チンギス紀(十六) の商品レビュー
第十六巻。 ホラズム国の帝・アラーウッディーンがスブタイに斬られて、カスピ海の小島に撤退。 トルケン大后もモンゴル軍に捕らえられてしまいます。 太子に冊立されたジャラールッディーンは、南方の地で反撃の機会を伺いますが・・・。 大国同士の戦いもいよいよ最終局面に入りました。 負...
第十六巻。 ホラズム国の帝・アラーウッディーンがスブタイに斬られて、カスピ海の小島に撤退。 トルケン大后もモンゴル軍に捕らえられてしまいます。 太子に冊立されたジャラールッディーンは、南方の地で反撃の機会を伺いますが・・・。 大国同士の戦いもいよいよ最終局面に入りました。 負傷して小島に逃れていたアラーウッディーンが死んで、新たにジャラールッディーンがホラズムの帝になり戦を継続。 で、捕らえられたトルケン大后はチンギスに辱めを受けて生ける屍のようになってしまい、それを見せられた華蓮が憤死してしまうという場面がなんというか・・。 北方作品は男尊女卑がベースなので(汗)、女性が人間扱いされていないような表現がちょいちょい見受けられるのですが、この度のトルケン大后へのチンギスの鬼畜の所業にはさすがにドン引きした私でした。 さて気を取り直して(?)、新たに帝となったジャラールッディーンの元に兵が続々と集まってきて、イナルチュク側の兵と併せると30万もの大軍になるのですが、この兵力も虚しく、結局はモンゴル軍に蹴散らされて南方へ追い詰められていきます。 一方、ひたすらにチンギスの首だけを一点集中で狙い続けるマルガーシは、何度か奇襲をかけるもことごとく"あと一歩及ばず"という感じで、山中にチンギスの隊を誘い込んで頭上から襲った時も、チンギスの副官・ソルタホーンの決死のダイブによって遮られ、この巻の終盤での襲撃はなんとかチンギスと刃を交えるも、チンギスの吹毛剣にマルガーシの剣が両断されて、マルガーシ自身も負傷するという結果に(さすが吹毛剣!)。 因みに、吹毛剣といえば交易ターンで"大水滸シリーズ"とのリンクがちょこちょこ出てきているのですが、ラシャーンが候春に"・・梁山泊について書かれたものを、私も読んでみたい"と、いうシーンには、これまでに蓄積された壮大な繋がりを思って感慨深いものを感じました。 と、いうことで「終わったな、ソルタホーン」というチンギスの台詞もあり、ようやく対ホラズム戦が終局を迎えたようです。 とはいえ、負傷したマルガーシがどこかに逼塞していますし、ジャラールッディーンについても見逃しているので、"火種"は残ったままなんですよね。 それが今後チンギスにどう影響してくるのでしょうか・・いよいよ次で最終巻となるのですが、どのような結末を迎えるのか、楽しみでもあり寂しくもある・・といったところでございます~。
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トルケンがチンギスに攻められて気をやり、それを見ていた華蓮が憤死するとか、ちょっとひどくない?あまりな展開だと思うが、あと1冊も惰性で読もう。
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ホラズムとの決戦に勝利し、掃討を続けるチンギス・カン。いよいよ終幕が近づいてきましたが、気になるのは長子ジョチの容態。生まれ方から死に様まで『蒼き狼』とは違うのは、何があるのでしょう。
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アラーウッディーンとの戦いに勝利し、トルケン太后も捉えたが、ジャラールッディーンが新帝となり27万もの軍をまとめる。本巻はそのジャラールッディーンを破り、再起し、破り、再起という中で、最後は一人逃げ去っていき、マルガーシも再三チンギスを狙うも失敗し、最後はどこかをチンギス本人に斬...
アラーウッディーンとの戦いに勝利し、トルケン太后も捉えたが、ジャラールッディーンが新帝となり27万もの軍をまとめる。本巻はそのジャラールッディーンを破り、再起し、破り、再起という中で、最後は一人逃げ去っていき、マルガーシも再三チンギスを狙うも失敗し、最後はどこかをチンギス本人に斬られている。そのメインストーリーの中で、トーリオやヤルダムを中心として物流話が織り込まれ、トーリオは草原の旅を始め、父ダルグダイのタイチウトの故地を経てアウラガでボウルチェと会談する。 草原統一までは面白かった本シリーズも金国戦、ホラズム戦と重ねるごとに話が単調になっていく。シリーズを読み切るという一念から何とか読み切ったが、昔は気付くと一冊終わっていたものだった。 草原を
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感想 チンギスの平定戦もいよいよ最終章に入ってきた。モンゴル国はこの後も空前絶後の領土を要する。 最初のイメージは、その国に寄生しただけかと思ったが、善政をしき、兵站を良くし、兵を鍛えたからこその結果なのだとここまで読んできて実感した。 あらすじ スブタイがアラーウッディンに致命傷を負わせ、死に追いやる。ホラムズ朝はジャラールッディーンが継ぐ。 チンギスはホラムズ国をほぼ追い込み、戦いに興味をなくしかけていた。長男のジョチに目は病気で余命いくばくもない状態になっていた。 ホラムズ国は南からジャラールが20万、北からイナルチュクが7万の大軍を率いてモンゴル軍を挟撃しようとしていた。対するモンゴル軍は8万。どう対峙するのか。 モンゴル軍は寡兵だが統率がよくとれていたため、ホラムズ軍を打ち破る。その後の掃討戦においてチンギスは危うくマルガーシに討ち取られそうになるが、難を凌いで、ホラムズ朝を滅す。
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カラ・クムでの戦いに勝利したモンゴル軍。敗戦後カスピ海に逃れたアッラーウディーンは傷が元で死亡、ジャラールディーンが即位する。ホラズム・シャー国殲滅の為、南征する。ホラズム国との戦いが大詰めを迎える。
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砂漠での長い長い戦いがついに。。。やはり敵が強ければ強いほど物語は盛り上がるわけで。 それとは別に物流はますます太く堅固に。 どこまでチンギスの領土は広がるのか、チンギスが死ぬそのときなのか。 マルガーシとチンギスの人生が交錯する瞬間がしびれる。
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シリーズ16巻目。 ついにホラズムとの決戦で苦戦する場面はあるものの圧勝でした。 チンギスは徹底的に残存勢力を相当するのですが、ジョチの病気やら後継者選定は悩みそうです。 次巻で最終巻なので最後まで見守っていきます。
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チンギス紀 十六 蒼氓 北方謙三 ∞----------------------∞ 今までより戦が詳細だった気がして、その分長く感じた。 マルガーシはトクトアやダルドと過ごした山を得意としてて、それを誰も知らず、敵を甘くみだしたチンギスもついにここまで?と思わずにいられなかった。マルガーシにとってこの失敗は痛かっただろうな。 とにかく対ホラズム戦が長かった。 兄弟や息子はほとんど出てこなかったけど、ジョチが病にかかってる。 チンギス含め結構死にたがってる人が多い印象も受けた。 いよいよ次巻が最終巻。 2023/08/13 読了
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チンギス率いるモンゴル軍の西域ホラズム・シャー国への侵攻で前巻からの本戦の闘いを描く。大国となると政治文官、交易等の話もあるが、真骨頂である勇将の戦いの話が一番だ。 前巻でのホラズム軍との戦いからチンギスからの命を受けスブタイ軍が皇帝アラーウッディーンの討伐から始まる。チンギス...
チンギス率いるモンゴル軍の西域ホラズム・シャー国への侵攻で前巻からの本戦の闘いを描く。大国となると政治文官、交易等の話もあるが、真骨頂である勇将の戦いの話が一番だ。 前巻でのホラズム軍との戦いからチンギスからの命を受けスブタイ軍が皇帝アラーウッディーンの討伐から始まる。チンギス本隊は皇子ジャラールッディーンを追い一戦交えスブタイ&ジェぺ軍と共にジャラールッディーンに傷を負わせるもマルガーシと共に逃げ失せる。女帝トルケンも捕捉され死を望むもチンギスは辱めを与えて生気を奪う、トルケン軍の女戦士の華蓮も死す。そんな中チンギスの長男ジョチは病にも倒れ戦いから離脱してアラーウッディーンは逃亡先の島で死す。皇帝となったジャラールッディーンは逃げながら部族から兵を募り最終的に20万の大軍で、カンクリ族傭兵を纏めたイナルチェクから軍を引き継いだ軍師ウダラル率いる別隊7万との挟撃でモンゴル軍と再戦を交えるも小隊に分けた戦法もモンゴル軍8万に再度敗れる。そんな中ジェルメと共に討伐軍に帯同していないクビライノアンの訃報が入る。潰走するホラズム軍の中でマルガーシが奇襲を唱えジャラールッディーンと共にチンギスを襲うも副官ソルタホーンが身を挺して守る傷を追う。カンクリ族傭兵はスブタイの追撃で殱滅する。スブタイ&ボロルタイ軍と共に残兵との戦いでチンギス自らジャラールッディーンの頸を取る寸前でまたもやマルガーシが現れ救われる、その際チンギスの水毛剣でマルガーシの剣を両断し最後はジャラールッディーン、マルガーシを見逃した場面で終える。 チンギスもお爺ちゃん年齢で領土拡大の一線で生涯戦い続けるが、次巻の最終章はどんな終わり方になるにか?楽しみだ。
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