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魂魄の道 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2025/02/11

やや拍子抜けしてしまった。 目取真俊は、三柴ゆよし(作家:蛙坂 須美〈あさか すみ〉)さんのツイートで知り、第三短篇集『面影と連れて』を読んで以来、大好きな作家だ。 これまでに読んで来た作品は、歴史的に沖縄がおかれてきた理不尽な状況に対する叩きつけるような激しい怒りをこめたメッ...

やや拍子抜けしてしまった。 目取真俊は、三柴ゆよし(作家:蛙坂 須美〈あさか すみ〉)さんのツイートで知り、第三短篇集『面影と連れて』を読んで以来、大好きな作家だ。 これまでに読んで来た作品は、歴史的に沖縄がおかれてきた理不尽な状況に対する叩きつけるような激しい怒りをこめたメッセージや、そうした状況を見事に形象化したイメージを、読んだ者の胸に深く刻印して来た。/ だが、この短篇集の作品には、それらはなかったような気がする。 もちろん、激しい怒りは無いはずはなく、それらを形象化しようとするイメージもあるにはあるのだが、いずれも胸を突き上げて来るようなインパクトには欠けていたように思う。/ 「魂魄の道」にも、「神うなぎ」、「闘魚」にも、ある物事が過去の記憶を蘇らせるシーンが描かれているが、それらは、これまで僕の胸に強いインパクトを与え続けて来た目取真の諸作品とは異なり、やや類型的にさえ感じられた。 それは、これまであまりにも彼の素晴らしい作品に触れ続けて来たために、僕の期待値が上がり過ぎてしまったためなのかも知れないが、次回作に期待したい。/ 残念ながら、どうしても引用したいと思わせるような文章はなかった。

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2024/12/13

小説という形式を取っているとは言え、実際にはこれらの小説をはるかに超える凄絶な現実があったであろうことは想像に難くない。 特に「神ウナギ」と「闘魚」が印象的であった。

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2023/09/06

沖縄戦について知っているか?と問われても全く何も知らないといってもいい。 書物にしても読んだことはないので、この小説がどこまで沖縄戦中に起こった出来事を擬えて書いているのか、そうじゃないのかはわからない。 だが何とも言えない苦悩が、人生を終えるときまで続くのだということが伝わって...

沖縄戦について知っているか?と問われても全く何も知らないといってもいい。 書物にしても読んだことはないので、この小説がどこまで沖縄戦中に起こった出来事を擬えて書いているのか、そうじゃないのかはわからない。 だが何とも言えない苦悩が、人生を終えるときまで続くのだということが伝わってきた。 その地で生きていた者たちに否応なしに降りかかった悲劇である。 その犠牲になった人たちの多くの無情を思うと言葉も出ない。 ・「魂魄の道」 ・「露」 ・「神ウナギ」 ・「闘魚」 ・「斥候」 短編5話のどれも心が痛くなる内容だ。 特に「神ウナギ」は、父を殺された息子の苦悩の姿が耐えられなかった。相手が日本兵であるから余計にそう思うのかもしれない。

Posted byブクログ

2023/08/09

はじめて読む作家さん。 読み終わって、人間のあまりの愚かさに、汚さにショックを受け、あらゆる生き物の創造主が、勝手に進化していった人間たちを憐れみと怒りを携え、どこかから見ている気がした。 この本は、今まで読んだ戦争関連の本の中で一番心に響いた。人間でいるのが余計に嫌になるほど...

はじめて読む作家さん。 読み終わって、人間のあまりの愚かさに、汚さにショックを受け、あらゆる生き物の創造主が、勝手に進化していった人間たちを憐れみと怒りを携え、どこかから見ている気がした。 この本は、今まで読んだ戦争関連の本の中で一番心に響いた。人間でいるのが余計に嫌になるほどに。 どこまでが実話に基づいているのか、それともすべてフィクションなのかわからないので、全て真に受けていいのかわからない。けれど、戦争によって沖縄の人々がその時に受けた辛さ、そして終戦した後もずっと少しも癒えることなく苦しめられる心の傷が想像していた以上に重く、そして、読後に想像出来たその重さよりも実際はもっと重く、片時も拭えないものなんだと途方に暮れた。 (この手にもう一度力が戻るなら、ゴボウ剣で別の胸を刺してやるのに。そう思った。思うだけで何もできない自分が歯がゆいかった。)「魂魄の道」より 別の胸って誰だろう?戦争を知らない私ごときでもすぐに浮かぶのは象徴的な一人だけれど。戦争を起こした側の一握りの人たちがどうして生きることを許され、まだ特別な地位についているのか私は子供の頃からずっと疑問に思っていた。でも、誰かに聞くのも何だか怖くて、学校の平和授業でも触れられなくて、ずっとそのままだった。 先日、ある記事を読んだ。戦争を起こすのはごく少数の人達だ。その人たちにもっと怒りをぶつけないといけない、と書いてあった。それがちゃんと成し得ていないまま、また、しづらい雰囲気のまま今まで来ているということは、まだ思想統制が蔓延っているという証拠だろう。 個人的には、環境破壊などが起こす地球破滅が間近に迫っているのに、戦争なんて言ってられないだろうと思ってるのに、実際に戦争している所がある。全く不可解だけど、それほど、戦争をしたがる人が一握りいて、戦争をしたくない人が大多数であろう事実がそれを止められない現状があるということだ。非力でも、個人レベルで学んで戦争についてより知り、思想統制など全く受け付けない強固な思想を持つことをするしかないのか。

Posted byブクログ