歴史の勉強のやり直し。 そうしてから読んでも、読むのに時間がかかった。 時系列で話が進まないし、作者の感情も入りすぎているように思う。読みにくい。 本当にこういった作品は好...

20年前、彼らはヒロシマとナガサキを知っていた。 読み始めてすぐに一旦停止。 内容が内容なだけに、歴史の勉強のやり直し。 そうしてから読んでも、読むのに時間がかかった。 時系列で話が進まないし、作者の感情も入りすぎているように思う。読みにくい。 本当にこういった作品は好きじゃない!! だけど・・・。 その時の情勢が目に浮かぶ・・・。 昔の話なのに(1世紀も経っていない。途中で作者が言っていた)その場の臨場感がそのまま伝わる。 20年前のボクはプラハの街を歩いたのに、そういった歴史を一切知らなかった。 言いたいことは、天に星、地に石コロの数ほどあるけれど・・・ ボクは、この英雄達の名を決して忘れない!!

Posted byブクログ

2024/04/11

歴史小説の新しいスタイルで評価は高く、文学的意義もありそうだが、単純に私にはちょっと読みづらかった。没入しづらい。でも終盤は集中して一気に読める展開で面白かった。諦めず頑張って読んで良かったな、という感じ。ナチの歴史ものだが知らなかった史実もあり、興味深く勉強にはなった。

Posted byブクログ

2024/03/16

チェコスロバキア人の青年2人によるナチ高官暗殺を描いた歴史小説 あらためてナチスとは何だったのか、そして1世紀も経ってないことに気付かされる そして史実を小説にする葛藤をそのまま文章にする奇抜さと、物語とその葛藤が融合していくラストは痺れる

Posted byブクログ

2024/03/16

作者は、この作品がデビュー作とのことだが、信じられないクオリティかつ圧倒的な面白さ。 翻訳も素晴らしい。 内容は重厚だが、章立てを長短織り混ぜることでリズムを生んでおり、一気に読ませる。 歴史を「語る」ことを、「僕」の視点から迷いも含め真正面から挑んでいる。 この逃げない姿勢、逡...

作者は、この作品がデビュー作とのことだが、信じられないクオリティかつ圧倒的な面白さ。 翻訳も素晴らしい。 内容は重厚だが、章立てを長短織り混ぜることでリズムを生んでおり、一気に読ませる。 歴史を「語る」ことを、「僕」の視点から迷いも含め真正面から挑んでいる。 この逃げない姿勢、逡巡をそのまま吐露できる強さ。

Posted byブクログ

2023/09/09

フランス・パリ出身のローラン・ビネのデビュー作であり、2009年に本国で出版、2013年に邦訳が出版された本作、『HHhH』。この謎めいたタイトルが渦めく装丁に興味を惹かれて書店で購入したのだが、その感覚がは大いにあたり、ストーリーテリングの面白さと、極めて技巧的・意識的な仕掛け...

フランス・パリ出身のローラン・ビネのデビュー作であり、2009年に本国で出版、2013年に邦訳が出版された本作、『HHhH』。この謎めいたタイトルが渦めく装丁に興味を惹かれて書店で購入したのだが、その感覚がは大いにあたり、ストーリーテリングの面白さと、極めて技巧的・意識的な仕掛けに溢れた一作。 タイトルの奇妙な4文字はドイツ語の「Himmlers Hirn heißt Heidrich」という文章に由来しており、”ヒムラーの頭脳はハイドリヒと呼ばれる”という意味になる。そのヒムラー、すなわちナチス・ドイツの親衛隊(SS)のトップであったハインリヒ・ヒムラーにその頭脳として仕えたラインハルト・ハイドリヒらが本書のモチーフ及び舞台となる。 より具体的に言えば、その頭脳を持ってユダヤ人の虐殺や制服した諸国での恐怖政治を指揮したハイドリヒを亡きものとするために、チェコのプラハで立ち上がった2人の若者による暗殺計画が本書のストーリーの骨子である。・・・のだが、本書が特異なのは、その史実を元にした小説を書くための作家本人を主人公に据えて、「小説を書くということの小説」とも言えるメタレベルの視点を持った小説に仕上がっている点である。 さまざまな事実調査をしながら書き進めていく難しさ、その個々の史実に対する作家自らの感想などが合間に挟まりながら、それでいて悲劇的なクライマックスに向けて突き進む2人の若者の暗殺計画が綴られていく。高いリーダービリティを持ちつつも、メタ小説の面白さにも溢れており、改めて小説という枠組みでまだまだ面白いことができる、というその可能性を強く実感できる1冊だった。

Posted byブクログ

2023/09/07

’14年に単行本で購入(検索したら文庫でしか出て来なかった)。構想を練り、物語を構築する過程も物語の内という奇妙な小説。 初読時、ナチスドイツへのズデーデン地方割譲の経緯経過が、ロシアのクリミア併合と被って見えたことを思いだした。

Posted byブクログ

2023/07/28

デザインほぼそのままの文庫化で、見つけやすい。 著者(の振りをした登場人物?)の「読者の記憶に侵入するためには、まずは文学に変換しなければならない」という一言で、自分に対して著者の試みが成功していることを実感した。 これが「小説」として出版されていなければ、手に取ることがなかっ...

デザインほぼそのままの文庫化で、見つけやすい。 著者(の振りをした登場人物?)の「読者の記憶に侵入するためには、まずは文学に変換しなければならない」という一言で、自分に対して著者の試みが成功していることを実感した。 これが「小説」として出版されていなければ、手に取ることがなかっただろうから。 (著者がこのあと歴史改変ぽいものを続けて出しているのは、この作品で少なからず感じたであろう、変えられない出来事を物語ることの虚しさ、遣る瀬なさ、… の反動だったりして、などと思いながら他は未読)

Posted byブクログ

2023/10/23

23/07/23読了 スタイルの新しさが面白く、読み心地が新鮮。中盤以降に話が展開し始めて読み進めやすくなるまでは、ちょっとたらたらと読んでしまったけれど。 チェコとスロヴァキアにフォーカスしたものは触れてきていないので、その観点でも個人的に読んでよかった。

Posted byブクログ

2023/06/29

ユダヤ人問題の最終的解決問題の実質的推進者で、「金髪の野獣」と呼ばれたラインハルト・ハイドリヒ暗殺計画のエンスラポイド作戦を描いた小説。 短い区切りの章が次々と繰り返される、ちょっと面白い形式で書かれています。その短い章も著者の現代や、物語の時間が入り乱れていますが、意外に読み...

ユダヤ人問題の最終的解決問題の実質的推進者で、「金髪の野獣」と呼ばれたラインハルト・ハイドリヒ暗殺計画のエンスラポイド作戦を描いた小説。 短い区切りの章が次々と繰り返される、ちょっと面白い形式で書かれています。その短い章も著者の現代や、物語の時間が入り乱れていますが、意外に読みにくくありません。書いた著者が上手いんですね。 暗殺実行者が立てこもった教会で戦う最後のシーン。「なんかこの描写、何かの映像作品で見た気がするな??」と思ったら、この作品を映画化した『ナチス第三の男』を見ていましたw

Posted byブクログ