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いのちの十字路 の商品レビュー

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41件のお客様レビュー

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2024/02/10

『いのちの停車場』の続編。 前作で運転手兼雑用係だった野呂君が、医師国家試験に合格し、金沢にある〈まほろば診療所〉に戻ってきました。 そんな新米医師・野呂先生の視点でお送りする連作六章の構成となっております。 実は、前作のラストにちょっとモヤっていた私ですが、咲和子先生がお元...

『いのちの停車場』の続編。 前作で運転手兼雑用係だった野呂君が、医師国家試験に合格し、金沢にある〈まほろば診療所〉に戻ってきました。 そんな新米医師・野呂先生の視点でお送りする連作六章の構成となっております。 実は、前作のラストにちょっとモヤっていた私ですが、咲和子先生がお元気そうでホッとしました。 今回の主役は野呂先生なので、咲和子先生は大学病院との兼務という事もあり時々しか登場しないのですが、抜群の安定感は健在で何よりです。 さて、本書の内容としては、コロナ禍での訪問診療と、“介護”について・・とりわけ“介護者(ケアラー)”の問題にスポットを当てた話が多く、“老老介護”“ヤングケアラー”など、この国が現在抱えている問題が浮き彫りになっております。 特に第五章「レトルトカレーの頃」は、脳梗塞で身体が不自由な母親の介護と小学生の弟の世話を一人で負担している中学生の女の子の話なのですが、周りも本人も“家族だから(介護負担は)当然”という認識なのがその深刻さを物語っているな、と思いました。 そして、野呂先生自身もヤングケアラーだった辛い過去があり、その時の後悔の念をぬぐい切れない彼の心情も絡めて展開します。 因みに、本文中で挙げられていたのが 「介護受ける権利」 「介護を行う権利」 「介護を受けるのを強制されない権利」 「介護を行うのを強制されない権利」 という“介護の権利”(義務ではなく)なのですが、 さらに、第六章で提唱されていた 「介護を休む権利」 が、介護者と被介護者が“共倒れ”にならない為にも大切だと思いました。 “愛おしい人を、最後まで愛おしく思って生きられるように・・” そう、一人で抱え込んだ結果、大切な家族を嫌いになってしまう、なんて哀しいですものね。 ところで、第三章“末期癌になった外国人技能実習生”の話も印象的だったのですが、途中まで心温まるええ話だな・・と思って読んでいたら、話の終盤で“保険金”の件がぶっこまれてきて、一気に水を差されたよう気持ちになりました。 まぁ、単なるいい話で終わらせず、問題提起をするというのが著者の方の狙いだったのかもですけどね・・。 という感じで、本作も色々考えさせられる内容だったのですが、ただ重いだけではなく金沢の情緒ある情景描写や郷土料理のネタが所々に挟まれるので、緩急のバランス良く読むことができました。 勿論、野呂君の健闘ぶりと看護師の麻世ちゃんのサポートもナイスで、フレッシュな二人の頑張る姿が清々しくて良かったです~。

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2024/01/30

命の停車場の続編だということ。先にこちらをよんでしまった。 ヤングケアラーや老老介護など、さまざまな介護にまつわるストーリー。 今、まさにそんな状況に入りつつあるので、いろいろ考えさせられた。 介護を受ける権利、介護を行う権利、受けるのを強制されない権利、そして介護を行うのを強制...

命の停車場の続編だということ。先にこちらをよんでしまった。 ヤングケアラーや老老介護など、さまざまな介護にまつわるストーリー。 今、まさにそんな状況に入りつつあるので、いろいろ考えさせられた。 介護を受ける権利、介護を行う権利、受けるのを強制されない権利、そして介護を行うのを強制されない権利も。 死はいつどのような形で訪れるか分からない。誰にも迷惑はかけたくないし、親の介護を負担に思うのも避けたい。でも、何年も円満に介護する自信もない。

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2024/01/31

今回は、新米医師・野呂先生が主人公。 医師国家試験に2度落ち「まほろば診療所」でアルバイトをした経験を持つ。 それが前作『いのちの停車場』の話。 無事、医師となり「まほろば診療所」へ戻ってきた。 新型コロナウイルス感染時期と重なる。 その中で、今回も介護の問題が描かれる。 ...

今回は、新米医師・野呂先生が主人公。 医師国家試験に2度落ち「まほろば診療所」でアルバイトをした経験を持つ。 それが前作『いのちの停車場』の話。 無事、医師となり「まほろば診療所」へ戻ってきた。 新型コロナウイルス感染時期と重なる。 その中で、今回も介護の問題が描かれる。 「介護を行うのを強制されない権利」 P233〈介護にかける情熱のようなものは、人によってさまざま〉 自宅で介護をする場合、大変なことも多いが 要介護者と過ごしたいと思う人もいるはずだ。 胸がぎゅっと締め付けられるようなエピソードは 第5章 「レトルトカレーの頃」 ヤングケアラーがテーマとなっている。 家族を介護する子供に 周りが手を差し伸べることの重要性が伝わってきた。 介護する人たちが、少しでも安らげるように 精神的・経済的な援助も必要だと思う。 「まほろば診療所」のような場所があれば安心。 ふと、そんなことを思ってしまった。

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2024/01/09

介護する人される人。それぞれの思いを、ヤングケアラー経験を持つ訪問介護に携わる野呂医師の立場から見えてくるものを題材に書かれた内容。作者の南杏子さんが現役の医師だからこそのリアル感があり、とても考えさせられる内容でした。けして、他人事ではないですから。

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2024/01/02

吉永小百合主演 命の停車場の続編 在宅医療の問題や困難について 暖かい文章で表現している 在宅での終末医療は難しい 白石先生は父親を死に対して 罪には問われず 診療所と大学病院で活躍して 二浪して医師になった若い医師と老医を ヘルプする 若い医師には自分も祖母を介護した 経験があ...

吉永小百合主演 命の停車場の続編 在宅医療の問題や困難について 暖かい文章で表現している 在宅での終末医療は難しい 白石先生は父親を死に対して 罪には問われず 診療所と大学病院で活躍して 二浪して医師になった若い医師と老医を ヘルプする 若い医師には自分も祖母を介護した 経験があり 困難な事例に当たると思い出し 自分を納得させて成長していく

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2023/12/24

ヤングケアラーや老老介護、外国人実習生、認知症の親の介護…とても読み応えがあるのに読みやすかった。家族が介護するのは当たり前?介護の4つの権利や、介護保険の話なんかも興味深かった。ケアラーにもバカンスを。介護するのも人間なんだから。お互いの幸せのために。

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2023/11/16

いのちの停車場の続編 前作を読んだのが少し前になるので あんまり覚えておらず、 こちらを読み始めたら野呂先生が主人公。 あれ?男の人の話だったかな?? と読み進めていると 見覚えのある人たちが出てきました(^^) 今回は野呂先生目線で進むようです。 さて、今回も日本が...

いのちの停車場の続編 前作を読んだのが少し前になるので あんまり覚えておらず、 こちらを読み始めたら野呂先生が主人公。 あれ?男の人の話だったかな?? と読み進めていると 見覚えのある人たちが出てきました(^^) 今回は野呂先生目線で進むようです。 さて、今回も日本が直面している 様々な問題について取り上げられていました 老老介護、ヤングケアラー、外国人労働者、認知症… 誰もがいつか直面するであろう問題が たくさん書かれていて、 親の老後、自分の老後、 病気になったら、、、 いろんなことを考えさせられます   家族の介護の問題は本当に難しいですね 訪問診療で周りから見て おかしくなっていることに気づく。 自分じゃわからなくなってしまうんだなと知りました。 介護受ける権利 介護を行う権利 介護を受けるのを強制されない権利 介護を行うのを強制されない権利 そして介護を休む権利 ひとりひとり正解は違っていて、 制度を上手く使うのは難しいかもしれないけど でもどの人にも自分に合った介護を 見つけられる世の中になってほしい そう思いました。 患者さんの様子と並行し 野呂先生が少しずつ過去の出来事を 精算できていく様子もよかったです(^^)

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2023/10/18

『いのちの停車場』の続編。 今回は、訪問診療所の新米医師である野呂聖ニが奮闘する。 彼自身が、祖母の介護をした経験があり、最後まで看れなかったことに対するわだかまりがあった。 だからこそ真摯に患者と向き合い何が必要なのか、どうすれば少しでも気持ちに寄り添えるかを考えているように...

『いのちの停車場』の続編。 今回は、訪問診療所の新米医師である野呂聖ニが奮闘する。 彼自身が、祖母の介護をした経験があり、最後まで看れなかったことに対するわだかまりがあった。 だからこそ真摯に患者と向き合い何が必要なのか、どうすれば少しでも気持ちに寄り添えるかを考えているように感じた。 娘の手を借りずに一人で人生を全うしようとする母。 認知症の母の介護と仕事の両立に苦しむ一人息子。 末期癌のインドネシアから来た技能実習生。 大腸癌の手術を受けストーマを造設した夫は足腰も弱っているが妻が認知症であることを受け入れられないでいる。 体が不自由な母の世話をするのは、中二の少女という…ヤングケアラー。 老老介護であったり、ヤングケアラーであったり、家族なら仕方ないと、当然のことだからと思うのだろうが眠れなくて辛くて苦しんでいる。 なかなかSOSの声を上げることがないままである。 最悪なことになる前に声を上げて欲しいと思う。 訪問診療所の医師が今どのくらいいるのかわからないが、気づいてくれる医師が近くにいれば…としみじみと思った。

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2023/09/20

小さな診療所の物語6篇 どの物語も世の中の表に出ない多くの問題を描いている 作者の経歴を見れば、その問題把握も納得する 人は幸せに生き、その人生をその人なりに満足して終われば良いが、中々人生思ったようにいかないのが現実だ

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2023/09/16

いのちの十字路 南杏子さん いのちの停車場の続編。 まほろば診療所。 今回は、 野呂先生のお話。 コロナ禍の中での、訪問診療。 先生や看護師さんの働きに 頭が下がる。 すごいなぁー。 老老介護。ヤングケアラー。 いろいろな要素が入った内容。 物語なのに、 考えさせられる。...

いのちの十字路 南杏子さん いのちの停車場の続編。 まほろば診療所。 今回は、 野呂先生のお話。 コロナ禍の中での、訪問診療。 先生や看護師さんの働きに 頭が下がる。 すごいなぁー。 老老介護。ヤングケアラー。 いろいろな要素が入った内容。 物語なのに、 考えさせられる。 次は絶対に同じ後悔をしない。 何かあるたびに、 そう決心して乗り越えてきた。 国語の教科書に載せて、 みんなが読んだら良い本でした。

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