エリザベス女王の事件簿 バッキンガム宮殿の三匹の犬 の商品レビュー
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絵画紛失と脅迫の手紙、家政婦の死去、これらが思わぬところで繋がっていくのが面白かった。 第一弾に引き続き仕事ができて頼り甲斐のあるロージーと、賢く愛らしくチャーミングなエリザベス女王の姿があって、思わず顔が綻びる。 でも事件に絡んでくるのはレイシズムやミソジニズム。ありそうだと思えてしまうあたり、差別と偏見は容易には消えてなくならないのだと痛感する。 女王が謎を解くことだけに執心せず、死者を心から弔うところが良い。でも、丸く収めるために黙ってしまうところはモヤモヤが残った。褒めること、信頼を伝えることで、未だ偏見の残る男性たちが自分たちを有能だと思い込んでしまうところも。そもそも最初、女王に隠していたことは問題にされないのだろうか。 そういう細かいところは気になるけれど、女王の立場を考えれば、事態の収拾が第一なのかもしれない。このあたりの王族の葛藤のようなものを複雑な思いで読んだ。国民を分け隔てなく愛し、国民からも愛されるという関係を維持するには、並々ならぬ努力と自制が必要なのだろうと推察した。 ラストはまたも心温まるストーリーになっていて、こういう人間味を感じさせる点がこのシリーズの魅力だと思った。
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エリザベス女王が王室内で起こった事件を解決する物語です。もちろんフィクションですが、登場人物がリアルで、現実に起こった事のように錯覚してしまいました。何百点もある美術品の中から女王はなぜその絵画にこだわるのか…素敵でした。
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ミステリーものとしては確かにもうちょっと複雑でもいい気がするけど、女王がこんな風に会話するのあり得るのかも、とリアルとフィクションを同時に楽しめたのがとても面白かった。イギリス王室歴史好きとしては読んで損はない作品。
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前にYoutuberあべしぃさんで紹介されていたので、 図書館で借りました。 バッキンガム宮殿で発生した殺人事件をエリザベス女王が解決していきます。 ブレグジットの決定やトランプ氏の大統領選当選などが起こった年であるため、作中、あちらこちらに、揺らぐ民主主義への不安や人々の分断へ...
前にYoutuberあべしぃさんで紹介されていたので、 図書館で借りました。 バッキンガム宮殿で発生した殺人事件をエリザベス女王が解決していきます。 ブレグジットの決定やトランプ氏の大統領選当選などが起こった年であるため、作中、あちらこちらに、揺らぐ民主主義への不安や人々の分断への言及がされていて、あの時のショックを思い出しました。 女王のお気に入りの絵画に関するエピソードが最後に明かされ、ほっこりした気持ちで読了できました 。
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何故に"三匹の犬"かと思ったら、"女王がいつになく難しい事件に直面した場合は、三匹の愛犬を連れてバッキンガム宮殿の庭園を散歩しながら考えなくてはならない"だそうで。 2016年「ブレグジット国民投票」に直面している頃。 ヒラリー・クリントン...
何故に"三匹の犬"かと思ったら、"女王がいつになく難しい事件に直面した場合は、三匹の愛犬を連れてバッキンガム宮殿の庭園を散歩しながら考えなくてはならない"だそうで。 2016年「ブレグジット国民投票」に直面している頃。 ヒラリー・クリントン、トランプ等々、今回も現実の名前がいろいろと。
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女王陛下と秘書官補、またまた謎解き。 女王の信頼厚いハウスキーパーが変死した。周囲からは煙たがられていた彼女は数々の嫌がらせを受けていた。しかし嫌がらせを受けていたのは彼女だけではなかった。ブレグジットに揺れ、アメリカ大統領選挙に気を取られ、世界の変化を感じる女王陛下は自分の所有物である絵が思いも寄らないところにあった謎を解くためにロージーに依頼をしていた。すべてが繋がったときに見えてきたものは——。 前巻もそうだが、女性の戦いを描いた小説だと言ってもいい。女性だから、と扱われること。たとえ君主が女性の国でも、あまく見られたり不名誉な言葉で表現されたりはするのだ。それを女性同士の連帯でしなやかに乗り越えていこうとする姿が描かれているのが気持ちのよいところでもある。 女王陛下がなぜ美術的価値がそれほどない船の絵に執着したのかがわかるラストシーンがとてもチャーミング。そしてあらためてフィリップ殿下の逝去は女王陛下にとって大変なことだったのだとしみじみ思う。現実の女王陛下はおそらくフィリップ殿下と同じところに行ってしまったけれど、願わくばまだこのシリーズを読みたいと思った。
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訳のせいなのか、読みにくくなかなか進まなかった。バッキンガム宮殿のプールサイドで発見されたハウスキーパーの遺体と、駄作と呼ばれていたが女王にとってはとても大事な絵が海軍保有となっていたこと。まるでホントにエリザベス女王が推理をしているみたいだった。日本では皇室の人物を小説に!なん...
訳のせいなのか、読みにくくなかなか進まなかった。バッキンガム宮殿のプールサイドで発見されたハウスキーパーの遺体と、駄作と呼ばれていたが女王にとってはとても大事な絵が海軍保有となっていたこと。まるでホントにエリザベス女王が推理をしているみたいだった。日本では皇室の人物を小説に!なんて絶対無理だろう。失言王フィリップ殿下のジョークがいいスパイスだった。
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「エリザベス女王の事件簿」シリーズの2作目(1作目はこちら→「ウィンザー城の殺人」)。 先ごろ亡くなった英国のエリザベス2世が、実は陰の名探偵であったという架空の設定に基づくミステリ・シリーズ。前作ではウィンザー城が舞台、本作はバッキンガム宮殿である(3作目は邦訳未刊行だが、サン...
「エリザベス女王の事件簿」シリーズの2作目(1作目はこちら→「ウィンザー城の殺人」)。 先ごろ亡くなった英国のエリザベス2世が、実は陰の名探偵であったという架空の設定に基づくミステリ・シリーズ。前作ではウィンザー城が舞台、本作はバッキンガム宮殿である(3作目は邦訳未刊行だが、サンドリンガム・ハウス)。舞台となる場所が1作ごとに変わるという趣向である。 大規模修理が必要でてんやわんやのバッキンガム宮殿のプールサイドで、有能だが嫌われ者の王室家政婦(ハウスキーパー)が遺体で発見される。 死因は足首からの大量出血。その場に残されたウイスキーグラスを片付けようとして、誤って破片で動脈を傷付け出血死した、つまり事故死と当初は見なされた。だが、本当に事故死だろうか。 一方、女王には、お気に入りの絵が1つあった。傑作とは言えない、いや、むしろ駄作であるものの、大切な思い出のこもった絵だったのだ。それがいつからか行方知れずになっていた。ところが偶然、その絵が海軍所有になっていることがわかる。いったいなぜ? 女王は秘書官補のロージーに、絵を取り戻すこと、そしてなぜ海軍に所有が移ったのかを調べることを命じる。 この2つの一見、関わりがなさそうな事件が、実は深いところで絡み合っていることが徐々にわかってくる。 女王が探偵として活動する際に、隠れた手足となって働くロージーに今回も指令が下る。そんな彼女の元に、不快な怪文書が何通か届く。どうやら死んだハウスキーパーも嫌がらせを受けていたらしい。果たしてこれも事件に関係があるのか。 表題の「三匹の犬」は、著者あとがきによれば、古典力学の「三体問題」とシャーロック・ホームズの「パイプ三本分の問題」から来ているという。どちらかというと後者の方がより当てはまる。難題を解くときに、ホームズはいつもパイプを3本連続で吸って考える。それをもじって、犬好きのエリザベス女王が犬三匹を連れて散歩しながら考えた、というわけ。女王の犬が事件に巻き込まれて酷い目に遭うわけではないので、犬好きの方も安心してよい(ただ、高齢で亡くなる犬は登場する。これは実際、女王の犬が亡くなった時期を舞台にしているため)。 本作の売りは、かっちりと調べられた舞台背景に、架空の事件を配していること。女王や王配、各国首脳などは実在の人物で、トランプ大統領が誕生したアメリカ大統領選や、イギリスのEU離脱(ブレグジット)など、実際の出来事も出てくる。その最中に、もしもバッキンガム宮殿で事件が起きていたら、そしてエリザベス女王が探偵さながらの洞察力で事件の捜査にあたっていたら、という「if」を楽しむシリーズである。 犯人=黒幕に関しては、割と早い段階で予想はつく読者が多いのではないか。事件の全容はあまり後味のよいものではないのだが、女王がなぜ駄作の絵に愛着があったかを示す最後のエピソードが効いていて、読後感は悪くない。 英王室研究者によるあとがきも舞台背景を補って秀逸。
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フィクションとはいえ、女王の賢明さ、チャーミングさがたまらなく魅力的。エジンバラ公も面白くて好きだわ。
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シリーズ2作目。 ミステリーともしても、イギリス王室史としても楽しめて2倍嬉しい。 トランプ大統領など、時事ネタもあるのにいやらしくなく物語に上品さと深みがでるのは、主役が女王陛下だからなのか。 そして女王陛下がブリタニア号の絵に固執した理由がラストにわかり、とても素敵だった。
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