虚心 の商品レビュー
「降り始めからの総雨量800ミリ」は何時間かわからないけど特別警報クラスですよ吉川さん…土砂崩れ起きますって!思い込み捜査と正義を声高に叫ぶ環境派にイライラ。
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すごい作品でした。 シリーズ前作の「雨に消えた向日葵」は途中で犯人が分かったこともありサクサクと読めた反面、面白かったけど物足りないと言うか重みを感じなかった記憶がありますが、本作はいやはや考えさせられました。 主人公の奈良刑事のキャラクターがなんとも魅力的。決して完璧な刑事では...
すごい作品でした。 シリーズ前作の「雨に消えた向日葵」は途中で犯人が分かったこともありサクサクと読めた反面、面白かったけど物足りないと言うか重みを感じなかった記憶がありますが、本作はいやはや考えさせられました。 主人公の奈良刑事のキャラクターがなんとも魅力的。決して完璧な刑事ではなく、失敗も間違いも犯します。けれど一貫として持つ刑事としての意志・信念があり、今回はその矜持が事件解決へと導いた気がしてなりません。 産廃の不法投棄が原因で起きた崩落をきっかけに、かつて同じ土地で起きた最終処分場建設をめぐる反対運動と未解決のままの殺人事件がまさかこんな風に結び付くなんて。すごい。 登場人物が多く、過去と現在を行き来する展開なので読み続けるのにはなかなかのエネルギーを要しましたが、最後まで読んでよかったです。エンタメ性もありつつ、社会問題を読み手に問う重さも兼ね備えています。 本作を読みながら改めてゴミ問題について思いを巡らせました。目を背けずにしっかりと考えて向き合っていかなければならないですよね。 こんなテイストならば、奈良シリーズの続編があることを願わずにいられません。 本作も2クールくらい使って是非ドラマ化してほしいです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『雨に消えた向日葵』の続編。奈良刑事の執念の捜査、再び。事件の被害者家族に向けるまなざしの温かさも涙もろさも健在で、やはり奈良刑事はいい。 「あのとき、街を席巻していた反対派住民は、自分たちこそ正義と信じて運動していた。悪意を持っていたものなど一人もいない。正義の暴走ほど恐ろしいものはない。自分があの時振りかざした正義も、そのひとつだ。」 「地獄への道は善意で舗装されている」とはまさにこのこと。正義や善行を前提としていればなおのこと、先入観が事件の真相を遠ざけ、偏見が正しい未来を見誤らせる。自分の正しさを疑わない時ほど、多数派に属する時ほど、一旦すべてを取り払い、虚心をもって物事に相対さなければならない。
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現在の不法投棄事件と16年前の殺人事件を描いた話。 自然豊かな街に産廃処理施設を作ろうとする業者。その賛成派と反対派。殺人と不法投棄による土砂崩れ。色々絡み合って話が進んでいった。 読むのは時間がかかったけど、おもしろい作品だった。
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「雨に消えた向日葵」での執念の捜査が記憶に甦る♪ 埼玉県警の奈良刑事シリーズ第二弾! 16年前、若き日の奈良が小山(現在は部下)の下で捜査に当たった殺人事件だが、今だ未解決。 今回、秩父で不法投棄による土砂崩れが発生し、犠牲者が出る。事故ではなく事件と判断され捜査に着手する。...
「雨に消えた向日葵」での執念の捜査が記憶に甦る♪ 埼玉県警の奈良刑事シリーズ第二弾! 16年前、若き日の奈良が小山(現在は部下)の下で捜査に当たった殺人事件だが、今だ未解決。 今回、秩父で不法投棄による土砂崩れが発生し、犠牲者が出る。事故ではなく事件と判断され捜査に着手する。 崩落発生地の所有者として16年前に小山と奈良が犯人だとしていた人物が浮上! 産廃の闇に消えた二つの命。 執念の捜査で掴むのは真実か?冤罪か? 虚心って、虚しい心ではなく、 わだかまりを持たない、素直な心のことなのねぇ…。 虚心坦懐って言われればなんとなくあれだけど、普段使わないよ、虚心…(^◇^;) 奈良刑事シリーズ、次作が待ち遠しいぞ!!
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「雨に消えた向日葵」の奈良刑事続編。 産廃の闇に消えた二つの命。 一人は、土砂崩れに巻き込まれた派遣清掃員の女性。そこは、16年前、産廃処理場計画地で一人の反対運動の男性が殺された場所だった。 現在、行方不明の女性を捜索しながら、16年前の未解決殺人事件を同時に追う。 土砂崩れが...
「雨に消えた向日葵」の奈良刑事続編。 産廃の闇に消えた二つの命。 一人は、土砂崩れに巻き込まれた派遣清掃員の女性。そこは、16年前、産廃処理場計画地で一人の反対運動の男性が殺された場所だった。 現在、行方不明の女性を捜索しながら、16年前の未解決殺人事件を同時に追う。 土砂崩れが起きた原因から過去の産廃処理場建設のトラブルの回想へと、見事な流れ。 吉川さん、すごーく上手。 たぶん資料収集等も丁重なんだろうけど、産廃という関わるのが難しそうな問題を取り上げて、 あれやこれや近年話題となったような社会問題をぼこぼこストーリーに取り込む。 そのうえで、ほおっていう結末を準備している。 タイトルの虚心ー素直になることーがどこにかかるのだろうと最後に近くなるまでわからなかった。 産廃の闇は、作られたもの。
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『雨に消えた向日葵』で主人公の奈良健市が、今作もメインになって活躍する。 埼玉県の黒部山で土砂崩れが発生し、一人の行方不明者が…。 瓦礫から不法投棄された産業廃棄物が大量に発見され、崩落発生地の所有者を辿ると16年前の殺人事件で犯人だと確信していた男だとわかる。 この未解決殺人...
『雨に消えた向日葵』で主人公の奈良健市が、今作もメインになって活躍する。 埼玉県の黒部山で土砂崩れが発生し、一人の行方不明者が…。 瓦礫から不法投棄された産業廃棄物が大量に発見され、崩落発生地の所有者を辿ると16年前の殺人事件で犯人だと確信していた男だとわかる。 この未解決殺人事件の真相も明らかにしなければ、という執念と現在の産廃に関わる闇に鋭く突き進む奈良。 前半は、ぬる〜い感じで進んでいたので、少々ありきたりな警察小説で終わりなのか、と思っていたが後半以降に切れ味が増していく。 ただ、もうひとつ大きな揺さぶりが欲しかったなぁ。
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ちょっとこれまでの作者の雰囲気と違う物語。主人公もハッキリしないし、悪者と思ってたのが良い人やった。それも最終盤で分かるなんて、今までのキレのいい作風が見られずちょっとびっくり。まあこれは単発でいいでしょう。
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吉川英梨さん著、「虚心」 「雨に消えた向日葵」の主人公、埼玉県警の奈良刑事の2作目の作品。 作風としては前作と同様、奈良の執念の捜査が物語の主軸。 タイトルの「虚心」の通り反対運動、デモ、闘争、そして捏造へと渦巻いていく中で、状況や環境や背景や対人関係からの先入観で真実や真相が...
吉川英梨さん著、「虚心」 「雨に消えた向日葵」の主人公、埼玉県警の奈良刑事の2作目の作品。 作風としては前作と同様、奈良の執念の捜査が物語の主軸。 タイトルの「虚心」の通り反対運動、デモ、闘争、そして捏造へと渦巻いていく中で、状況や環境や背景や対人関係からの先入観で真実や真相が偏向してしまうというストーリー。その傾向は物事を捉えれば捉える程加速していくように一方的に傾いていく。 やはり前作同様、色んな角度からの不穏さが加わり、現在と過去が平行しつつ物語は進んでいく。 非常に引き込まれる作品だった。 作中にあった言葉だが「正義の暴走」という言葉が正に「虚心」であると感じた。 世の中にある「危険な思想」や「ハラスメント」「教育問題」「戦争」やあらゆる争い事のだいたいはこの「正義の暴走」なのではないか?と感じさせられる。 正しいか否かは別として、己の正義をかざせば賛同しえる人々は関心を寄せ沸き立つ様に増えていき一つの方向に力を蓄えて傾向する。そして枠を越えた暴走も生まれる、ムーブメントとしてその中にはある一定の強い正義があるこそ。 それをこの「虚心」という言葉の中に描ききっている作者、凄い方だと感じた。 とても興味深いトピックだった。 次の奈良シリーズも執筆されることを心より期待している。
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個人的に最近忙しくて 前半なかなか入り込めなかったけど 後半は、どんどん引き込まれました。 産廃業者、個人的にタイムリーな話題で 色々考えさせられました。 駆け足で読んだので、 ダツ…この人〜?って混乱のまま終わり… もっとじっくり読みたかったです。
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