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日本語の発音はどう変わってきたか の商品レビュー

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18件のお客様レビュー

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2023/07/08
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とても楽しく読めた。以下の例文だけでも惹かれる。 銀行員の行雄は修行のため諸国行脚を行った。 こう、ゆき、ぎょう、あん、おこな、こんな複雑なことをする言語は他にあるのだろうか?中国の時の王朝の文化的な影響を強く受けながら、自国文化も築き上げてきた日本の独自性はとても興味深い。 しかも藤原定家と本居宣長の貢献がとても大きい。2人は天才的な素養はもちろんあったのだろうが、前者は和歌の詠み方を、後者は古代の音声を取り戻そうという執念が伝わってくる。 日本語は大切にしたい、と同時に変えていくことにも寛容でありたいと感じた一冊。 おまけ。奈良時代の「はひふへほ」は「ぱぴぷぺぽ」とのこと。むかし西川のりおと桂文珍がCMで話していた、「ちゃっぷいちゃっぷい、どんとぽっち」が昔の正しい日本語だなんて、目から鱗。

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2023/06/06

高校生時代、日本語の発音が現代と異なる事だけは授業で聴いたが、それきりだった。p→f→hというハ行発音の変化や、五十音表にない『ゐ』『ゑ』が消えた経緯を知れて良かった。本居宣長の仕事が発音記号もなかった江戸時代に於いて刮目する偉業であると改めて認識できた。

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2023/06/02

なんとなく言語学と呼ばれるだろう分野に興味があったが、これはその興味のど真ん中ドンピシャにささる本だった。少々難解な箇所はあったが、それを上回る知的興奮を覚え、一気に読み終えた。

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2023/04/17

「てふてふ」、「ふじ」と「ふぢ」など。仮名遣いと発音の関連性。羽柴秀吉はファシバフィデヨシと発音していた等日本語の発音の変遷を辿る。 万葉集の漢字の使い方であったり宣教師の辞書のポルトガル語表記の日本語などから当時の発音や母音子音の変遷を探る。音声を聞けなくても復元していく試み...

「てふてふ」、「ふじ」と「ふぢ」など。仮名遣いと発音の関連性。羽柴秀吉はファシバフィデヨシと発音していた等日本語の発音の変遷を辿る。 万葉集の漢字の使い方であったり宣教師の辞書のポルトガル語表記の日本語などから当時の発音や母音子音の変遷を探る。音声を聞けなくても復元していく試みは凄い。近年に限った研究ではなく江戸時代に本居宣長なども研究している。 また方言に過去の発音が残っている例も面白い。

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2023/04/02

筆者の研究に対して「録音機も無い時代の発音がなぜわかるのか?」と言われるそうだが、そんな素朴な疑問から入る日本語音声学の本。奈良時代に八つあった母音が語の長大化にともなって不要になり五つになったとか、なにげなく使っている「は」、「へ」、「を」という「変な」仮名の用法は、文節の境界...

筆者の研究に対して「録音機も無い時代の発音がなぜわかるのか?」と言われるそうだが、そんな素朴な疑問から入る日本語音声学の本。奈良時代に八つあった母音が語の長大化にともなって不要になり五つになったとか、なにげなく使っている「は」、「へ」、「を」という「変な」仮名の用法は、文節の境界を示すことで文理解の速度をあげる、とか納得する記述も多い。純粋な知的探求を楽しめる。

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2023/03/28

発音や発声のメカニカルなところは今ひとつ理解できなかったけど、日本語をどう表記するのが理解しやすく読みやすいのか、上代から連綿と工夫してきたんだね。 「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」。この4音もかつては使い分けていたし、聞き取ることができていた。母音だってかつて日本語は8音だったと...

発音や発声のメカニカルなところは今ひとつ理解できなかったけど、日本語をどう表記するのが理解しやすく読みやすいのか、上代から連綿と工夫してきたんだね。 「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」。この4音もかつては使い分けていたし、聞き取ることができていた。母音だってかつて日本語は8音だったという。円を「yen」と表記するのは、外国の方にはそう聞こえるから。失われた日本語の母音の一つだね。

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2023/03/26
  • ネタバレ

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 「国語」学の教科書のような新書。  良い意味で、とても懐かしい一冊だった。  今の大学生は、こういう手堅い入門書を楽しく読めるのだろうか。

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2023/02/16

奈良時代には母音が8つあった?「じ」と「ぢ」はなぜ同じ音なのか?漢字の音読みが幾通りもあるのはなぜ?千三百年に及ぶ変遷を解説

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