頬に哀しみを刻め の商品レビュー
昨年話題を呼んだ犯罪小説。無惨に殺された同性婚夫婦の真相を探るべく被害者双方の父親(黒人と白人)が共同で命懸けの闘いに挑む。人種や性的指向に対する切実なヘイトを含む題材は興味深いものの全てを暴力で決する展開にはかなり違和感を覚えた。大団円のラストも余りにいただけない
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展開が映画みたいだった…冒頭から巻末までテンポ良く進んでる感じがあった。 登場人物みんな…あまり良い人ではないけど、人間味があって私は好きよ……人間だもの。 人間なのに頭から足まで全部善人というのは存在しない。嫌な感情、ドロドロしている感情誰もが持ってるでしょ。 その感情を上手...
展開が映画みたいだった…冒頭から巻末までテンポ良く進んでる感じがあった。 登場人物みんな…あまり良い人ではないけど、人間味があって私は好きよ……人間だもの。 人間なのに頭から足まで全部善人というのは存在しない。嫌な感情、ドロドロしている感情誰もが持ってるでしょ。 その感情を上手くコントロールしているだけ、表に出していないだけ。 小説では、ドロドロしている感情を良い方向に出している所があれば、悪い方向に出している所もあって、「みんな人間だものね、人間みんな失敗するよ」とどこかで俯瞰的に読んでいる自分がいた。
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ザ・ダークサイド・オブ・アメリカって感じ。 ストーリー運びも巧みだし、人物設定もうまい。 ジェンダー、LGBTQ、人種差別問題を添え物程度に入れるのでなく、真相に関わるテーマとして描いてる。 という名作なんだろうけど、暴力シーンが多くて。 若い頃とちがって耐性が減って読むのヘトヘ...
ザ・ダークサイド・オブ・アメリカって感じ。 ストーリー運びも巧みだし、人物設定もうまい。 ジェンダー、LGBTQ、人種差別問題を添え物程度に入れるのでなく、真相に関わるテーマとして描いてる。 という名作なんだろうけど、暴力シーンが多くて。 若い頃とちがって耐性が減って読むのヘトヘト。 以前はエルロイとか大好きだったけど、いま読めるかな〜。
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息子の同性を愛しているとの告白を受け入れる事ができずに仲たがいしてしまった父親。その息子がパートナーと共に惨殺されてしまう。 生きているうちに、息子のありのままを受け入れておけば良かったと後悔する父親の後悔と苦悩。そんな自分に対する怒りが激しい復讐へと駆り立てていく。 人種差別、...
息子の同性を愛しているとの告白を受け入れる事ができずに仲たがいしてしまった父親。その息子がパートナーと共に惨殺されてしまう。 生きているうちに、息子のありのままを受け入れておけば良かったと後悔する父親の後悔と苦悩。そんな自分に対する怒りが激しい復讐へと駆り立てていく。 人種差別、性差別と現代の社会問題を取り上げながら、ベースは普遍的な父の息子への深い愛情である。 一風変わったハードボイルド作品。 それにしてもやり過ぎでしょ?って思うぐらいのバイオレンスシーン、アクションシーンが満載。疾走感がたまらない。アイクがカッコいい。
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「アメリカ」の善悪、美醜、正邪、愛憎 等の全てをぶち込んだような小説。「アメリカ」が書いたような、「アメリカ」だからこそ書けたような、救いようのない分断と…愛の物語。
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以前に読んだ「すべての罪は血を流す」がすごく良かったので、こちらも読んでみることに。 男性カップルが惨殺される。 殺された二人のそれぞれの父(服役歴あり)が 犯人探しのため、バディとなる。 一方は黒人、もう一方は白人。 生前、二人の父親は息子たちがゲイであるという事実を受け入れ...
以前に読んだ「すべての罪は血を流す」がすごく良かったので、こちらも読んでみることに。 男性カップルが惨殺される。 殺された二人のそれぞれの父(服役歴あり)が 犯人探しのため、バディとなる。 一方は黒人、もう一方は白人。 生前、二人の父親は息子たちがゲイであるという事実を受け入れられず、ギクシャクした関係のまま二人を亡くしてしまう。 その後悔を引きずったまま (辿り着く先には絶望しか見えなさそうな) この事件の首謀者を追うのだけど、背後には暴走族、ギャング、さらには大物の影が。 もう全編がバイオレンスの嵐。 人種差別、LGBTQの問題にも真正面からぶつかり、 さらには汚い言葉の応酬もすさまじい。 こういうの耐えられない、と思う方もいるかも。 けれどそれを上回る、愛する人を亡くした哀しみ、 生きているうちにすべきだったことへの後悔などが 切なく胸に迫り、 途中で本を閉じることができなかった。 今回もキャラクターが素晴らしく良くて その姿が、一挙手一投足が目に浮かんでくるようだった。 特にバディ・リー、人間味があって好きだった! 文中で、ある女性が彼のことを “サム・エリオットの劣化版”と表現した時には 笑った。 この女性、他にも名言をいくつも叩き出してた。 どの人物にも細部にわたって現実に存在している感が あり、最後まで楽しめた。 ところで、 このミス、イヤミス、などがあるのは知ってたけど、 この作品のレビューでヒデミスなるものもあることを 知りました。 いろいろあるのね。 わたしはあんまりそういうの参考にはしませんが。 参考にするのははなんと言ってもブクログレビュアーです。
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XのTLで見かけて気になったので読んでみました。 思っていたのと違っていた。笑 ジャンルとしてはハードボイルドになるかと思います。 暴力シーンが苦手な方は厳しい気がします。 (結構な頻度で出てくるからね) ストーリーに目新しさはそんなにないのですが、同性(男)同士の夫婦(カップ...
XのTLで見かけて気になったので読んでみました。 思っていたのと違っていた。笑 ジャンルとしてはハードボイルドになるかと思います。 暴力シーンが苦手な方は厳しい気がします。 (結構な頻度で出てくるからね) ストーリーに目新しさはそんなにないのですが、同性(男)同士の夫婦(カップルって言ったほうがいいのか?表現が困る)が何者かに殺害されたところからストーリーは始まります。 彼らの父親二人が手を組んで復習するべく犯人を捜す、というもの。 被害者がゲイの夫婦、というところが今どきっぽいです。 LGBT、人種差別、親子関係、裏社会と重いテーマが何重にも重なっています。それだけのテーマを扱っているので、結構なページ数になります。 ですが、意外と面白く読めました。(バイオレンスシーンは厳しいですが) なんといっても父親二人の心境の変化が丁寧に書かれているのです。 重めのテーマに対して、薄っぺらい内容だと読めたものではないと思うのです(・・・結局それで終わりかよ、みたいな)が、登場人物の生い立ちもかなり丁寧に書かれてますし、人種差別の表現などもかなりリアルなんじゃないかと察します。何より裏社会をきちんと取材して描いている感じがします。 バイオレンス要素と人物の丁寧な描写が交互に訪れます。それがストーリーに強弱を与えているんですよね。 そんな中で気になる一言がありました。 ”本当の自分を隠すべきだとあなたが思っているそれこそが、ぼくの指摘したかったことなんだ。” ストーリーの核でもあり、これを父親二人がどのように認めていくか、といった本のテーマともなる言葉になります。 表紙を見てもわかるように、かなり重量感あるストーリーです。 本質を追求したい人には向いている作品だと思いました。
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元ギャングで出所後は真っ当な商売で幸せだ家庭を築いていたアイク、そして典型的レッドネックのバディ・リー、この二人がバディを組んで復讐のために大暴れする。アメリカ南部を舞台にしたとても痛快な物語だが、ここにLGBTがかかわってくるのがややこしく、秀逸である。3.8
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めちゃくちゃ面白かった。読ませる、ハードボイルドでかっこいい、セクシュアリティとアメリカのマスキュリニティ(というか同性愛嫌悪)が肌触りをもって描かれてる。 泣いたわ。泣くわこんな。他のも読んでみたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
久々の海外翻訳もの。血と暴力。消せない後悔。映像になりそうなドンパチに、人種差別やLGBTQ差別の話が加わる。ただ翻訳文とバイオレンスハードボイルドに普段から親しんでいないので、結構時間がかかってしまった。
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