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の商品レビュー

4.2

31件のお客様レビュー

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2024/06/08

「郷村教師」は泣けた。 「メッセンジャー」は詩的な情景が浮かんで好きだった。 登場人物の人生や考えと、スケールの大きな時間や宇宙の話が混じり合うところが良い。

Posted byブクログ

2024/06/01

全体的にけっこうおもしろかった。「メッセンジャー」「月の光」「鯨歌」「カオスの蝶」がこのみ。 「郷村教師」の特異点爆弾はスタートレックの赤色物質が思い浮かんだ。

Posted byブクログ

2024/04/21

中国SFの短編集といえば、これまでハヤカワで出された「折りたたみ北京」「金色昔日」を読了しており、勢いがあって面白いんですが、割と「これ、SFというより幻想小説では・・・?」と思ってしまうファンタジー寄りの作品も多く(特に「金色昔日」)、まぁ日本SF黎明期もそうした作風が見られま...

中国SFの短編集といえば、これまでハヤカワで出された「折りたたみ北京」「金色昔日」を読了しており、勢いがあって面白いんですが、割と「これ、SFというより幻想小説では・・・?」と思ってしまうファンタジー寄りの作品も多く(特に「金色昔日」)、まぁ日本SF黎明期もそうした作風が見られましたので、そんなもんかな、と思ってました。 しかしながら、さすがの劉慈欣。直球王道ハードSFを、SF初心者にもわかりやすいエンターテインメントに仕立て上げる腕前は、中国SFの中でも頭一つ抜きん出ている印象です。 収録された作品は、どれも科学的理論に裏打ちされた大ボラ話=ハードSFとしての骨格がしっかりしていて、安定感があります。鴨が特に好きなのは、「円円のシャボン玉」。小さな子供の頃から大好きなシャボン玉の研究を、小さな子供の頃の無邪気さそのままに推し進め、ついには世界を救う鍵となる話。かつては世界中で熱く語られていた「科学が切り開く未来の可能性」を肯定する、清々しい作品です。 「郷村教師」も、結果的に(地球規模では)何も変わらない切ないストーリーではあるのですが、日々の生活には一見して役に立たなそうな知識の存在意義を詩的な文章で静かに知らしめる、隠れた傑作だと思います。SF者として、初心を思い出させてくれる作品ですね。 正直なところ、今の日本のSF者として、若干の古臭さを感じないわけではありません。 でも、昔のSFってこうだったよなー、と思い返しながら、そのコンセプトを劉慈欣が描くとこのように展開するのね、と新たな視点から楽しむことができました。 しかしまぁ、何といっても表題作のスケールのデカさといったら(笑)ある意味、究極のバカSFと言えるかもしれません(←褒め言葉)。この作品がワンシーンに過ぎない「三体」、いやはや恐るべしです。

Posted byブクログ

2024/03/19
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『三体』で著名な劉慈欣のSF短編集。 風刺とユーモアに溢れた作品群で、作品によっては辛辣なところもあるけれど、それらの底には、人間の営みや知性、芸術への憧れが流れていると感じさせる。 『郷村教師』『詩雲』などは特に、良い意味でロマンティックな作品だとさえ思う。 『三体』は未読なので、そちらも今後読んでみたい。

Posted byブクログ

2024/03/10

 今、中国SFが面白い。  三体を代表する劉慈欣の短編集。  時代遅れの炭鉱から、新たなエネルギー源を得ようと実証実験を開始するもそれは地獄の業火の始まりだった(地火)  ボスニアヘルツェゴビナへの空爆に対し、地球上のある一点でアクションを行い、天候を操ることで阻止しようとす...

 今、中国SFが面白い。  三体を代表する劉慈欣の短編集。  時代遅れの炭鉱から、新たなエネルギー源を得ようと実証実験を開始するもそれは地獄の業火の始まりだった(地火)  ボスニアヘルツェゴビナへの空爆に対し、地球上のある一点でアクションを行い、天候を操ることで阻止しようとする科学者がいたのだが(カオスの蝶)  秦の始皇帝は、数学者に「円周率を二年後に一万桁、五年後に十万桁まで求めよ」と命令した。  この難題に対し、数学者は三百万人の兵力を求めた。その方法とは(円)  全13編。

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2024/03/08
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地火 業務用スーパーの社長が地熱発電やってるけど大丈夫?? 郷村教師 最後の最後で救われた。 「今は理解出来なくても暗記しとけ」 詩雲 太陽系を潰してまで作った詠詞データベース。取り出し方がわからないってそんなの作る前から予想つくでしょ!? 呑食帝国が気の毒。 栄光と夢 泣けた… 人生 記憶の遺伝 円 「三体」で1番好きなエピソード。 荊軻のラスト、「チ。」を思い出した。 こういう短編集、もっと読みたい。

Posted byブクログ

2024/02/10

短編のひとつひとつが意外性に富んでいて楽しめた。解説にも書いてあるが、三体のエッセンスが随所に感じ取れる。この短編たちがあの傑作の礎になっているのかと、また違った意味での感慨もあった。

Posted byブクログ

2024/01/31

コロナの発熱の中… 短編集でそれぞれに特に繋がりもテーマもないから一話一話が斬新。懐かしい大牙が登場するものの、発熱のせいか、ピンとくるものなかったのが残念。

Posted byブクログ

2024/01/14
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『地火』 なんとか映像化してほしい作品。 中盤からもう絶対大変なことになるんだろうな…と思ったら想像以上に大変なことになって興奮した。地火が爆発した時の表現がおそろしくて良かった。 劉慈欣作品はやらかしたキャラクターが必要以上にしっかり報いを受ける傾向にある。三体の程心をのぞいて。 『郷村教師』 解説にもあったが、藤子・F・不二雄のSF短編集を彷彿とさせた。なんか終盤やけに宇宙人が地球の美しさに感動してて地球ホルホルか?と思った。 『カオスの蝶』 カオス理論はSFの切り口としてはかなりベタなんだろうけど、目まぐるしく変わる舞台とスリリングな会話の緊張感で楽しく読めた。“著者付記”が誠実で良い。初めて見たこんな注釈。 『詩雲』 この短編集の中で1番好きだった。 Gパンパンダのコントの中で575の俳句のパターンを全部網羅するネタがあるけど、それと発想自体は同じ。俳句に関しては実際にジェネレータが作られていたが、使う文字が漢字になるとここまで壮大な話になるのか…と絶句した。 なんか恐竜ずっとかわいそうで面白い。 全パターンの漢詩を作ろうっていう発想は根本的に詩の情緒を解せていないような気がして、それがおかしかった。 『栄光と夢』 スポ根。主人公の少女も良かったけど、射撃せずに会場を後にしたヤリク・サリが最高だった。こういう脇役がメインテーマとあまり関係ないところで理知的な判断をする展開好きすぎる。娼婦に堕ちたと見せかけて1番アツかったライリーも好き。 『円』 三体で読んだ時にも思ったけど設定が飛び抜けて好き。 コンピュータの発想に直接辿り着く荊軻がサヴァンすぎる。

Posted byブクログ

2024/01/13

この作者はハズレがない。今回も面白かった。三体の世界に繋がる発想や着眼点をいろいろな短編で楽しめる。空想の設定も科学的な説明で現実的にありそうな気持ちにさせられる。三体のような重厚長大な世界もいいが、短編で少しづつ感じるのもいいと思った。

Posted byブクログ