たかが殺人じゃないか の商品レビュー
辻真先にしか書けない作品。昭和24年の名古屋の文化、風俗が暗部も含めて描かれていてそれが物語の重要な手掛かりになる。さすが辻御大。面白かった。
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戦後という“ぐちゃぐちゃな時代”の空気が、 とにかくリアルだと感じた。 価値観が揺れたまま進んでいく、 あの時代の不安定さがそのまま伝わってくるよ。 小学生のとき読んだ ポプラ社の江戸川乱歩「少年探偵団」シリーズ 思い出した。 あの頃に感じた「物語の中の現実」が、 少し重なった...
戦後という“ぐちゃぐちゃな時代”の空気が、 とにかくリアルだと感じた。 価値観が揺れたまま進んでいく、 あの時代の不安定さがそのまま伝わってくるよ。 小学生のとき読んだ ポプラ社の江戸川乱歩「少年探偵団」シリーズ 思い出した。 あの頃に感じた「物語の中の現実」が、 少し重なった気がするかも。 あの時代だからこそ、「たかが殺人じゃないか」。 辻真先先生にしか書けない一冊だと思う。 あと、作品とは関係ないけど、 先生のXのポストも好きだ。 今期アニメの感想を普通に語っている90代、 かなりかっこいいでしょ。
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御年90を越える辻真先先生の傑作。 作者だからこそ、書けるリアルの昭和24年の物語。 語り部である風早勝利は17歳だが、辻真先先生も当時は17歳であると読後に調べ、合点がいきました。 令和から振り返れば戦後すぐの動乱の世の中ですが、その時代を生きていた若者にとってはその瞬間...
御年90を越える辻真先先生の傑作。 作者だからこそ、書けるリアルの昭和24年の物語。 語り部である風早勝利は17歳だが、辻真先先生も当時は17歳であると読後に調べ、合点がいきました。 令和から振り返れば戦後すぐの動乱の世の中ですが、その時代を生きていた若者にとってはその瞬間こそが、生きる「イマ」であり、青春だったんだと、納得させられます。 暗く重い時代背景と軽妙と読みやすい文体、魅力的なキャラクター達、そして何よりもミステリとしての完成度の高さ。 最後の1行まで味わい深く読むことができました。
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辻真先が当時88歳の史上最高齢で「このミス」「文春」「本格ミステリ」の3冠を受賞した傑作。 とにかく「昭和24年」という時代の描写が素晴らしい。私たちが思い浮かべる昭和20年代の映像は、8月15日に玉音放送を聞く人々、闇市の風景、黒く塗られた教科書を拡げる小学生などといった辺りか...
辻真先が当時88歳の史上最高齢で「このミス」「文春」「本格ミステリ」の3冠を受賞した傑作。 とにかく「昭和24年」という時代の描写が素晴らしい。私たちが思い浮かべる昭和20年代の映像は、8月15日に玉音放送を聞く人々、闇市の風景、黒く塗られた教科書を拡げる小学生などといった辺りか。その程度の認識なので昭和20年も23年も26年も全部同じく「昭和20年代」としてのイメージしかないが、その時代に生きた人々にとっては昭和24年は23年とも25年とも全く違う年なのだ。戦後の学制改革に伴い昭和23年に新制高等学校(3年制)が発足し、その時に旧制中学5年生の主人公・風早勝利は翌昭和24年に新制高校の3年制として編入される。いきなり男女共学となって戸惑う高校生たちや封建制度の思想のまま頭の中身は変わっていない大人たちの混乱がよく描かれている。まだ進駐軍が占領している名古屋での繁華街や色街の様子、当時の食糧事情などの生活風景、流行の映画やスタアの話など、実に生き生きと昭和24年という時代が描かれている。実際にその時代を生きた著者(辻真先)だからこそ描ける、教科書には載らない当時の空気感(匂い、流行、人々の本音)が物語に圧倒的な奥行きを与えている。 タイトルの「たかが殺人」というワードに、戦後の傷がまだ癒えていないが日に日に復興していく当時の日本の複雑で歪んだ感情が表現されているように感じた。これは辻真先にしか書けない傑作だろう。
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戦後すぐ、世の中の価値観が正反対になった時代に大人の子供の中間あたりの若者が力強く生きる様子は面白い。だけれどこれに猟奇殺人が加わると、興味の対象がズレてしまって読みにくかった。ごちゃまぜ感がありました。
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ミステリーランキングを圧巻した作品です! 前作【深夜の博覧会】からの登場人物もいるのでシリーズ順に読む事を強くオススメします! 内容もさることながら、タイトルの意味が分かった時の刺さりようはトップクラスでした!
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1949年の戦後間もない名古屋を舞台にした高校生達のお話。 推理小説研究会の部長である勝利は、 映画研究会との合同旅行で湯谷温泉へと向かうことに。 そしてそこで遭遇してしまう、密室殺人事件。 この事件を筆頭に、夏休み最終日、 キティ台風が襲来する夜に起こる首切り殺人事件。 この二...
1949年の戦後間もない名古屋を舞台にした高校生達のお話。 推理小説研究会の部長である勝利は、 映画研究会との合同旅行で湯谷温泉へと向かうことに。 そしてそこで遭遇してしまう、密室殺人事件。 この事件を筆頭に、夏休み最終日、 キティ台風が襲来する夜に起こる首切り殺人事件。 この二つの不可解な事件に巻き込まれた勝利たちは、真相を追うことになる。 学制改革による旧制中学卒業後の特別な1年間の高校生活を描いていて、 男女共学が始まったばかりということもあって、学生達の戸惑いが新鮮だった。 こういった時代背景を下地にしながらも、 とても大昔の出来事とは思えない、現代に通じる人間描写の数々。 『たかが殺人じゃないか』というタイトルの回収もお見事だった。 全てに緻密な細工が施されていて、読み応え十分な傑作。
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タイトルの「たかが殺人」の意味が昭和24年という時代とオーバーラップしていることに気づいたとき、初めてこの作品の面白さが伝わってきた。参考文献の多さが、戦後間もない頃の殺人事件を巧妙にまとめあげた熱意を物語っている。
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昭和の雰囲気を味わえる小説。ただ少し読みにくさはある。時代背景を伺うのが大変で事件に集中しにくかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
評判良かったので、楽しみにしてたけど、少し期待より低かったかな。 ポイントは ・ヒロインの魅力と裏の顔、戦後の教育背景など、青春小説としては面白い。 ・ミステリとしての、密室トリック・時間アリバイトリックはやはり物足りない。犯人も動機もある程度は読めてしまう。 ・最後のシーンは、オッとなり綺麗に終らせてるね。終わりよければ全てよし。
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