魔女と過ごした七日間 の商品レビュー
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東野圭吾さんの新刊は、『ラプラスの魔女』シリーズ最新作にして、100作目の著作だそうである。ちなみに、シリーズ第1作に当たる『ラプラスの魔女』は、作家デビュー30周年記念作品であった。帯の煽りが気になるが、早速読み始める。 時代は近未来か。AIによる監視システムが強化された日本で、見当たり捜査のプロだった元刑事の月沢克司が殺された。AIに仕事を奪われた克司は、異動を受け入れず警察を退職。警備会社に転職後も、何かを追っていたようだったが…。 突然父を失った中学生の陸真だが、悲しみに浸る間もなく、偶然出会った「魔女」に導かれ、同級生の純也も加わって事件の真相究明に乗り出す。序盤の展開の早さに、少々突っ込みたくなるが、1人で自宅にいるよりいいのかもしれない。 「魔女」はある特異な能力の持ち主だが、『ラプラスの魔女』を読んでいないとピンとこないだろう。一民間人である「魔女」が克司の殺害現場を突き止められた理由を、警察に説明しても信じてもらえない。適当にはぐらかす「魔女」たち。 克司の荷物から発見されたヤバいものが、事態を大きく動かす。「魔女」はどんどん危ない橋を渡っていくが、おいおい、中学生の陸真にこんなことをさせるか…。純也には務まらない役目ではあるけどさ。前作ではこんなに猪突猛進だったっけ? 3人の動向を気にしていた刑事の脇坂も、扱いに困るよなあ。脇坂が組織のはみ出し者タイプでなければ、3人とも即刻拘束されていた。「魔女」に警察に任せるという発想はなさそうだ。何しろ協力者の素性が…。陸真は信じてついていくしかない。 実は、本作の重要なキーワードは、AIだけではない。背景にある、警察組織の闇とは。正直、今現在行われていたとしても驚かないが、最終決戦は今回も呆気なかったかなあ。これも「魔女」の計算のうちなのかどうか、自分にはわかりません。 すべてが解決した後、「魔女」と会うこともなくなった陸真。現実の日本と同様、作中の日本も「魔女」には窮屈なのだろう。「魔女」の再登場はあるか。願わくは、彼女もエクスチェッドも、平穏に暮らせる世の中であってほしいものだ。
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犯人が誰だろうと一気に読んでしまった引き込まれ感はさすがだった。 本のページ数的に佳境なのに先が読めず楽しんで最後まで読めた。 ただ、犯人を突き止める前に犯人の方から登場してしまう展開だったのが少し残念だったのでこの評価とした。 魔女については詳しく語られなかったため前作を読んでからの方が楽しめると思う。
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いつも通りとても読みやすい ギフテッドの円華はなんでもできてしまうので、どんどんと無理矢理な設定も可能となってしまう 国民全員のDNAがいつの間にか採取され、マイナンバーカードで顔認証もされ、国から支配されつつある現状は行われているのだろうと思う ちょっと魔女がいない長編小説を次回は読みたい
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ストーリーも明快で、面白かったです。 国家権力が暴走すれば、こんなこともあり得るのかな?と。それでも日本は法治国家ですから、そこはね。 中学生二人も素朴な感じで、好感持てました。ちょっと昭和な感じ?今どきじゃなくて。 でも、たった一人の肉親を亡くしたのに、あんなに冷静にいられるか...
ストーリーも明快で、面白かったです。 国家権力が暴走すれば、こんなこともあり得るのかな?と。それでも日本は法治国家ですから、そこはね。 中学生二人も素朴な感じで、好感持てました。ちょっと昭和な感じ?今どきじゃなくて。 でも、たった一人の肉親を亡くしたのに、あんなに冷静にいられるかな?とちょっと…
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東野圭吾さん、100作目ということで手にした。ラプラスの魔女シリーズは読んだことがなかったが、これを機に読んでみたいなと思える作品だった。 AIやDNA鑑定、情報社会がさらに進んだ近未来を舞台に、情報の扱いや科学技術を盲信することの危うさを指摘しつつ、事件の真相に迫っていく構図...
東野圭吾さん、100作目ということで手にした。ラプラスの魔女シリーズは読んだことがなかったが、これを機に読んでみたいなと思える作品だった。 AIやDNA鑑定、情報社会がさらに進んだ近未来を舞台に、情報の扱いや科学技術を盲信することの危うさを指摘しつつ、事件の真相に迫っていく構図が面白かった。 魔女と自称する円華のキャラクターはもちろん、ふたりの中学生の友情も熱くてよかった。 技術が進歩していくと、人間にできることは小さくて無力に思えてしまうこともあるかもしれない。 主人公が自分には何もできないと悲観している時に、円華が力強く言った「人には無限の可能性がある。君の限界を決めるのは君じゃない」という言葉は、私にも刺さった。 AIにも、情報にも負けない、私が私として生きているということの無限の可能性。大切にしていきたいと思った。
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ラプラスシリーズの3作目。 Nシステム。警察の闇。 私たち日本人は常に警察に監視されていて、何か悪いことをしてもすぐに捕まってしまうシステムになっているのかもしれない。 いい事のように思うけれど、闇と表現されている。 D資料もすごい。例えば、何か健康診断などで血液検査をするが、そ...
ラプラスシリーズの3作目。 Nシステム。警察の闇。 私たち日本人は常に警察に監視されていて、何か悪いことをしてもすぐに捕まってしまうシステムになっているのかもしれない。 いい事のように思うけれど、闇と表現されている。 D資料もすごい。例えば、何か健康診断などで血液検査をするが、そういうDNA情報などが全てどこか警察の情報として保管されていて、捜査に活用されているのかもしれないということ? 許可なく勝手に、警察にDNA情報が採取されている? そういうこと?ありそうで怖い。 中学3年生の月沢陸真くんは、父親を殺した犯人を探すために、羽原円華にたどり着く。 羽原円華は、私の脳内でもう完全に広瀬すずちゃんで、 すずちゃんは、最近「夕暮れに、手をつなぐ」を見ていたので、あの、明るいすずちゃん。 イメージが違うけど、空豆ちゃんが凛々しくなった感じで脳内再生。 中学3年生男子の女装は、最強に可愛いと思う。映画が楽しみ。 DNA情報とかマイナンバーカードとか、国民を管理しようとするツールが、本当にあるのかもしれない。 でも、大事なのは、そんなものに振り回されずに、困難にぶち当たった時には、自分で考え、道を切り開かねばならない。 頼るのはAIなんかじゃない。自分の頭。 だから、もっと勉強をしなければいけない。 陸真くんと純也くんの友情! ラストは爽やか。Tシャツの件でガッツポーズしたくなった。 東野圭吾さんの話は本当にハズレ無しだなぁと思う。めっちゃ面白かった。 主人公ともいえる陸真くんが中学3年生なので、共感できると思う。 中学生に薦めたい本だった。
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多少強引な設定があるように感じたが、面白かった。 物語に引き寄せられ、あっという間に読み終えてしまった。
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シリーズ3作目。「ラプラスの魔女」より後(少なくとも数年後)の、少し未来の物語。 中学三年生の陸真(りくま)は、突然父親を失う。元警察の「見当たり捜査員」であった父の不審な死の謎を追う中で、彼は不思議な女性"羽原円華"と出会う。2人を中心に真相に迫る数日間で、...
シリーズ3作目。「ラプラスの魔女」より後(少なくとも数年後)の、少し未来の物語。 中学三年生の陸真(りくま)は、突然父親を失う。元警察の「見当たり捜査員」であった父の不審な死の謎を追う中で、彼は不思議な女性"羽原円華"と出会う。2人を中心に真相に迫る数日間で、陸真は自分にしかできないことに気づいていく。 少しSF風のミステリ&少年の冒険譚。特に前半はテンポよく、安定の読みやすさです。 今回は円華の魔女っぷりは少なめで、むしろ大人として得た経験と持ち前の強引さで事件解決に挑みます
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3作の中で一番好き。 円華さんのぶっ飛んだ部分がありながら根っこが地面にしっかり根をはっている感じがかっこいい。 そして100作目。かっこいい。 シリーズ4作目も期待してます。
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シリーズ3作目、当然ながら面白かった。初期の頃の作品を思い出させる雰囲気が好ましかったし、100冊目にして改めて東野圭吾作品が好きだと実感しました。
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