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君たちのための自由論 の商品レビュー

3.9

17件のお客様レビュー

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2024/03/21

https://www.chuko.co.jp/laclef/2023/02/150787.html

Posted byブクログ

2024/02/11

自由と平等を取り持つ第三項としての「友愛(博愛)」について、「友愛」の成立に不可欠であるとされる、共同体と個人には深い共通性と繋がりがあるという身体的実感が、宋明理学でいうところの「万物一体」論と相似形ではないかと疑問に思った。

Posted byブクログ

2023/11/30

内田樹の本を読んできて思うのは、また同じこと言ってる、ってことだ。でも何度でも読みたい。社会制度や人としての生き方についての内容が多いが大上段から構えるんじゃなく読んでる人の腑に落ちることを言う。 ”日本人として”ではなく”人として”普通はそう考えるよね、ってことを言う。そういう...

内田樹の本を読んできて思うのは、また同じこと言ってる、ってことだ。でも何度でも読みたい。社会制度や人としての生き方についての内容が多いが大上段から構えるんじゃなく読んでる人の腑に落ちることを言う。 ”日本人として”ではなく”人として”普通はそう考えるよね、ってことを言う。そういう目線で今の日本を眺めるといろんな問題の根っこは「その当事者が利己的に振る舞っている」ことなんじゃないかと思えてくる。 面白かった。

Posted byブクログ

2023/11/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

(内田)感情というものは、誰でも生得的に、同じようなセットを揃えているように思われていますが、違います。感情は学習するものです。学習して、広げ、深めて、多様化するものです。微細な感情を表現して、伝達するためには、語彙も、表情も、声質も、体の使い方も複雑なものにしていく必要がある。でも、そのための教育が特に中等教育では致命的に欠如しているように思えます。  人文学のめざす目標のひとつは、「より複雑な人間になること」ではないかと僕は思っています。ひとつの事象をながめる時に、複数の視点に立つことができる力を養う。複数の文脈のうちに置いて、別の側面を見ることができる「複雑な人」になることを目標に掲げてよいと思います。(p.22) (サコ)老人はすぐ「若い人は躾がなっとらん」と嘆きます。躾というとディシプリン、つまり軍事教練の「規律」のように捉えられがちですが、漢字では「身を美し」と書くんですよね。自分の身体を美しくしていくことが躾であって、それは自由を獲得していくことなのだと私は考えています。というのも「美」を追うということは完成の「感度」を深め、「音域」を拡げること、つまり先に言った意味での「自由」を拡げることだからです。(p.47) (内田)「都市集中シナリオ」を選ぼうとしている人たちは「野生の繁殖力」を過小評価していると思います。人が住まなくなった後に土地がどれほど急速に野生に多い尽くされて、制御不能になるかについて充分な知見を持っているとは思えません。すでに都市近郊でも野生獣による獣害が増えています。文明と野生の緩衝帯であった里山が空洞化したことの結果です。これまでは里山が野生の力を押し戻して、「ここから先は人間の領域だ」と宣言していたのですが、里山が過疎化で瘦せ細ってきて、野生を押し戻す力が弱まっている。都市部に熊や猪が入り込んできて、街中で人的被害が出るということも遠からず起きると僕は予測しています。(pp.88-89) (内田)学校教育で一番大事なことは「歓待する」ということだと思います。教室に入ってきた人たちに対して「ようこそ。あなたの席はここにあります。あなたの存在は固有名において承認されています。あなたはここに座って学ぶ権利があります。私はあなたがここで学ぶことを望んでいます」。そう告げることだと思います。歓待すること、承認すること、祝福すること。教育の本務はそれに尽くされると思います。(p.97) (内田)自由の過剰:自由はとても大切なものです。でも、自由は平等の実現を阻む。自由な社会ほど、社会的平等が遠のく。自由と平等はデモクラシーの基本原理ですが、この基本原理同士がうまく両立しないのです。自由を立てれば平等が立たず、平等を立てれば自由が立たない。そして困ったことに、どう考えても自由のほうが見た目もいいし、勢いがある。(p.132) (サコ)多様性や個性が大事だと口では言いながら、その「個性」という言葉によって人々を不自由にしているのが。日本の教育です。小さなころから気に案ることはなんでも聞けばいいし、大人も対応すればいいんです。大人の側が自信を無くしているから排他的な姿勢になり、若い人を束縛してしまっているのかもしれませんが。(p.168) (サコ)従来の日本人同士の社会契約は、空気だったんですよね。空気を読む。でも空気というのは非常にハイコンテクストです。今後ローコンテクストの人が増えてくると、ダメなものはダメだと言葉で伝える必要が出てくる。一言でいいんです。「夜10時以降は音を出さないでください」と、直接伝えればいい。相手の行動からどんなに意図を読もうとしても、ローコンテクストの人には通じません。これからそうしたコミュニケーションが重要になってくると思います。(p.206) (内田)創造というのは「外からはまるで行きあたりばったりのように見えたのだけれども、ことが終わってから事後的に回顧するとまるで一本の矢が的を射抜くように必然的な行程をたどっていたことがわかる」というプロセスです。だから「ストカスティック」なのです。(pp.217-218)

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2023/11/17

もう少しリラックスして物事を考えませんか?そして世間の事象に問いを投げかけよう。窮屈で定型化された日本社会に生きる人には刺さる部分が多い。 新参者をニワカと揶揄したり、学力という一つのベクトルで評価したり、当たり前に行われている窮屈な物事に問いを投げかけて考え、自分なりの柔和な考...

もう少しリラックスして物事を考えませんか?そして世間の事象に問いを投げかけよう。窮屈で定型化された日本社会に生きる人には刺さる部分が多い。 新参者をニワカと揶揄したり、学力という一つのベクトルで評価したり、当たり前に行われている窮屈な物事に問いを投げかけて考え、自分なりの柔和な考え方を身につけるのは大事だ。

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2023/09/27

日本の若者の不自由さが「間違っている」から自由を教え導くべきだ、という論調。若者は間違っているという前提を一度捨てて考えるべきだと私は思う。若者は間違っていない。むしろ時代に最適化している。若者は正しい。生存のための最も正しい道を歩んでいる。若者を作っているのは学校教育だけでない...

日本の若者の不自由さが「間違っている」から自由を教え導くべきだ、という論調。若者は間違っているという前提を一度捨てて考えるべきだと私は思う。若者は間違っていない。むしろ時代に最適化している。若者は正しい。生存のための最も正しい道を歩んでいる。若者を作っているのは学校教育だけでない。社会全体の要請が学校をそう有らしめているし、若者にそれを選ばせている。そうさせている社会に注目せず若者を変えようとするのは無謀だと思う。

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2023/08/07

急いで図書館に返さなくてはいけなくて、マインドマップを書けなかったけれど、 次に行くときに借りてきて、もう一度読んで内容を理解したい 今の日本の大学は、昔と変わらず、ものすごく窮屈で、「学ぶ」「学び続ける」に向いていないこと 「海外で働いて暮らせ」と言われるが、そうできない...

急いで図書館に返さなくてはいけなくて、マインドマップを書けなかったけれど、 次に行くときに借りてきて、もう一度読んで内容を理解したい 今の日本の大学は、昔と変わらず、ものすごく窮屈で、「学ぶ」「学び続ける」に向いていないこと 「海外で働いて暮らせ」と言われるが、そうできない日本人の方が多い、だから、、とそこが述べられていた

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2023/06/26

バックグラウンドが違う学生同士で研究を進めることは、空気を読むだけではできず、良い「共感と理解」以外で付き合う練習になると思う。

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2023/06/09

内田樹さんとウスビ・サコさんの対談本。 若い人たちに向けた啓蒙指南書。 自由について持論を紹介する。 内田さんの言葉は、読んでいる時は「なるほど」と思うことが多いのだが、読み終わると「何だっけ」と思うことがよくある。 でもこの本の中で、自由の対義語は平等だという話は印象に残った。...

内田樹さんとウスビ・サコさんの対談本。 若い人たちに向けた啓蒙指南書。 自由について持論を紹介する。 内田さんの言葉は、読んでいる時は「なるほど」と思うことが多いのだが、読み終わると「何だっけ」と思うことがよくある。 でもこの本の中で、自由の対義語は平等だという話は印象に残った。自由は競争を生み、強者と弱者が発生する。その時点で平等という概念はない。だから対義語になる。なるほど。

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2023/05/28

この本は、ウスビ・サコ先生と内田先生の対談をベースに構成されている。 異色の経歴を経て学長を務めるサコ先生のグローバルな視点から、自由、人生論や今の日本の教育体制への不満、ひいては日本人への熱烈なバッシング。 対談がベースとなっているため、話が長くなりすぎたり、小難しい話を有...

この本は、ウスビ・サコ先生と内田先生の対談をベースに構成されている。 異色の経歴を経て学長を務めるサコ先生のグローバルな視点から、自由、人生論や今の日本の教育体制への不満、ひいては日本人への熱烈なバッシング。 対談がベースとなっているため、話が長くなりすぎたり、小難しい話を有識者同士で語り合う場面もあった、しかし最終章は主張がとても分かりやすく、読者に目掛けたメッセージがとても熱かった。 日々を漫然と過ごしている僕と同じような学生諸君、必見である。

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