増えるものたちの進化生物学 の商品レビュー
リチャード・ドーキンス ミームは私たちに生きがいを提供している ミーム;文化、教養と言い換えられるか?
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2024年5月20日読了。生物は何のために生きているのか?→種を増やすため、では人間はなぜ生きるのか?という疑問を、人間という生物がどういう戦略でもってどう進化してきたのか、という進化生物学の観点から説明する本。面白い!世にある生き方指南書などが前提としている「人間は幸せを目指す...
2024年5月20日読了。生物は何のために生きているのか?→種を増やすため、では人間はなぜ生きるのか?という疑問を、人間という生物がどういう戦略でもってどう進化してきたのか、という進化生物学の観点から説明する本。面白い!世にある生き方指南書などが前提としている「人間は幸せを目指すべき」「努力して向上すべき」「よい恋人を得て子孫を増やすべき」などの論点を、人間はなぜそのような存在になったのか?それは定められた必然なのか、変化しうるものなのか?などの観点から非常に納得感のある説明をしてくれる、幸福や性についての悩みにこういう観点からロジカルに説明してくれる本は読んだことがなかったな…なぜか読み終わって元気になれる本。人類という種は生存のために科学を進化させ続ける必要があるが、各個体の幸福・生きる意義はそれと切り分けて考えてよいのだな。
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自分の存在についての悩み「なぜ生きているのか」という問いに対して、「なぜ死にたくないのか」「なぜ他の人とかかわらなければならないのか」「なぜ異性がきになるのか」という観点に分けて、それぞれ進化論の観点で説明している。 特に自分を含め現存の生物は、増えることに注力してきた祖先の末裔...
自分の存在についての悩み「なぜ生きているのか」という問いに対して、「なぜ死にたくないのか」「なぜ他の人とかかわらなければならないのか」「なぜ異性がきになるのか」という観点に分けて、それぞれ進化論の観点で説明している。 特に自分を含め現存の生物は、増えることに注力してきた祖先の末裔であることから、そのための特性が残っていることによるものであることを述べている。 また現在の生き方自体がそれらの特性に合致していないことも説明しており、昔は必要だった特性も、今や今後の社会や科学では必ずしも必要でないことも述べている。 最終章では、それらを含め、著者の考える「生きている理由」を述べているが、まぁ科学者らしく前向きな諦めという感じである。 議論の裏付けとして、事例の数や定量的な情報はあまりないが、その分話の腰を折らないので読みやすいし、その情報自体も特に違和感なかった。 専門的な用語もちょいちょいあって勉強になる。 わかりやすいような表現はしているが不適切に過剰でもなく、初心者にもわかりやすいし、分かる人にしても誤りがあるわけではない。 多少言い切ってしまっている論調はあるが、偏見や極端なメッセージ性があるわけでもなく、読んでて違和感はなかった。
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増えるという観点から私たちの日常の悩みを説明した本。 なぜ生きているのかやなぜ他人が気になるのかは面白く読んだ。特にこれからは、肉が食べられなくなり大豆ミートに変わってゆくだろうというのは面白い考察だと思ったし、実際そうなっていくと思う。 ただ、なぜ死にたくないのかは、自殺したい人が増えている現状を説明しきれないと思ったし、ミームも少し無理があるかなあと感じた。
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進化生物学と進化心理学の中間のような内容。とても読みやすく、中学生なら多くの子どもが読めると思う。中学受験の課題文にもなっているそうだ。 私たちはなぜ生きているのか→「増えて遺伝する物質が地球で生まれたから」。思春期に読んでおくと悩みが減ってとてもいいと思う。
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人間がもつ悩みは、生存や繁殖といったいわゆる本能的な欲求に起因している。とはいえ、今日では文明のおかげで生存が脅かされる事態は相対的に少ないし、繁殖は必ずしも生きる目的ではなくなった。だから、本能的な欲求に基づく悩みを必ずしも持ち続ける必要はないし、それらを理性によって乗り越えていこう。 ・・・といったことを言っている本だと思う。 ただ、理屈でどうこうなるなら悩んでないよなあ、とも思う。 書名からは生物一般のことを書いている、むしろ生命の興りに関する進化について書いているような印象を受けたけれど、実際には人間に関する記述が多い。というか、人間の考え方とか社会の在り方とかを、進化の観点から見直そうとしている、という感じだろうか。
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増えて遺伝すると、進化する。 我々は、少産少死である。 そのためには、生き残ることが大事。 生き残るためには、みんなで協力することで 生き残る可能性を高めることが大事。 ウイルスの進化スピードに負けないためにも 他の人の遺伝子を使えることが大事。 そんなわけで、 我々は、他人...
増えて遺伝すると、進化する。 我々は、少産少死である。 そのためには、生き残ることが大事。 生き残るためには、みんなで協力することで 生き残る可能性を高めることが大事。 ウイルスの進化スピードに負けないためにも 他の人の遺伝子を使えることが大事。 そんなわけで、 我々は、他人から好かれないといけない、 子供を作らないといけない、という本能をもっている。 と。 一つの切り口で、いろんなことをつなぐのは 大事だなぁ、と思う。
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ちくまプリマー新書ってプリマーの字義通り中高生を専門分野に誘うシリーズらしいですが、本書は遥か昔の中学高校の同級生に読んで感想聞かせて欲しいと薦められました。いくつになっても心はヤングアダルトな友人です。進化合成生物学というなんか凄そうな分野の研究者が「なぜ生きているのか」「なぜ...
ちくまプリマー新書ってプリマーの字義通り中高生を専門分野に誘うシリーズらしいですが、本書は遥か昔の中学高校の同級生に読んで感想聞かせて欲しいと薦められました。いくつになっても心はヤングアダルトな友人です。進化合成生物学というなんか凄そうな分野の研究者が「なぜ生きているのか」「なぜ死にたくないのか」「なぜ他人が気になるのか」「なぜ性があるのか」「何のために生まれてきたのか」というでっかくて根源的で、しかも10代のころ誰もが悩みがちなテーマについて生命の進化という観点から一生懸命答えようとしています。新鮮なのは著者のフィールドの進化生命学が生物と無生物の境目を「増える」という物理現象に置いていること。なによりびっくりしたのが「命が大事」という価値観を生物としての少産少子戦略の結果だと言い切っているところ。命がなによりも大切!みたいなことを語る定型な哲学おじさん、倫理学おじさんの陳腐さはありませんが「なぜ生きているのか」という若者の悩みと繋がるのか…ちょっと心配になりました。「なぜ他人が気になるのか」では人間のやさしさの加速を語り100年以内に肉食が消えるという未来予想を語っています。そ、そうかも…と思いつつ自分のコンプレックス問題に悩んでいる人にブタやウシを殺す話はどう聞こえるんだろう?最終章の「何のために生まれてきたのか」でも「結局のところ、生物は末永く幸せになるようにはできていません。」と「幸せになりたい」という欲求は先祖から与えられた刷り込み、とバッサリ。いろいろ心配になっちゃいますが、このくらい違った方向からティーンのモヤモヤに向かった方がすっきりするかも。進化生物学の面白さとテーマとの不適合さへの杞憂と著者のダイナミックさが楽しめる新書です。最後に東大の自分の研究室を受験しろ、といっているのもさすが。
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哲学の話?なのかと、読みながらしばしば思いました。 なぜ死にたくないのか、なぜ生きていると悩みが多いのか、、、科学的な問題ではなさそうだが、それがテーマにかかれている章があったり、思った内容とはちがうがこれはこれでおもしろかった。 親はもう性別的には役目を果たした乗り物(生殖細胞...
哲学の話?なのかと、読みながらしばしば思いました。 なぜ死にたくないのか、なぜ生きていると悩みが多いのか、、、科学的な問題ではなさそうだが、それがテーマにかかれている章があったり、思った内容とはちがうがこれはこれでおもしろかった。 親はもう性別的には役目を果たした乗り物(生殖細胞を子供に託しているため)、潔く次世代に任せるしかない。 確かに!この言葉が心に響いてしまった。子供のことは子供に任せるしかない。 深く考えさせられる内容でした。
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少産少死の戦略。長生きが宿命。ゆっくり増える。出来るだけ死なない。子供、異性に対して愛情を持つようになる。成長にコストを掛ける結果、命が大事になる。
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