トワイライライト の商品レビュー

畑野智美(著者)

2023/04/03

2023/04/02
三軒茶屋に実際に存在するブックカフェ「トワイライライト」をモチーフにした話。
主人公の森谷未明は新型コロナ感染症の拡大によりガラッと変わってしまった大学生活の中上京した大学生。感染症の拡大で不要不急の外出が求められる中、上京していた親戚で小説家の信一の家に遊びにいくくらいしか楽しいことがなかったのだが、バイトを始めるようになってあることがきっかけで朝川彗という人物と知り合うことになる。
男女の微妙な距離感がこのトワイライライトのカフェを舞台にして展開されていくのですが、どっちつかずの中途半端な関係って一見とても楽しそうに感じるけど、よくよく考えると不安定なことだらけなんだなーというのをなんとなくこの本を読んで感じました。

2023/03/27

1時間弱でサクッと読了。三軒茶屋を舞台にした、実在のお店も出てくるお話。ちょうどコロナ禍で上京した学生のふとした不安や想いが描かれていて良かったです。

2023/03/26

三軒茶屋にある「twililight」を舞台にした作品で、
twililightの1周年記念で出版されたもの。

2023/03/11

3．11の震災はいつ終わったのだろう。
コロナ禍も、すごい特効薬とか開発されたわけでもないけど、なんだかうやむやなまま終わろうとしている。
自分が取り残されていてもいなくても、周りの雰囲気で終わったことになってしまう、それをコントロールすることはできない。
そんな中で女子大生の未明は、自分で自分を満たせる人間になろうと、一歩を踏み出す。
そのはじまりになったのが本屋「トワイライライト」だ。

「トワイライライト」は実在する三軒茶屋の本屋さんで、ギャラリーやカフェも併設されている。本作は開店から一周年を記念して刊行された小説なのだそうだ。
なんとなく立ち寄ったその本屋さんで手に取った本。
カフェオレを注文して窓際の席で本を開くと、未明が作中で取る行動とシンクロしていて、彼女の倍生きている自分はなんだか恥ずかしい気分になる。

私は昔江坂という町に住んでいた。
梅田まで十五分くらいでオフィスも飲み屋も住宅街も充実してそこそこシャレていたその町は、大阪の三茶的ポジションだったと思う。
その町に三年半住んだものの、私はただ家と駅前のわずかな範囲の決まり切った店にだけ足を運び、そのまま東京へと去った。
とてももったいないことをしたな、と後悔している。

新しい店に立ち入るだけでも、なかなか勇気がいる。
よい出会いがあることばかりではないけど、若者が踏み出すその一歩を応援したいし、もう若くはない自分もちょっと一歩踏み出してみたいなと、そんなことを思った。