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水車小屋のネネ の商品レビュー

4.2

511件のお客様レビュー

  1. 5つ

    199

  2. 4つ

    197

  3. 3つ

    82

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    1

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2024/10/23

オーディブルで聴きました。 最初なかなか入り込めなくて、やめようかとさえ思ったが、最後まで聴いて良かった。 姉は私たちは運が良かったと言った。たしかに運は良かった。でもそれだけではなくて、良くないと判断したものはすっぱり切り離し、自分の信じたものにとことんついて行くという姿勢が...

オーディブルで聴きました。 最初なかなか入り込めなくて、やめようかとさえ思ったが、最後まで聴いて良かった。 姉は私たちは運が良かったと言った。たしかに運は良かった。でもそれだけではなくて、良くないと判断したものはすっぱり切り離し、自分の信じたものにとことんついて行くという姿勢が、18歳での人生のドン底から、ずっと上昇していけた所以だと思う。見習いたい。 しかし、とにかく長い。一つのエピソードが丁寧すぎる。なくてもストーリーに支障がないエピソードを省いて、もう少しスピードアップしていたら、もっと多くの人が読んだのではないかと思う。 いわゆる引き寄せの法則というやつを、実践したらこうなるというお手本のようのお話。大阪弁のゾウの話よりもずっと説得力がある。

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2024/10/20

2024年の本屋大賞ノミネートということと、作者である津村記久子さんの作品は過去に読んだことがあるので読んでみました。 本屋大賞ノミネートという言葉への期待とは裏腹に特に盛り上がりもなく淡々と進みます。“た。”で終わることの多い文章構成も淡々とした感じを醸し出します。そして10...

2024年の本屋大賞ノミネートということと、作者である津村記久子さんの作品は過去に読んだことがあるので読んでみました。 本屋大賞ノミネートという言葉への期待とは裏腹に特に盛り上がりもなく淡々と進みます。“た。”で終わることの多い文章構成も淡々とした感じを醸し出します。そして10年を1話とした作品構成ですが各話の長さが異なり第一話がとても長い。第二話も少し長い。しかし相変わらず淡々とした流れで一度ここで読むのが中断してしまいました。 1ヶ月ほど経って読むのを再開、半分を過ぎたところ位から内容は依然として変化ないのですがこれまで撒いた種から芽が生えてきたように面白く感じてきました。そして最後まで一気にです。 淡々していますが人の優しさが淡々と描かれています。そして383ページの藤沢先生の言葉は心に残り、これに辿り着くために読む価値はあるのでは思いました。お金を貯めて早期リタイアが羨ましがられる世の中ですがやはり人生に大切なのはこれではないかとあらためて感じたのです。

Posted byブクログ

2024/10/19

たくさんの人が出てくるけれど、その一人一人を大事に思える小説。 「水車が回り、内部装置が動く音を聴きながら、去っていった人たちのことを想い、ネネや姉や自分を含めたこれから去るかもしれない人たちのことを考え、やってきた人たちの顔を思い出した。言葉にならない感慨が胸の底で起こった。...

たくさんの人が出てくるけれど、その一人一人を大事に思える小説。 「水車が回り、内部装置が動く音を聴きながら、去っていった人たちのことを想い、ネネや姉や自分を含めたこれから去るかもしれない人たちのことを考え、やってきた人たちの顔を思い出した。言葉にならない感慨が胸の底で起こった。」 最近、人生は別ればかりと考える時間が少しずつ増えていた。だけどこの一文で、やってくる人もいるんだ、と少し思えた。わたしの人生から去った人、去るかもしれない人のことばかり見ていたけれど、新しくやってくる人だっている。 誰かの良心と、自分の良心を信じられそうな物語でした。出会えてよかった。

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2024/10/19

ほっこり系 読みやすいが少し長く途中挫折しかけた。 人物が皆魅力的なのと、その人たちを取り巻く環境、80年代から現代までの時代の流れも面白い ヨウムが気になるので、調べてみようと思う。

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2024/10/14

500ページ弱をかけて紡がれる、姉妹の40年。 1章につき10年ずつ時が進み、冒頭では18歳と8歳の姉妹は、エピローグでは58歳と48歳になっており、その人生がじっくり丁寧に描かれる。 一言で言えば、「やさしい世界」。 人間、ひとりでは生きていけないんだということを感じさせられ...

500ページ弱をかけて紡がれる、姉妹の40年。 1章につき10年ずつ時が進み、冒頭では18歳と8歳の姉妹は、エピローグでは58歳と48歳になっており、その人生がじっくり丁寧に描かれる。 一言で言えば、「やさしい世界」。 人間、ひとりでは生きていけないんだということを感じさせられる。 良い登場人物が多く、世の中捨てたもんじゃないのかもしれないとも思わせてくれる。 不思議な鳥のネネは、姉妹たち登場人物が物語の歯車なのだとしたら、その中心軸に位置するような存在であり、だからこそのタイトリングなのかもしれない。 ”誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ” ”自分はおそらく、これまでに出会ったあらゆる人々の良心で出来上がっている” 帯にもなっているが、これらの一文にはとても心を動かされた。 物語全体として、この2つの文章の意味を解説しているかのようだった。 決して大感動作品というわけでもないが、姉妹とそれを取り巻く人々の人生を俯瞰したような気持ちになり、読了後は深い満足感に包まれた。

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2024/10/13

鳥は恐竜の子孫だけあって、賢い種もいると改めて感じた。人への親切の好循環が読んでいて心が和む。自分に何かできないか考えさせられました。美味しい蕎麦、食べたいなあ。

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2024/10/12

本屋大賞は逃したが、私はこちらの本の方もずっと大切に読み継がれてほしいと思った。帯にあった、「誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ。」という引用が、この本の真髄を表している。ネネという鳥の周囲で、家族ではない人達が、親切によっていたわりあい、つながっている様子が淡く優...

本屋大賞は逃したが、私はこちらの本の方もずっと大切に読み継がれてほしいと思った。帯にあった、「誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ。」という引用が、この本の真髄を表している。ネネという鳥の周囲で、家族ではない人達が、親切によっていたわりあい、つながっている様子が淡く優しく描かれている。不幸せな状況もお涙頂戴で描かれる訳ではなく、淡々としているが温かい。男女が安易に恋愛関係になったり、異性愛の恋愛が標準として描かれることもなく、さまざまな形の人と人とのつながりがあるのも良かった。東日本大震災やコロナ禍の現代をも描き、現在進行形の大河。面白かった。

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2024/10/10

18歳と8歳の姉妹が辿り着いた先で出会ったヨウムのネネと、静かに過ぎる40年の日々。周囲に助けられ、自然に優しい大人になっていった二人のことはネネの愛らしさと共に大切に憶えておきたい。

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2024/10/10

津村記久子さん初読み。 暑苦しい心情描写がないせいか、文章がすんなり頭の中に入ってきて、とても読み心地が良かった。 表紙の絵も素敵で、四季折々の中に姉妹とネネのシーンがあちこちに見られて、中の挿絵と共に視覚でも楽しませてくれる。 ヨウムって初めて知ったので、調べてみると、グレー...

津村記久子さん初読み。 暑苦しい心情描写がないせいか、文章がすんなり頭の中に入ってきて、とても読み心地が良かった。 表紙の絵も素敵で、四季折々の中に姉妹とネネのシーンがあちこちに見られて、中の挿絵と共に視覚でも楽しませてくれる。 ヨウムって初めて知ったので、調べてみると、グレーのボディーと尻尾のところが赤い鳥の画像が出てきて、本当にネネっているんだと嬉しくなる。 ネネは、言葉をあっという間に覚えて、声もそっくりにモノマネでき、人と会話もできて気遣いもできる、鳥とは思えない頭の良さだ。 『りっちゃん!』『りすぁちゃん!』と名前を呼んでくれて、『元気?』なんて言ってくれるから、元気のない時は泣きそうになっちゃうだろうなあ。 賢くて可愛くて、この長い長い物語を楽しく彩ってくれるまさに主人公だ。 物語は1981年から10年ごとに2021年まで語られ、小学2年生だった律は、最後は48歳ということになる。 そんな長い間にたくさんの人と出逢い別れ、東北の大地震があったり、コロナウイルス感染症の流行があったり、読む人も一緒に生きてきたような感覚になる。 水車小屋を取り巻く人々があったかくて素敵で、とても居心地がいい。 親の愛を満足に受けられず、母親の恋人に酷い目に遭わされたにもかかわらず、姉妹が強く生きてこられたのは、周りの人の助けがあったからで、律は自分も誰かの助けになりたいと考える。 たくさん人からいただいた人は、その分たくさん人に与えることができるのかもしれない。 私も無力な存在だが、誰かの役に立てるのかもしれない。 役に立つなんておこがましいけど、少しでも力になれたら誰かを作る一部になれるのかもしれない。 本って、本当に素敵なことを教えてくれる。 うちの猫もニャーとしか言わないけれど、ニャーという言葉で、『○○ちゃーん!』『元気?』『音楽聴きたーい』『美味しいもの食べたーい』『さみしいよー』って、本人は言ってるのかもしれない。 言葉が話せるか話せないかの違いで、ネネはみんなの近くにいるのかもしれないなと思う。 ネネに出会えて良かった。

Posted byブクログ

2024/10/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

二人姉妹の理佐と律と1匹のヨウムのネネの長い長い人生を一緒に送っていくような体験をする作品だった。自分が子供の時に手を差し伸べてくれた大人の優しさに感謝をして、またその子供たちが次の世代にまた優しさで手を差し伸ばし、この辛く、厳しい世界の中で私たちに心を思い出させてくれ、希望に満ち溢れた話だった。世の中には悪意のある人間もいるが、そのような人だけではなく、無償の優しさで手を差し伸べてくれる人がいるように、自分もまたそのようなことができる人になれると思えた。この作品は非常に日常が描かれているシーンが多く、長くて、すごい山場があるような作品ではないのだが、そのおかげで人々の生活に感情移入することができ、自分も登場人物たちの人生に参加しているような気分になり、最後まで一緒に喜んだり悲しんだりすることができた。最後ネネと一緒に水車で挽いたそばをみんなで食べるシーンは非常に心があったまった。人生は長い!誰かのために親切することがあってもいいのではないかと思う。

Posted byブクログ