1,800円以上の注文で送料無料

文身 の商品レビュー

4.2

42件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/08/09

すごい作品です。形容し難い、こういう内容の作品に私は出会った事がないです、良い意味で。 虚構、私小説、フィクションかノンフィクションか、文身。小説というもの自体の奥深さと、そもそも人の人生って何が本当で何が作られたものなのか第三者からは正直わからないわけで、この作品も最後の最後ま...

すごい作品です。形容し難い、こういう内容の作品に私は出会った事がないです、良い意味で。 虚構、私小説、フィクションかノンフィクションか、文身。小説というもの自体の奥深さと、そもそも人の人生って何が本当で何が作られたものなのか第三者からは正直わからないわけで、この作品も最後の最後まで、正解・答えを明示はされずに終わるわけですが、きっとこういう事であったのだろうという読者側の様々な解釈がまたその小説を育てていくというか、、私小説というジャンル自体あまり自分のテリトリーにはないのですが、、、うーん、なんか不思議な読者体験でした! 簡単に言ってしまうと、面白かったですw

Posted byブクログ

2024/07/21

深海のように深くてずっしりとした一冊。このページ数に収まっているのがもはや不思議でならない。現実にある虚構を曖昧にしてくる怖さ。意図していないはずの最後のページ100字書評の原稿が、私小説を始めろと言われているような気がしてドキッとした…。読書好きには読んで欲しい。

Posted byブクログ

2024/07/17

実体験をそのまま書くのが私小説。「文身」は真逆,弟が書いた虚構を兄が演じ現実化して破滅へと向かう狂った世界。気力十分な時に読まないと,作者の罠で頭が混乱する。

Posted byブクログ

2024/07/15

序盤は「昭和ならゴリ押せるよな」と思うが令和で戸籍ない人がそのまま生きていられるだろうか?などいままで「ほんとに庸一のような人がいるかも」という気持ちで面白かったのに、終盤からラストが急にフィクション実が出てきて冷静に考えるとうーん…?となりました。 読み終わった感想としては。...

序盤は「昭和ならゴリ押せるよな」と思うが令和で戸籍ない人がそのまま生きていられるだろうか?などいままで「ほんとに庸一のような人がいるかも」という気持ちで面白かったのに、終盤からラストが急にフィクション実が出てきて冷静に考えるとうーん…?となりました。 読み終わった感想としては。普通に面白かった。ぐらいですが、庸一の深層心理的にどういう人物か全然分からなくなる感じとか何が虚構で現実なのか曖昧になってくミステリー感が良い意味でのモヤモヤ感が合って楽しかった。あと怒涛の展開ってわけじゃないのにどんどん先が読みたくなる本でした。 続きが読みたくなるってことはやっぱり面白い本ですよね。 もの凄く驚きの展開!!どんでん返し!!とかを期待しちゃってて☆3にしちゃいましたが、純粋に楽しく読めました。 映画化とか実写すると面白みが絶対薄れるのでぜひ文字として楽しんで欲しいと思う作品でした。

Posted byブクログ

2024/07/13

すごく重厚感のある面白い話だった。 読んでいる最中は、虚構と現実が入り交じっていて混乱する場面が多かったけれど、自分自身に落とし込んで読んでいると「あー、人ってこんなもんだろうな」って思えて、その状況から逃れたくて偽ったはずの姿が本当の姿や本心だったってことを気付くことができた...

すごく重厚感のある面白い話だった。 読んでいる最中は、虚構と現実が入り交じっていて混乱する場面が多かったけれど、自分自身に落とし込んで読んでいると「あー、人ってこんなもんだろうな」って思えて、その状況から逃れたくて偽ったはずの姿が本当の姿や本心だったってことを気付くことができた内容だった。 最後の1文にも「おー、なんか格好良い」って思えたし、タイトルを「文身」としたところも秀逸すぎて、おなかいっぱいの作品だった。

Posted byブクログ

2024/07/13

帯に「新感覚ミステリー」とありましたが、 ミステリー??? まあ、謎があるからミステリーかも。 序幕、終幕以外は、 小説の中での小説の話で、 そこも現実と虚構が入り乱れ、 何を読んでいるんだろうと 不思議な感覚。 それでも引き込まれました。 久しぶりにラストの一文が 効い...

帯に「新感覚ミステリー」とありましたが、 ミステリー??? まあ、謎があるからミステリーかも。 序幕、終幕以外は、 小説の中での小説の話で、 そこも現実と虚構が入り乱れ、 何を読んでいるんだろうと 不思議な感覚。 それでも引き込まれました。 久しぶりにラストの一文が 効いた小説を読みました。

Posted byブクログ

2024/07/09

感想 書かれた言葉の強さ。現実をも改変する。繰り返すことで1人の人間を創ることもできる。その楽しさ恐ろしさ。自分も飲み込まれているかも。

Posted byブクログ

2024/07/05

──とんでもない小説を読んでしまった── 「兄ちゃんに頼みたいことがあるんや」 と、弟が兄の目の前に原稿用紙の束を置く 「これは兄ちゃんの私小説やからな」 「私小説は、作者が実際に経験したことをそのまま書くんが決まりや」 「兄ちゃんには虚構を現実にする才能がある」 弟・堅...

──とんでもない小説を読んでしまった── 「兄ちゃんに頼みたいことがあるんや」 と、弟が兄の目の前に原稿用紙の束を置く 「これは兄ちゃんの私小説やからな」 「私小説は、作者が実際に経験したことをそのまま書くんが決まりや」 「兄ちゃんには虚構を現実にする才能がある」 弟・堅次が書いた小説の内容を兄・庸一が実行し、現実のものにしていく。 そして小説は、庸一が書いたものとして発表する。 登場人物は庸一の分身・菅洋市だ。 〝書かれる兄と書く弟〟 本来気の弱かった庸一だが、虚構を現実にする為、酒乱、女好き、乱暴者へと変貌していく。 そしていつの間にか、それが本来の姿となっていく。 弟・堅次は部屋に籠もり、兄の〝私小説〟を描く。 庸一の人生は、堅次によって創られていくのだ。 この二人の姿は恐ろしく不気味で、嫌悪感を抱かずにはいられない。 それなのに、読むのを止められない。 胸の奥がザワザワと気持ち悪く、こんな感覚の小説は初めてだ。 作家・須賀庸一と登場人物・菅洋市。 もはやどちらが本当の姿なのか。 そもそも人間に本当の自分などあるのだろうか。 そして目の前のこの男は一体誰なのか。 ──終盤からラストは衝撃的── ブク友さんたちの熱いレビューから、ずっと読みたいと思っていた一冊。 〝現実と虚構〟 その境界線は、なんとあやふやなんだろう。

Posted byブクログ

2024/06/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

仕事と私生活が忙しくてダラダラ読んで途中で放置していたのだけど… ひと段落して読み進めたら、あっという間に引き込まれて後半はノンストップでした。 なにがなんだか混乱するけど… やっぱり奴はいるのだ!

Posted byブクログ

2024/06/09

岩井圭也さんの作品は『永遠についての証明』に続き2作目 今回は読後レビューが直ぐに書けなかった。 虚構と現実がどんどん曖昧になり、読み終えた今でも、整理が追いつかない。その反面、整理しないで余韻を味わっていたいという不思議な心境になった。 終盤に来る事実に驚かされ、 というこ...

岩井圭也さんの作品は『永遠についての証明』に続き2作目 今回は読後レビューが直ぐに書けなかった。 虚構と現実がどんどん曖昧になり、読み終えた今でも、整理が追いつかない。その反面、整理しないで余韻を味わっていたいという不思議な心境になった。 終盤に来る事実に驚かされ、 ということはあの場面は? あぁ、確かに言われてみればそうか・・・ と過去の場面を回想しながら、頭の中で組換え作業をしている最中のラスト1行で驚愕の事実が! 一体、何が現実で何が虚構なのか。読者自身も次第に区別がつかなくなる。 逆を言えば、読者の心境をここまで誘うことが作者の意図する所なのだろう。読後に放心状態の中で、翻弄され魅力されていたことに酔いしれる心地良さこそが、この小説の醍醐味なのだと思う。 ネタバレは避けたいので詳細は控えるとして、 読後必ずもう一度読み返したくなり、誰かと感想を共有したくなる作品だった。 この独特な没入感の高い世界観、岩井圭也さんワールドは何だか癖になりそうだ。

Posted byブクログ