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赤い月の香り の商品レビュー

3.9

253件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2023/11/08

天才調香師の小川朔を主人公とした第二弾。 正確には、第一作は女性の一香。今回は満という男性の視点で書かれている。 小川朔はどのような香りでも作り出してしまう天才。それ故鋭い嗅覚を持ち、人間の感情からくる匂いまで嗅ぎ取ってしまうため、考えていることや嘘を見抜くことも容易だ。その能...

天才調香師の小川朔を主人公とした第二弾。 正確には、第一作は女性の一香。今回は満という男性の視点で書かれている。 小川朔はどのような香りでも作り出してしまう天才。それ故鋭い嗅覚を持ち、人間の感情からくる匂いまで嗅ぎ取ってしまうため、考えていることや嘘を見抜くことも容易だ。その能力ゆえの苦しみも持ち合わせている。 一作目と変わらず、朔への香りの依頼者は曲者が多い。それらの客には、依頼しなければならない理由がある。それは自分の記憶の中にある香りを作ってもらったり、相手の記憶を呼び覚ますための香りであったりする。 その人たちのショートストーリーを組み込んだような構成になっている。 今回は、満の過去がわかってくることで、謎であった朔の過去もわかってくるようになる。 前作で朔の元で仕事をしていた一香が今回も登場。庭の作業をする源さんも登場し、ストーリーに彩を添えている。前作を読んでいれば一香や源さんの事がわかっているので、ぜひ前作『透明な夜の香り』を読んでから、この本を手に取ってほしい。

Posted byブクログ

2023/11/08
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※このレビューにはネタバレを含みます

天才調香師・小川朔の物語第2弾。 洋館のみなさんは相変わらずなのに、今回は一香があまり出てこなくて残念。朔との関係ももどかしいまま進展なし。 第3弾があれば、また一香目線でお願いしたい。そしてもう少しだけ二人の距離が近づくといいな。 源さんのことが詳しく分かって、それは嬉しかった。 「香水は肌にのせてはじめて完成します」に共感。確かに同じ香水でも、その人の体臭によって香りも左右されそう。同じ香りでも自分で認識できる香りと他人が嗅ぐ香りもたぶん違うのだろう。嗅覚は五感の中でも特に曖昧なものだと思う。 四季折々に咲く花の匂い、雨上がりの庭の匂い、冬の枯れ木を抜ける風の匂い…騒々しい世間と隔離された洋館と洋館の庭に、私も逃げ込みたくなった。

Posted byブクログ

2023/11/08

前作の『透明な夜の香り』が とても良かったので期待して読みました。 でも、私の中の前作の記憶が少し薄れてきていたかなぁ。 香りにとことん絞り込んだ物語は やはり良いなと思うのだけど、 今作のメインの朝倉の不穏な感じが苦手で 前作ほどは楽しめませんでした。

Posted byブクログ

2023/11/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 前作とは打って変わって感情的な性格の満が主人公となって物語は進んでいく。満は自分の中で怒りのスイッチがあって、割と感情の起伏のある人間である。それに比べ、前作の主人公である一香は冷淡または淡白な女性ではあるが、割と人情ある人間だ。  前作との対比を描こうとして一香と魔反対の性格を持つ満を主人公に選んだのだろう。しかしその設定が僕には合わず、あまり面白いとは思えなかった。一香の性格が何かをきっかけに変わって展開していくストーリーが見たかったのかも知れない。

Posted byブクログ

2023/11/05

千早茜さんの、視覚では捉えられないものの描きかたが好き。 香りのエピソードとともに、過去を越えるためにそれと向き合う葛藤や、人と人との感情の表裏も描かれて、哀しさや寂しさのさきの穏やかさを感じさせる終わりかた。 私はどんな香りが欲しいかなあ。

Posted byブクログ

2023/10/27

うーん 前作の方が好きだった。 小川さんと一香のこざっぱりとした、静かな空気感が好きだったのだけど。 今回はちょっと男臭くて、ハードな感じになっていて。一香が出てくるとこだけ、静かでいいんだけど。前作とのメリハリをつけるために、わざわざそうしたのかな。 完全に好みの問題です。

Posted byブクログ

2023/10/21

前作『透明な夜の香り』同様、ハーブを使った料理や庭園の花、屋敷全体が纏う静謐な香りが美しい文章で描かれていました。 小川朔の雰囲気も、少し怖いけどやっぱり魅力的。 一香ちゃんも再登場で嬉しかった! 今回の香りのテーマは"怒り"。 続編を希望してしまいます。

Posted byブクログ

2023/10/18

シリーズ物とは知らずに図書館で借りてしまいました。 調香師小川朔は依頼人の希望通りの香りを作る事が出来る天才調香師。ワンコの嗅覚には負けるけれど私も香りには敏感。でも小川朔はそんな敏感なんてレベルではありません。その人の香りで体調や感情まで読み取ってしまうのは特殊能力なのか?読...

シリーズ物とは知らずに図書館で借りてしまいました。 調香師小川朔は依頼人の希望通りの香りを作る事が出来る天才調香師。ワンコの嗅覚には負けるけれど私も香りには敏感。でも小川朔はそんな敏感なんてレベルではありません。その人の香りで体調や感情まで読み取ってしまうのは特殊能力なのか?読んでいて、思わず自分はどんな香りを放っているんだろう?と気になってしまいました。 良い香りに包まれたいけど、柔軟剤もコロンもふわっと香るくらいが心地良いですね。 順番逆になってしまったけど『透明な夜の香り』も読んでみたくなりました。

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2023/10/14

普段、続編を書かないことで有名な千早茜先生初の続編!楽しみすぎて発売前からワクワクしていました。前作のように、どっぷりと惹きこまれたいと思いながら読みましたが、前作同様に楽しすぎて安心しました。出来れば、過去の作品の続編も書いて欲しいと思っています。

Posted byブクログ

2023/10/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「透明な夜の香り」が良かったので、即購入。 正直、透明な夜の香りを超えることはできなかった。 前作の主人公が、感情の起伏の少ない人であったので、安心して心を預ける事ができたのだが、今作ではかなり素直に感情を表現する人(しかも怒りがほとんど)なので、それに当てられて少しイラッとしてしまった。一香ちゃんと朔さんが穏やかに絡んでいるのを見てそのイライラを解いていた。期待しすぎてしまっていたのだが、物語としてはやはり好きな部類だったと思う。(前作がストライクど真ん中だった) 鼻が効く朔さん。耳の早い新城。目(色彩感覚)の良い一香ちゃん。触覚が鋭い満。味覚の部分となる次のお話もあるのかなと勝手に期待している。(もしかしたらもういるのかな?)

Posted byブクログ