虚心 の商品レビュー
気分の良い裏切りとは言えなかったけれど正しいのは誰なのか悪いのは誰なのかがはっきりしてすっきり終わったのが良かった。
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終盤の掌返しはまさに本書の主題だと思うが、掌が返った後の聖人君子ぶりに戸惑う。 エピローグ的などんでん返しには少し笑った。
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これはなかなか読み応えのある一作でした。17年前の殺人事件と現在に起こった不法投棄による崩落死亡事件。その地域の住民達や警察などとの関わりが、ミスリード・伏線としてちりばめられており、特殊詐欺事件も絡んで混沌と。終盤のどんでん返し、驚愕の展開と、最近の吉川英梨さんの作品なの中では...
これはなかなか読み応えのある一作でした。17年前の殺人事件と現在に起こった不法投棄による崩落死亡事件。その地域の住民達や警察などとの関わりが、ミスリード・伏線としてちりばめられており、特殊詐欺事件も絡んで混沌と。終盤のどんでん返し、驚愕の展開と、最近の吉川英梨さんの作品なの中では最高の部類では。まさに自分の虚心の無さにはまってしまいました。エンディングは、とてもすがすがしいけど出来過ぎかな。
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感想 虚心坦懐に見つめる。重要性は理解するがどうしても邪魔は入る。皮層的なズレに注目して奥にある共通点を見失う。そこから人は対立を深める。
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16年前の殺人事件の容疑者と睨んでいた会社社長の息子が、逮捕寸前で高跳びされた。事件は有耶無耶となった。 その16年後、少ない雨量にも関わらず埼玉の黒部山で土砂災害が起き1人が行方不明となった。瓦礫の下から不法投棄された産廃が大量に発見され… 警察は容疑者と睨んでいた産廃処理をする会社が、在日朝鮮人だと言う事もあり、とても風当たりが強かったけれど、ドラ息子だと思われていた大輔が本当に頑張っていたんだと判った時、それを理解してくれた人も居る事に救いがありました。 金文商事に関わった人達の見方が180度変わった時、意外な人物が黒幕だと判明した時は驚きました。 ラストまで読んだ時の爽快感がとても良い読了感でした。
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虚心 「心になんのわだかまりもないこと。先入観などをもたないで、さっぱりとした素直な心でいること。」 コトバンクより 虚心という言葉の意味をなんとなく分かっているような分かっていないような自信がなかったので調べてみた。読んでいる間はこの虚心がすっかりと抜けていた。そのため、後半...
虚心 「心になんのわだかまりもないこと。先入観などをもたないで、さっぱりとした素直な心でいること。」 コトバンクより 虚心という言葉の意味をなんとなく分かっているような分かっていないような自信がなかったので調べてみた。読んでいる間はこの虚心がすっかりと抜けていた。そのため、後半に差し掛かってから、思いっきり頭を引っぱたかれたようにこの言葉の意味を理解した。物語なのだから著者のストーリーに見事に乗せられたとも言えるが、それにしても全く虚心で読み進めていなかったことを痛感した。よくよく思い出してみると、事実も描かれているというのに。 埼玉県の黒部山で土砂崩落が発生するところから始まる。それに巻き込まれて一人が行方不明となるが、たいした雨も降っていない状況で本来なら起こるはずがない。瓦礫から不法投棄された産業廃棄物が大量に発見され、16年前の未解決事件との繋がりが浮かび上がる。 ネタバレにならないようにとは思いますが、フィルターをかけずに書くので、まっさらな状態で読みたい方はここでそっと閉じてください。 大筋は産業廃棄物の不法投棄を追うことだが、居住地域の存続と繁栄を何十年にも渡り願う人々の想いが根底にある。立場は違えど目的は同じはずである。しかし、手段によっては容赦のない行き違いをもたらす。たとえ、思い違いや認識不足がその理由であったとしても、一度思い込んでしまったら人は易々と変われない。そこを最終処分場建設可否や産廃業界全体を通して描かれている。 差別、偏見、思い込み、集団心理、文化、確執、保身。その全てが複雑に絡み合う。事実が曲解される。利益や未来を考えれば正しい道を共に歩めるように思う。しかし、印象や心象が道を誤らせる。純粋に正義と信じるが故に対立を生み、その隙に悪意がつけ込んでくる。とても許せない。 行方不明者の若月愛子の宝物に思わず泣きそうになる。孫の壮真のある日の寝姿にまた思わず泣きそうになる。埼玉県警の奈良と小山の行動に胸が熱くなる。あと一番の功労者にも。事件を追うのに非常にハマり込んだが、他の登場人物たちもそれぞれの魅力を存分に堪能した。傑作ヒューマンミステリーとあったが納得。
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吉川英梨さんのたくさんの作品の中で、わたしが1番好きなのは「雨に消えた向日葵」で、 その主人公の奈良刑事がシリーズされたということでうれしい限り。 山奥の村の産廃不法投棄をめぐる暗いトーンで物語は進んでいくのですが、ある時点でどんでん返しが起こり、急に目の前の霧が晴れるような感じになり、とても良い読後感を得られました。 最近はやりすぎ感のある公安のシリーズより、こっちの方が好きかな。
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なかなか素晴らしい作品だった。この題名にしたのは何故なのか、多分それは本書の最後にあるのだろうと推察する。ショッキングな産廃の不法投棄とそれによる事件、犯人は誰なのか?総てが絡み合って、それが最後に一挙解決するなんて!感動のミステリー小説だった。
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秩父が舞台の殺人事件。事件のことなど忘れちゃうくらいの急展開で面白すぎ。1冊で5冊分くらい楽しめました。そして自分の中にもある虚心についてすごーく考えさせられました。私的に大ヒット作。
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奈良刑事シリーズ第二弾、今回も事件の真相解明に一生懸命取り組む奈良班、そして犠牲者家族と触れ合う奈良刑事、思わぬ形で事件が解決していくところも面白く最後まで楽しませていただきました。
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