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日本銀行 我が国に迫る危機 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2024/07/18

前半部分の日本の財政状況の説明と黒田異次元緩和の説明が、とても分かりやすくて具体的。 FRBやECB等との違いの比較もあって、いかに日本の財政が異次元の危機的状況にあるのかが具体的示されていて本当に恐ろしい。 勉強になるけどやっぱり難しい... 第6章に、戦後の中央銀行の巨額債...

前半部分の日本の財政状況の説明と黒田異次元緩和の説明が、とても分かりやすくて具体的。 FRBやECB等との違いの比較もあって、いかに日本の財政が異次元の危機的状況にあるのかが具体的示されていて本当に恐ろしい。 勉強になるけどやっぱり難しい... 第6章に、戦後の中央銀行の巨額債務とハイパーインフレの事例が書かれているが、単なる昔話とは思えず、これまた怖い。 資産税の徴収、政府による債務放棄、新札発行からの預金封鎖... これを断行した時の大蔵大臣である渋沢敬三大臣は、新札の顔である渋沢栄一の子っていうのは、現政府からのアラートメッセージなのか?などと下衆な勘ぐりをしたくなってしまった。 最近の円安進行と度重なる為替介入による火消しの感じを見ていると、いよいよ来るところまで来たか?とも思えて怖くなった。

Posted byブクログ

2024/02/05

 この本で明示的に批判されているのは黒田東彦・前日銀総裁と安部政権だが、本書を突きつけて黒田日銀を責めても暖簾に腕押しだろう。なぜなら彼らは市場参加者の期待、すなわち将来の物価予測を人為的にプラスに形成せんがために「無責任な中央銀行」をわざと演じてきたからだ(中央銀行は将来の物価...

 この本で明示的に批判されているのは黒田東彦・前日銀総裁と安部政権だが、本書を突きつけて黒田日銀を責めても暖簾に腕押しだろう。なぜなら彼らは市場参加者の期待、すなわち将来の物価予測を人為的にプラスに形成せんがために「無責任な中央銀行」をわざと演じてきたからだ(中央銀行は将来の物価上昇局面で金利を上げるだろうと市場参加者が予測してしまうと、現在の利下げの効果が薄くなってしまうので)。つまり彼らはいわば確信犯なので、説明不足で無責任だとの批判には冷笑で答えるのみだろう。その日銀の姿勢を奇貨として最も利益を享受したのは安部政権だが、彼らに対する批判も当を失したものとなるに違いない。何せ特に安部元首相本人は、おそらく金融政策というものを殆ど理解していなかったように思えるからだ。およそ理解しようとする意思すら無い者との議論ほど不毛極まり無いものはない。  著者が真に糾弾の対象としたいのは、我々国民の不勉強と「いずれ国が何とかしてくれる」という乞食根性だろう。何せこの放漫財政と野放図な金融政策を(消極的にせよ)選択したのは我々自身だ。「財政政策・金融政策とは何か、通貨とは何か、国家に対する信任とは何か」を考えることを放棄して、耳に心地よいだけの近視眼的な弥縫策に票を投じ続けた結果、日本はここまで来てしまった。  確かに金融政策は理解するのが難しい。しかし本書で述べられているように、他国の国民には「フリーランチなどあり得ない」「人間は近視眼的な生き物なので制度面で制御する必要がある」という知恵があり、これを政策に反映させている。ポピュリズムの嵐吹き荒れる米国ですら、デットシーリングや「債券自警団」の機能を停止しようという議論は生まれていないのだ。西欧の「ノブレス・オブリージュ」の精神が我が国に根付いていれば、政治家や官僚の主導のもと、制度内に属人的ではないオートマティックな制御装置が備えられたはずなのだが、残念ながらそうはならなかった。ファイナンスの知識を教育に取り入れるべき、という議論が盛り上がるのもさもありなん、という気がする。

Posted byブクログ

2023/08/19

ある方に勧められたこともあり、読んでみました。 日本の財政の状態について、日本銀行のあり方を中心に、これまでの日本の状態の推移や外国の状態との比較を通じて、丁寧に説明した本だと思います。 とくに、日本の債務残高がここまで膨らむことが可能だった(膨らむことを可能にした)理由につい...

ある方に勧められたこともあり、読んでみました。 日本の財政の状態について、日本銀行のあり方を中心に、これまでの日本の状態の推移や外国の状態との比較を通じて、丁寧に説明した本だと思います。 とくに、日本の債務残高がここまで膨らむことが可能だった(膨らむことを可能にした)理由については、とても納得できましたし、日本の財政が危機的な状態にあることが理解できたと思います。 また、前の日銀総裁の黒田さんのやり方でよくなかった点も、ある程度理解できたと思います。 それにしても、日本の学校教育では、政治や財政について学んだり考えたりする機会が少ないですよね。 政治や財政については、いろいろと経験を積まないと理解しづらい部分も多いとは思いますが、もう少し広くかつ深く学校で学べるようにした方がよいと思います。 日本(日本国民)のレベルを上げるためにも、また、日銀や政治家、官僚の暴走を防ぐためにも。

Posted byブクログ

2023/06/25

別の本でも読んだが黒田総裁になってから異常に株式と国債を買い上げてバランスシートが拡大している状況からいかに脱却するか 崩壊は時間の問題 利上げをしないと円安の進行がさらに進むはず

Posted byブクログ

2023/05/13

前半、良く分析されていると思った。中盤、戦後の日本が出てきたあたりでうーんとなった。後半は仰る通りなるも、極端か。経済は面白い。もっと勉強は必要と気付かせてくれた1冊。

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2023/05/04

黒田さんの「黒田バズーカ」はアベノミクスと相まって、その当初は日本の経済を復興させ押し上げるものとの期待が高かったが、結局は10年経っても成果を出さず、かえってあまりにも自己の政策に固執したがために日本を未曾有の危機に晒し、その実験は壮大な失敗に終ろうとしているように思える。 ...

黒田さんの「黒田バズーカ」はアベノミクスと相まって、その当初は日本の経済を復興させ押し上げるものとの期待が高かったが、結局は10年経っても成果を出さず、かえってあまりにも自己の政策に固執したがために日本を未曾有の危機に晒し、その実験は壮大な失敗に終ろうとしているように思える。 本書はその金融政策と財政が絡み合ったリスクを、分かりやすくときほどき説明してくれている。 本書を読んでいると能天気な政治家とマスコミに何をやっているのかと喝を入れたくなる。不勉強な我々もいけないのだが。 平たく言えば、借りたものは返さなきゃいけないんですよね。もう後世の世代にツケを残すのはいい加減にやめねば。 筆者が第八章でまとめているが、今この危機にしっかり向き合い、出来る事をやらねば大変なことになる。もっとも私には手遅れのようにも思えるが・・ 個人の防衛策としては、少ない資産ではあるが一部でもいいので、金に変えとけばいいのだろうが、市場最高値となっている今では遅きに失する気がする。 ドルに変えとくしかないのかな・・?

Posted byブクログ

2023/04/30

MMT理論やリフレ派と呼ばれる政策を真っ向から否定した内容であり、金融に対する知識がなければ読破までの難易度は高い。著者は日銀出身の女性であるが、最新のデータや国際情勢もしっかりと触れられており説得力がある。マイナス金利政策や YCCの功罪についての理論立ても素晴らしい。このまま...

MMT理論やリフレ派と呼ばれる政策を真っ向から否定した内容であり、金融に対する知識がなければ読破までの難易度は高い。著者は日銀出身の女性であるが、最新のデータや国際情勢もしっかりと触れられており説得力がある。マイナス金利政策や YCCの功罪についての理論立ても素晴らしい。このままでは日銀も日本財政もいつか破綻すると言う危機意識を感じた。

Posted byブクログ