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哀惜 の商品レビュー

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30件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2023/12/10

イギリス南西部の町ノース・デヴォンの海岸で死体が発見された。捜査を行うマシュー・ヴェンは、被害者は近頃町へやってきたサイモンというアルコール依存症の男で、マシューの夫が運営する複合施設でボランティアをしていたことを知る。交通事故により子供を死なせたことで心に病を抱えながらも、立ち...

イギリス南西部の町ノース・デヴォンの海岸で死体が発見された。捜査を行うマシュー・ヴェンは、被害者は近頃町へやってきたサイモンというアルコール依存症の男で、マシューの夫が運営する複合施設でボランティアをしていたことを知る。交通事故により子供を死なせたことで心に病を抱えながらも、立ち直ろうとしていた彼を殺したのは何者なのか? 新シリーズ開幕。ジミー・ペレス警部の連作は未読が多いまま、こちらを先に読む。めったにないことなのだが、マシュー・ヴェン警部のある人物への感情に同化していた。

Posted byブクログ

2023/09/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ペレスシリーズ作者の新シリーズ1作目。 解説を読むまで版元が違うのに気が付かなかった。 前シリーズ同様に少し重苦しい雰囲気の中ストーリーが展開していくが、ペレスが住民に受け入れられていたのに対して、今回主役のマシューはそうとはいいがたい。 そのあたりが今後、わきを固める人たちとともにどう展開していくのか気になる。 ミステリーとしてもまずまず面白かった。次作に期待。

Posted byブクログ

2023/09/05

こちらの作家さん初めて読みました。 マシュー刑事が同性のパートナーの暮らしていて、男性であること、そ~いったアイデンティティの小説で読むのは初めてで、はじめ「エッ?」ってなった。 でもとても魅力があって物語に、深く影響があることも、なる程!納得! 宗教や、障害者、絡み合うストーリ...

こちらの作家さん初めて読みました。 マシュー刑事が同性のパートナーの暮らしていて、男性であること、そ~いったアイデンティティの小説で読むのは初めてで、はじめ「エッ?」ってなった。 でもとても魅力があって物語に、深く影響があることも、なる程!納得! 宗教や、障害者、絡み合うストーリーが上手く成り立っていて凄い!今後の、マシューの活躍がまだまだ読みたいな!

Posted byブクログ

2023/08/04

登場人物が詳しく書かれていて読みやすかった。それは色んな人目線で話が進むので、心の声まで読めたからかなと思う。特にマシューはそうで、親しみが持てた。事件自体はやるべきことをひとつずつやったら正解にたどりついた感じ。 あと、時代は現代なんだろうけど、クリスティーのような古い感じがし...

登場人物が詳しく書かれていて読みやすかった。それは色んな人目線で話が進むので、心の声まで読めたからかなと思う。特にマシューはそうで、親しみが持てた。事件自体はやるべきことをひとつずつやったら正解にたどりついた感じ。 あと、時代は現代なんだろうけど、クリスティーのような古い感じがした。英国ミステリーだからなのか、翻訳だからか、田舎が舞台だからかは分からないけど。

Posted byブクログ

2024/05/13

イギリス、ノース・デヴォン地方。扉に地図があり、西の大西洋にランディ島がある。初めての舞台の場所。まずこの場所に興味が湧く。新しいキャラクター、マシュー・ヴェン警部が登場する。登場人物一覧を見て、ジョナサン・チャーチ・・マシューの夫と出ている。ん? 男性名だが夫、そうなのだ彼らは...

イギリス、ノース・デヴォン地方。扉に地図があり、西の大西洋にランディ島がある。初めての舞台の場所。まずこの場所に興味が湧く。新しいキャラクター、マシュー・ヴェン警部が登場する。登場人物一覧を見て、ジョナサン・チャーチ・・マシューの夫と出ている。ん? 男性名だが夫、そうなのだ彼らは正式の夫婦。 海岸で死体が発見された時、マシューは父の葬儀に立ち会っていた、と始まる。署からの電話で現場に行き部下たちと合流するマシュー。この単刀直入な事件提示がとてもいい。殺された男は最近町にやってきた男で、知的障碍者施設で働いていた。しかもそこはマシューの夫が勤めている施設。さらに利用者が行方不明になり・・ 事件の根底で知的障碍者の存立を問うたのかと感じた。 また、マシューの両親の宗派はとても敬虔な宗派として描かれ、マシューはそれに反発して家を出ている。キリスト教の宗派、というあまりよくわからない世界が描かれていた。 トー川という川沿いの町バーンスタブル署の刑事マシュー。家はその河口付近の人家のあまりないところで死体のあったのもその付近のようだ。表紙の絵が文章を著しているようだ。また少し離れたところにランディ島という島があり、観光場所ではあるようだが定住人はいないようだ。この島の存在も初めて知った。 2019発表 2023.3.25発行 2023.5.15第2刷 図書館

Posted byブクログ

2023/07/04

レビューはこちら↓ http://blog.livedoor.jp/bunkoya/archives/52613473.html

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2023/07/01

なかなか集中して読む時間がとれませんでしたが、読み始めてからは本を閉じることができず一気読み。ドメスティックかつ閉鎖的な空間で起きる事件が丁寧に描かれ、登場人物一人一人の心情やエゴが手にとるように感じられます。こうしてひとりの人間が葬られるのだ、と悲しくなりました。保護を必要とす...

なかなか集中して読む時間がとれませんでしたが、読み始めてからは本を閉じることができず一気読み。ドメスティックかつ閉鎖的な空間で起きる事件が丁寧に描かれ、登場人物一人一人の心情やエゴが手にとるように感じられます。こうしてひとりの人間が葬られるのだ、と悲しくなりました。保護を必要とする人、それがどんな人であれ、全てのそういう人たちの幸せと安心を願わずにはいられませんでした。初読の作家さん、次作もあるようなので、翻訳を心待ちにします。

Posted byブクログ

2023/06/20

当たり前の話しなんですが、物語が持つ雰囲気みたいなんて、主人公の持つ特性に依存しますよね 当たり前ですが 本作の主人公マシューは礼儀正しく落ち着いていて、公平で清々しく凛としている そしてまさしく物語はそのように進む とてもとても落ち着いてゆったりと進む だけどダラダラしてる...

当たり前の話しなんですが、物語が持つ雰囲気みたいなんて、主人公の持つ特性に依存しますよね 当たり前ですが 本作の主人公マシューは礼儀正しく落ち着いていて、公平で清々しく凛としている そしてまさしく物語はそのように進む とてもとても落ち着いてゆったりと進む だけどダラダラしてるわけじゃなくてページはすいすい進む なんか変な感じ ゆっくりだけど澱みがないんよね そしてマシューにはジョナサンという彼とは正反対の夫がいるんだけど、彼がいることでさらにマシューの人となりが際立つんだよね そう、そしてこれめちゃくちゃさらっと書かれてるんだよね 最初なんのひっかかりもなくさらっと進行しちゃうの、マシュー(男性)に旦那さんがいるってこと これがすごくいいんだよね 後々周囲からの視点が加わることで、やっぱり差別的な視点に晒されたりするんだけど 最初めちゃくちゃ当たり前に物語が進行していくのがとても良かった そして事件の真相が明らかになるにつれマシューが一転して激しい怒りをあらわにするんだけど、これがまたいいのよ 魅力的な主人公マシュー・ヴェンと警察小説らしい捜査の過程が楽しめる本作はどうやらシリーズの一作目とのこと 楽しみなシリーズが増えてしまって困ったちゃん

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2023/06/18

殺された人間がどのような人物だったのかが徐々に明かされながらも、そこから更に謎が深まったり、新たな事件が起きたり、人物像が皆くるくると変わる様などは大変独特だと思いました。 後半の弱者が虐げられながらも人知れず団結して抗うあたりが読んでいて胸が熱くなりました。 また犯人の身勝手...

殺された人間がどのような人物だったのかが徐々に明かされながらも、そこから更に謎が深まったり、新たな事件が起きたり、人物像が皆くるくると変わる様などは大変独特だと思いました。 後半の弱者が虐げられながらも人知れず団結して抗うあたりが読んでいて胸が熱くなりました。 また犯人の身勝手さや、考えが至らず結局は犯罪の隠蔽に手助けしていたりと、人の善性と悪性が緩やかに対比されていたのも面白かったです。 あと主人公マシューとジョナサンの関係と、それを受け入れているイギリス社会が興味深かったです。日本だと物語の軸に据えられがちなのに、「そういうものだ」という価値観で話が進んでいくのは最初面喰らいました。 ページ数も多く、気軽に読める作品ではありませんでしたが、ヨーロッパ作品ならではの面白さがありました。

Posted byブクログ

2023/06/17

イギリス南西部にある海岸で死体が発見された。 その日マシューは、父の葬儀を見ているところだった。 ゆるやかで不思議な感じで読み始める。 部下からの電話で近くにいたマシューは、死体発見現場に向かう。 事件捜査も静かに流れていくのだが、これはマシューの警部らしからぬ礼儀正しさと落...

イギリス南西部にある海岸で死体が発見された。 その日マシューは、父の葬儀を見ているところだった。 ゆるやかで不思議な感じで読み始める。 部下からの電話で近くにいたマシューは、死体発見現場に向かう。 事件捜査も静かに流れていくのだが、これはマシューの警部らしからぬ礼儀正しさと落ち着いた雰囲気からだろうか。 舞台はウッドヤードという施設で、そこの所長を務めるジョナサンがマシューの夫である。 さらりとLGBTQであることが描かれているのだが、部下も施設関係者も知っているという普通さにも慣れてくる。 次々とキャラの濃い特徴のある面々が登場し、事件は複雑なように見えてくる。 結局殺されたサイモンが薄い存在に思えて、しかも弱者救済のために…と思うとなんともやるせない。 とても読み応えのあるページ数だったが、細かな描写は無駄がなく真相に繋がっていく道筋になっている。 はっきりと手応えを感じていくにつれて、意味がわかるという…その少しずつの前進を楽しめた。

Posted byブクログ