時計泥棒と悪人たち の商品レビュー
大正浪漫漂う雰囲気と、悪人たちの大胆な発想。 難解なトリックと想像もできない動機に驚かされるのを心待ちに読み終えて、今はとにかく、人間の考えることは突拍子もないと感じています。
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『方舟』が2023本屋大賞にノミネートされたほか、様々なミステリーランキングにランクインする著者の最新作。 画家の井口と翻訳家で元泥棒の蓮野のコンビが主役のミステリー短編集。 結構なボリュームがあり、さくさく行けるのと、なかなか進まないものと分かれた。 時代はロシア革命から3年...
『方舟』が2023本屋大賞にノミネートされたほか、様々なミステリーランキングにランクインする著者の最新作。 画家の井口と翻訳家で元泥棒の蓮野のコンビが主役のミステリー短編集。 結構なボリュームがあり、さくさく行けるのと、なかなか進まないものと分かれた。 時代はロシア革命から3年後というから、1920年大正時代だろう。 なんとなくきな臭い空気が漂い、色々な物事にうさん臭さが感じられる。 一話目は、画家の井口自身が、自分の父親の窮地のために蓮野を頼って泥棒をはたらこうとするもの。 そういう解決方法しか浮かばないんかい!と言いたくなるが、今とは違った階級社会、勝手も色々と違ったのだろう...。 殆どの話が井口目線なのだが、二つだけ華族の家政婦、金持ちの女中目線となっているものがある。 事件の筋からしてそうなったのだろうが、なぜ二話分だけそうしたのだろうか?とちょっと気になった。 2023.5
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あの「方舟」の方ですのに、いい感じの時代設定ですのに…ちょっと裏切られたみたい。連作短編集、ストーリーも材料も面白いんだけど、キャラ付けもなるほどなんだけど。
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キャラクターの紹介がやや唐突だな、と思ったが、 どうやらシリーズもの?らしい。 ミステリーなのだが、トリック等の謎解きよりも、 「そういう動機だったのか?」を楽しむタイプの作品。 どの犯人も、動機がちょっと普通じゃない。 あきれたり、ゾッとしたり。 個人的には、もっと蓮野のパーソナリティに迫ってほしかった。 他作品を読めばわかるのかな?
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2つの中編と4つの短編からなる連作短編集。 不可解でヘンテコで入り組んだ事件の数々を元泥棒の蓮野がその知性で明快にする。 あっと言わせる逆説の数々。 気持ち良く収まる論理。 何より大正時代のこの空気感がやはり好きだ。 華やかなミステリの詰め合わせ。わくわくする! けっこう人間の...
2つの中編と4つの短編からなる連作短編集。 不可解でヘンテコで入り組んだ事件の数々を元泥棒の蓮野がその知性で明快にする。 あっと言わせる逆説の数々。 気持ち良く収まる論理。 何より大正時代のこの空気感がやはり好きだ。 華やかなミステリの詰め合わせ。わくわくする! けっこう人間の身勝手さが際立つような真相が多いのに、蓮野と井口の事件への関わり方とかいろいろシリアス過ぎなくて、それがまた良い。とほほ感というか。なかなか泥棒から足を洗わせてもらえない蓮野もかわいそう...。 ドラマとしては「晴海氏の外国手紙」が 逆説の気持ち良さ的には「加右衛門氏の美術館」が一番かなあ。 「光川丸の妖しい晩餐」も舞台設定がおもしろくて好き。虎。一度処理した情報が再利用される辺りは良いもの読めたなあという感が強い。
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執達吏と同じ世界線での物語。 個人的には執達吏よりもこちらの方が好みだった。 元泥棒の蓮野と画家の井口が次々と奇怪な事件に巡り合い解決していくのだが、謎解きは意外性もありながら納得感のあるもので、テンポよく読むことができた。 このミステリ飽和時代に、キャラクターにエッジを立てすぎ...
執達吏と同じ世界線での物語。 個人的には執達吏よりもこちらの方が好みだった。 元泥棒の蓮野と画家の井口が次々と奇怪な事件に巡り合い解決していくのだが、謎解きは意外性もありながら納得感のあるもので、テンポよく読むことができた。 このミステリ飽和時代に、キャラクターにエッジを立てすぎることも、奇想天外な叙述トリックを使うこともなく読み応えがある、作者の地力を感じさせる一冊。
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『方舟』のおもしろさから即買い。方舟のような華やかさのあるタイプの本ではありませんでしたが、6篇のお話がそれぞれ絡み合って楽しく読めました♫ 君が泥棒か? 一僕が泥棒です。 シュールな会話だなぁ
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