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ムラブリ の商品レビュー

4.2

22件のお客様レビュー

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2024/07/08

レビューを拝見すると、ピダハン→ムラブリの流れで読んでいる方がちらほらあったのだけど、私も同様に関連書としてたどり着きました。 自然の中で生きる文字を持たない少数民族はどのような考えやスタイルで生きているのか。 自分たちの生活と比較する事で、当たり前だと思っていた様々な価値観を俯...

レビューを拝見すると、ピダハン→ムラブリの流れで読んでいる方がちらほらあったのだけど、私も同様に関連書としてたどり着きました。 自然の中で生きる文字を持たない少数民族はどのような考えやスタイルで生きているのか。 自分たちの生活と比較する事で、当たり前だと思っていた様々な価値観を俯瞰出来る。 本当に人類が先々地球環境を良好に維持し、生き延びようと思うならば、学ぶ事は沢山あるのではないか。 ムラブリを深く理解し、ムラブリの身体性を獲得した著者が結果的にホームレスになってしまうのではないかとちょっと心配したけれど、そんな事はなさそうでした。 映画観たいな。

Posted byブクログ

2024/05/14

めちゃめちゃおもしろかった、これは心が軽くなる系の本。ICUの特に言語学とか人類学やってたひとにとっても刺さりそうな本。寮に置いといたらみんな取り合いになるんじゃないかって思う。 「正の走性」「負の走性」って言語に落とし込んだのはありがたい。気持ちが向くとか気分でとか自己中心的だ...

めちゃめちゃおもしろかった、これは心が軽くなる系の本。ICUの特に言語学とか人類学やってたひとにとっても刺さりそうな本。寮に置いといたらみんな取り合いになるんじゃないかって思う。 「正の走性」「負の走性」って言語に落とし込んだのはありがたい。気持ちが向くとか気分でとか自己中心的だと思われるような言葉じゃない言語化に感動。そもそも自己中心的とか最後の方にでてきた所有とかの概念もそうだけど都市化の過程で人々を統制するためにできた概念なのかって思ったら今までの「自由」の意味が変わって見えてきた。自由には責任が伴うなんて言うけどそれはムラブリの言う自由ではなくて都市の中での自由の意。本当の自由じゃない気がしてるけどそもそも自由って日本語の語源を知らないから勝手な解釈にすぎないかな。意の向くままに流れるって言うけど選択をしている気がする、心が赴く方に。それが正の走性か。だから運がついてくる。

Posted byブクログ

2024/04/11

ピダハンが良かったのでこちらも読んでみた。著者と共に文化や言語を知るのは面白い。冒険させてもらってる気になる

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2024/02/10

ゆる言語学ラジオが紹介していた『ムラブリ』をようやく読むことができた。図書館で予約してから何ヵ月待ったことか。 期待以上に面白く、あっという間に読み終わってしまった。読み物としても素晴らしい! 私は外国語学習への興味と言う観点から読み始めたのだけれど、ピダハンを読んだ時もそうだっ...

ゆる言語学ラジオが紹介していた『ムラブリ』をようやく読むことができた。図書館で予約してから何ヵ月待ったことか。 期待以上に面白く、あっという間に読み終わってしまった。読み物としても素晴らしい! 私は外国語学習への興味と言う観点から読み始めたのだけれど、ピダハンを読んだ時もそうだったが、言葉以上にムラブリと言う人々のことを見ることが、筆者にとって言語学習や研究には重要になってきている。 文字も暦もない民族の言葉をイチから研究してものにしていくのが、カッコいい。 私はテキストもYouTubeも何でもかんでも学習材料がどっさりある言語を勉強しているのに、長続きせずに、全然モノにできないなぁ。 その言語を使う人々に、歴史に興味を持ってないからなのかもね。

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2023/11/23

危機言語であるムラブリを記述するためにフィールドワークを行った研究者のお話し。前半は言語学的な話と、フィールド言語学者としての成長が描かれており、興味深い。後半の最後の方で、言語の身体性も出てきて、言語を身に付けることの本当の意味を教えてくれる。ただし、最後はエッセイ要素が強くな...

危機言語であるムラブリを記述するためにフィールドワークを行った研究者のお話し。前半は言語学的な話と、フィールド言語学者としての成長が描かれており、興味深い。後半の最後の方で、言語の身体性も出てきて、言語を身に付けることの本当の意味を教えてくれる。ただし、最後はエッセイ要素が強くなるので、読む際には注意が必要と感じた。

Posted byブクログ

2023/11/23

著者の研究人生のこと、ムラブリのことなど面白かった。 コミュニケーションでは意味のあることを交換するだけでなく、意味のないことの交換(挨拶とか)で関係性を強化するというくだり、なるほどなと思った。

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2023/11/20

著者は世界で唯一のムラブリ語研究者で、文字のないムラブリ語の発音の美しさに心を奪われて、その研究の道に入ったとのこと。また調査は彼らの住む場所に赴いて行われる「フィールド言語学」と呼ばれる手法で実施されたという。 現在世界で話されている言語は6,000〜7,000と言われ、言語デ...

著者は世界で唯一のムラブリ語研究者で、文字のないムラブリ語の発音の美しさに心を奪われて、その研究の道に入ったとのこと。また調査は彼らの住む場所に赴いて行われる「フィールド言語学」と呼ばれる手法で実施されたという。 現在世界で話されている言語は6,000〜7,000と言われ、言語データベースであるEologueによると約42%の言語は文字を持たないそうだが、文字体系となると圧倒的多数は文字をもたないらしい。 私も出張でエチオピアのかなり外れた地域に行ったことがあるが、そこで暮らしていた半裸の遊牧民は学校に行っているとは思えなかったし、今から思えば文字のない暮らしをしていたのだろう。 またインドネシアのジャングル近くの人々も、そうだったかもしれない。 著者の「郷においては郷に従え」を地で行く生活スタイルは、今の時代の日本人なら驚く人は多いのだろう。 それにしても、かつて人類は言葉を発明し(自然発生的なものかもしれないが)、そして文字も発明した。 その時には、当然今のように各地の人々が交流していたとも思えないのだが、違う言語と文字が生まれてきていることは不思議なことだ。

Posted byブクログ

2023/11/15

昨年、ムラブリの映画がどうしても気になって東京に行く機会の時に時間を縫って横浜まで見に行った。 久々の東京でかなり疲れていたし、横浜までの電車も遠くてぐったりしていたのだけど、ムラブリの映画を見たら疲れが無くなっていて本当に驚いた、という経験がある。今回この本では身体性についての...

昨年、ムラブリの映画がどうしても気になって東京に行く機会の時に時間を縫って横浜まで見に行った。 久々の東京でかなり疲れていたし、横浜までの電車も遠くてぐったりしていたのだけど、ムラブリの映画を見たら疲れが無くなっていて本当に驚いた、という経験がある。今回この本では身体性についての記述が多く、やはり私が映像をみてムラブリをみて言葉を聞いた時に身体が変化したことは気のせいなんかじゃないと思った。

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2023/10/03

文字も暦も持たないなんて日本人の自分には全く想像もできないことだが、自分のいる世界の当たり前が通じない世界があることを知る。 著者は言葉に興味を持ってその世界に飛び込んでいったが、言葉を学んでいくうちに身体性も変化していくということが、印象的だった。 言葉ができることがコミュ...

文字も暦も持たないなんて日本人の自分には全く想像もできないことだが、自分のいる世界の当たり前が通じない世界があることを知る。 著者は言葉に興味を持ってその世界に飛び込んでいったが、言葉を学んでいくうちに身体性も変化していくということが、印象的だった。 言葉ができることがコミュニケーションを取れるということではなく、その空間、世界を生きられることがコミュニケーションなのだと思う。

Posted byブクログ

2023/08/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

言語学者からの言語に関しての視点だけではない、もっと幅ひろい視点での考察が刺激的。 人の行動には何かしらの理由を求められることが社会ではしばしばあると私は感じている。その度に、えっとそれは…って理由を考えることがあるけど、人間の行動は、何かしら考えた上で実施しているのではなく、脳の無意識の深層の範囲で判断されたことが多く、意識下で判断していることは実はそう多くない。そして、何でそういう行動を取ったのかというと、それについてあとから意味づけされている、ということはよく言われている。 筆者も学生時代は失礼ながら、気の赴くままの判断で日々を過ごしていたようにもみえた。でもそこからの学者としてのスタンスがだんだんと形成されていく成長過程を、さらけ出して本にかけているところに物書きとしての才能を感じてしまう。 もともと突き詰めて考えることが筆者の性分からか、学者としての職も手放し、より研究に没頭できる立場を本執筆時期には選択している。このあたりの行動の早さも今後の展開に大いに期待してしまう。 ちなみに私はこの本を知ったきっかけは、筆者自身がとあるゆる言語系のユーチューブチャネルで対談されているのをみて興味を持った。まだ見ていない方は是非視聴頂きたい。

Posted byブクログ