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鈍色幻視行 の商品レビュー

3.5

184件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

    59

  3. 3つ

    58

  4. 2つ

    21

  5. 1つ

    4

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2025/02/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恩田陸にはまって何作か読んできたけど、ちょっと疲れたなあ。 陸がグダグダとめんどくさいとこがあるのはわかっていたけど、ああでもない、こうでもないと・・・ 「夜果つるところ」は以前に読んでいたので、それを踏まえながら読んだのだけれど、アイデンティティの問題か、 そうなんだけど、死者が出すぎ、あまり殺さないでほしいなあ。

Posted byブクログ

2025/02/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久々の恩田さんの小説。 『夜果つるところ』という呪われた小説と謎の飯合梓という著者に関して主人公の小説家が本を書こうと調べはじめ、様々な関係者を客船の旅の中でインタビューすることによって謎に迫ろうとする物語です。 最初の映像化はセットの火事により中止、次の映像化の際には俳優二人の心中により中止、そして次の映像化企画の段階で脚本家が自死して中止というのがこの小説の呪われた歴史。また、著者はいつも帽子をかぶって顔を隠し、会う人ごとに印象が異なる謎の人物で、死んだと思われていたが死体がない。 そんな状況で、映像に関わった者とその関係者、自死した脚本家の夫であった主人公の今の夫と主人公の語りによって物語が進んでいきます。 作者の招待に関しては朧げに推測できる結末ですが、映像化の際の不幸に関してはあまり解明されず、余韻を残した形になっています。 そういった点で推理小説としてはあまり評価できませんが、登場人物の描写や関係性などはなかなかよく練られているなあと感じました。 竹蔵

Posted byブクログ

2025/01/31

長い話しだった。それでもこの話しは本当はもっと何倍も長く、この本はその一部に過ぎないと思わせる内容だった。 でもこの長い話しにもかかわらず、文章は読みやすく、つい先を急いでしまう。 長い話しに付き合ったのでフェリーのファウェルパーティーでは、読者もパーティーに参加して充実感を味わ...

長い話しだった。それでもこの話しは本当はもっと何倍も長く、この本はその一部に過ぎないと思わせる内容だった。 でもこの長い話しにもかかわらず、文章は読みやすく、つい先を急いでしまう。 長い話しに付き合ったのでフェリーのファウェルパーティーでは、読者もパーティーに参加して充実感を味わってしまった。

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2025/01/19

何も知らず「夜果つるところ」を読んで感想を見たらこっちを先に読んだ方がいいという作者の言葉をみてすぐに読んだ。だけど、「夜果つるところ」を先に読んでいて良かったと思う。 記憶が新しいうちに含みの多い作品だから自分の考察と照らし合わすことができた。 「鈍色幻視行」は650ページ以上...

何も知らず「夜果つるところ」を読んで感想を見たらこっちを先に読んだ方がいいという作者の言葉をみてすぐに読んだ。だけど、「夜果つるところ」を先に読んでいて良かったと思う。 記憶が新しいうちに含みの多い作品だから自分の考察と照らし合わすことができた。 「鈍色幻視行」は650ページ以上の長編だったけど、読みやすく疲労感が少なかった。 いわく付きの謎の本と作者をめぐった、同じ船の中で2週間共にする様々な人生を持つ登場人物達による視点。 真実は虚構にしかない。どんな現実もそれぞれが見たいように見てるそれは本当にノンフィクションなのか。真実なんて、パレードで降ってくる紙吹雪のようなもの。 鑑賞作品の真実、過去という真実。自分自身という真実。様々な要素が回収されて、そして考える隙を与えてくれるこれぞ文学って感じがした。

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2025/01/13

最初はどうかなと思いながら読み進めましたが、後半のインタビューのあたりは、一緒に聞いている感じがして、引き込まれました。

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2025/01/11

撮影中の事故で何度も映像化が中止され”呪われた小説”と言われる『夜果つるところ』とその著者である飯合梓の謎について本を書こうとしている小説家が、関係者一同と同じクルーズ旅行に参加して船上でインタビューをする話。映画監督やプロデューサー、編集者などそれぞれの視点から作品と作者につい...

撮影中の事故で何度も映像化が中止され”呪われた小説”と言われる『夜果つるところ』とその著者である飯合梓の謎について本を書こうとしている小説家が、関係者一同と同じクルーズ旅行に参加して船上でインタビューをする話。映画監督やプロデューサー、編集者などそれぞれの視点から作品と作者について語り合う。 語られる飯合梓の人物像がユニークで面白い。 作中で何度も言及される『夜果つるところ』は恩田陸によって別の本になっており、そちらを先に読んでいたのでイメージしやすかった。序盤は冗長だと思ったが、中盤からの連続インタビューはさすがに恩田陸。 内容とは関係ないが、長めの長編で単行本なので本が重くて辛かった。

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2024/12/22

ミステリーかと思って読んでみたが、いまいちどのジャンルに当てはまるのか分からない内容だった。 不思議な小説にまつわる関係者、出来事をみんなで考察する大まかな流れ。 思い返しても何がメインテーマなのかわからない、読みづらいわけではなかったのだが。

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2024/12/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

作中作「夜果つるところ」にまつわるミステリー。 映像化しようとするたびに不幸な事故が起こって頓挫してしまう本作。 これは呪いなのか? その関係者やファンが集まり、それぞれの「夜果つるところ」について語り合い、解き明かそうとしていくストーリー。 後半のインタビューや、作者である飯合梓の正体についての考察が面白かった。 でもたぶん、何ひとつ正解は分からず。 それでも登場人物それぞれが、この作品に対して多少なりの折り合いをつけることができたのかな。 舞台はクルーズ船。 非日常の中、熱に浮かされ、下船と共に日常に引き戻される。 あれは現実にあったことなのか…なんて感覚は誰しも経験したことがあるんじゃないかな。 そのおかげか、恩田さんのいつもどおり広げた風呂敷を畳みきれてない印象はあるんだけど、なぜかあまりモヤっとしなかった。 「夜果つるところ」も出ているので、こっちを読んでからまた読み直したいな。

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2024/12/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

秀作。 大人版真夜中のピクニック。 特別何が起こるわけでもない。登場人物の意識が変わって行く過程を綴っている。長文で大筋とは関係ない内容が多く、途中いやになってくる。だけど、無駄と思われる文章に恩田陸さんならではのセンスの良さ、エッセンスが盛り込まれていて、名文が多くハッとさせられる。

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2024/12/09

ある「空間」に集った人々がそれぞれ体験を通じて真実を見出して行く、というのは恩田陸さんの展開にありがちであるがこの物語もその傾向に当てはまる。 ストーリーとしては理瀬シリーズ「黒と茶の幻想」に似ていると感じた。そちらは憂理という女性について男女が過去を省みて真実を模索するというス...

ある「空間」に集った人々がそれぞれ体験を通じて真実を見出して行く、というのは恩田陸さんの展開にありがちであるがこの物語もその傾向に当てはまる。 ストーリーとしては理瀬シリーズ「黒と茶の幻想」に似ていると感じた。そちらは憂理という女性について男女が過去を省みて真実を模索するというストーリーだったが、今作は覆面作家・飯合梓が主人公だった。 話の展開は「黒と茶の幻想」よりもテンポが良くサクサク読めた。また最近の流行りだろうか、インタビュー形式で描かれる場面もあり読者が飽きないように工夫されているんだなと改めて著者の凄さに気付かされた。 また作中で飯合梓が書いたとされる「夜果つるところ」について登場人物たちが考察するシーンは「なるほど。こういう見方もあったのか。」と勉強になった。同時に「何これ。グロテスクだし面白くないなぁ。」という感想しか出なかった自分の理解力の無さを恥じた。 もっとたくさん本を読んで勉強しよう。

Posted byブクログ