正欲 の商品レビュー
ここ最近特によく聞く多様性。ただその多様性って自分が理解できる範囲内での多様性しか人は受け入れていない。自分の小さな世界だけで世の中を見ていると知らないところで苦しんでる人達がたくさんいるのかもしれない。 当たり前に明日を生きたいって思う人達ばかりではない。 多様性は受け入れるの...
ここ最近特によく聞く多様性。ただその多様性って自分が理解できる範囲内での多様性しか人は受け入れていない。自分の小さな世界だけで世の中を見ていると知らないところで苦しんでる人達がたくさんいるのかもしれない。 当たり前に明日を生きたいって思う人達ばかりではない。 多様性は受け入れるのは大切だけど社会で暮らすためのルールを犯してはいけないし、難しい話だなあと思う。
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この本を読んで、軽々しく共感したとか、感情移入したとか、そんな感想をここに書くこと自体がはたして正しいのか。 理解したつもりで、結局自分の都合のいい捉え方をして、理解の及ばないことを端に寄せているだけなのではないか。 そんな風に自分が持っている、感じている正しさってこんなに不安定で揺らぐのかと考えさせられる、とても良い本でした。 「いなくならないでね」と言いつつ、いつ壊れてもおかしくない不安定な関係性だったけど、「いなくならないからって伝えてください」の台詞から、2人の繋がりはまだ残っていることがわかるのは、あの絶望的な状況でも救いに感じました。 余談ですが、この「いなくならないでね」のところから勝手にヒロアカのトゥワイスとトガヒミコの関係性を思い出してました。自らの個性によって社会からはみ出さなければならなかった二組が頭の中でリンクして、より切なくなりました。
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物事は多数派と少数派の二つだけでなく、少数派の中にもまた多数派と少数派がいて、その逆も然りで...という視点を今まで持ち合わせていなかったので、「少数派の少数派」に着目した時点でも既に一本取られた気がした さらにこの本を読んでいく中でふと、「こいつらめんどくせえな」と思った瞬間が...
物事は多数派と少数派の二つだけでなく、少数派の中にもまた多数派と少数派がいて、その逆も然りで...という視点を今まで持ち合わせていなかったので、「少数派の少数派」に着目した時点でも既に一本取られた気がした さらにこの本を読んでいく中でふと、「こいつらめんどくせえな」と思った瞬間があった それを自覚した時に自分は今のところずっと多数派の多数派に所属していて、多数派の多数派からの視点でしかこの本を読んでいなかったことに気づいてゾッとした 読み終わった今ではしおらしい気持ちで改まってはいるものの、ずっと先にこういった人間を目の前にして、面倒臭いと思う前にこの小説がよぎることになるだけでも読んだ価値はあると思う
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想像できる範囲のものがあくまでも多様性が含む全てであって、想像できないものは「多様性」にすら入らない。 本当にそうだと思う。 きっと、人間は「理解のある自分」になることで優越感というか一種の自分に対する満足感のようなものを得たいのかも。 だから、自分は多数派で所謂「多様性」に含まれる少数派に出会ったとしても理解のある自分でいたい、だから受け入れる。何故ならば自分は違っても「理解」はできる事象だから。 ただ、その理解の範疇を超える多様性が出た時点でそれは多様性ではなく異常になる。 理解される多様性と、されない異常の違い。 それはきっと声の大きい人がわかり易く説明をしてくれて、少数派の人たちがある種「可哀想な立場」に見えることで多数派にとって「理解できる、可哀想な人々」になることで多様性の一員に仲間入り。 きっとそういう仕組なんだろうなあ。 もし、水に性欲を感じる人が声を上げて。 その人が見た目がそこまで悪くなく、庇護欲が湧くタイプの人ならきっと理解される。 結局多様性の中の少数派は、「可哀想」という感情が起点になってるのかな。 でもそんな人が一人でも事件を起こしたら、目的達成のために無理やりな行動に出たら、その時点で「やっぱりこの人達は異常だったんだ」の仲間入り。 そんなこと言ったら、例えば男女という括りだと多数派の人々が日々起こしているレイプとかも同じ目で見られるべきだけど、そうも行かないのが少数派。 本当の多様性って、多様性って概念すらないことだと思う。 みんながこう、っていう日本人独特の考えがある時点で難しいよね、相手がどういうカテゴリであれあなたはあなた。好きな食べ物が人それぞれ違うように、趣味が人それぞれ違うように、それらを理解するのと同じ様に相手の特徴を理解する。みんなはこう、じゃなくて、あなたはこう。 一対一のコミュニケーション、しっかりきっちり人と向き合うという当たり前なことを丁寧にコツコツやれば、少しは変わってくるのかな。 どこまでが、人間の本能として備わってる感情で、どこからが国民性というか後天的な問題なんだろう。
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果たして自分がもしその立場であればどのように過ごしていただろう、偽りの姿で潜んでいただろうな、それともさらけ出していただろうか。終わりはモヤモヤ。好きな終わり方。つながらなかったもの。つながっていたけど切れてしまったもの。つながったままのもの。と勝手に想像。
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正しい欲とは何なのか。 欲が世間と違っていてはいけないのか。 人と同じであれば理解してもらえるのか。 とても考えさせられた。
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生きづらさ。多数派。長いものには巻かれろっていう日本の悪い風潮。フェチ。フェティシズム。特殊性癖。 人と違う。自分だけかも。マイノリティ。バグ。 "性的な事"の定義。まとも。普通。一般的。常識的。 アイデンティティ。 いろんな事を考えさせられました。
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食欲、睡眠欲に続くものとして、正しい欲求とは何かを問うお話。 藤原悟のように公共の蛇口を盗難するなど、他者に迷惑をかけるようなことはやってはいけない。 しかし、大也や佳道、夏月のように、欲求への社会的な理解や環境整備がなく、苦しんでいる人がいる。彼らが犯罪予備軍等と決めつけられるのは、ひどいと思った。 彼らの欲求が社会的に理解されたら、苦しむことはないかなと思いつつ、彼らとしてはほっといてほしいんだろうな。。助けたいと考えること自体が、彼らを無意識のうちにまともじゃない側に立たせてしまい、傷つけてしまうのかもしれない。 まずは、同じ境遇の人同士で、繋がることが大事と思った。また、彼らが社会的に理解してほしいと発信したら、社会は理解して受けとめていくべきと思った。 多様性に関する法整備等、現代の日本社会が人間の欲求をどのように理解して、コントロールしていくのか、この本を通じて関心が高まった。
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最近は多様性、多様性って 流行語のように言われているけど、その本質を問うような気持ちになる。 自分の捉え方を覆されるような、考えの浅さを痛感するような... 難しいのもあるけど、一気読みする気にはなれなくて、途中ちょっと苦しみつつ、小脇に癒し系の本を挟みつつ(笑)読了しました。 ...
最近は多様性、多様性って 流行語のように言われているけど、その本質を問うような気持ちになる。 自分の捉え方を覆されるような、考えの浅さを痛感するような... 難しいのもあるけど、一気読みする気にはなれなくて、途中ちょっと苦しみつつ、小脇に癒し系の本を挟みつつ(笑)読了しました。 感動!すっきり!というタイプの本ではないけど、読んで良かったなと思っています。 すごい作品。
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自分には難しい小説だった 否定したり肯定したりの繰り返しで 読んでいて意味がわからなくなり物語が頭に入って来なくなった 理解力をもっと身につけてから また読みたいと思います
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