覇王の轍 の商品レビュー
社会派小説第四弾! 今回は鉄道の敷設にまつわる巨悪に立ち向かうキャリア女性警官の話。 骨太の作品で、460頁にも及ぶ長編でありながら、途中からの展開が巧みであり、一気読みさせてしまう。この手の社会派小説の次作を期待する。
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警察庁の女性キャリア、こんなすごい人が…いるんだろうなたぶん。どちらかというと、所轄ノンキャリアが主人公のドラマが多くて、キャリアは悪役だと思っていた。頭の良さでスカッとするかっこいい捜査、官僚としてのスマートな立ち回り。何度も立ち止まり、2度3度読み直しながらも、読み進めること...
警察庁の女性キャリア、こんなすごい人が…いるんだろうなたぶん。どちらかというと、所轄ノンキャリアが主人公のドラマが多くて、キャリアは悪役だと思っていた。頭の良さでスカッとするかっこいい捜査、官僚としてのスマートな立ち回り。何度も立ち止まり、2度3度読み直しながらも、読み進めることが楽しかった。 政治の複雑さ汚さ、頭のいい人たちの謀略、世の中はこんなふうに動いているのか…怒り、かなしみ、無力感。 が、世の中捨てたもんではないかもと思わせてくれる結末に少し安堵。
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北海道警捜査二課長として赴任したキャリア女性警官。 本筋の病院を舞台とした贈収賄事件の裏で、個人的に追うススキノの雑居風俗ビルからの転落事件。 一見無関係は2筋が合流するのはお約束だが、不自然さはない。 「覇王」とは列島改造論の田中角栄がモデルか。 一旦政策に予算がつくと大きな...
北海道警捜査二課長として赴任したキャリア女性警官。 本筋の病院を舞台とした贈収賄事件の裏で、個人的に追うススキノの雑居風俗ビルからの転落事件。 一見無関係は2筋が合流するのはお約束だが、不自然さはない。 「覇王」とは列島改造論の田中角栄がモデルか。 一旦政策に予算がつくと大きな歯車が回りだし、数十年経って状況が変わっても容易に止まることができないという作者らしい指摘。 官邸からの横槍に一旦闇に葬られそうになった解決寸前の事件が土壇場でひっくり返る展開は王道だが、もう一捻りほしい気もする。 有能な若手助手と思われた人物の正体には思わず膝を打つ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
北海道警察、二課長となった樫山順子。赴任してすぐに大きな贈収賄事件の大詰めに出会う。着実に進む捜査の陰で小さな記事、国交省の役人の転落記事に違和感を覚え独自に捜査する中でもう一つの事故死など不審な事態に気付いていく。手に汗握る黒幕とのやり取りなど、絡み合ったひとつひとつの事象が解けていく。最後、うまくいく予感で終わったけれど、ちょっと都合良すぎかなあ。 公安のスパイが意外な人物で私も完全に騙されました。
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「格差社会」「派遣社員の使い捨て」など、 現代の日本社会が抱える闇の部分に焦点を 当てた題材のミステリーを手がける相場氏 の新作です。 今回は公共事業にはびこる癒着です。舞台 は北海道新幹線。 札幌までの工事に関わる国交相技官の死に 疑問を抱いたあるキャリア刑事が、事故死 と...
「格差社会」「派遣社員の使い捨て」など、 現代の日本社会が抱える闇の部分に焦点を 当てた題材のミステリーを手がける相場氏 の新作です。 今回は公共事業にはびこる癒着です。舞台 は北海道新幹線。 札幌までの工事に関わる国交相技官の死に 疑問を抱いたあるキャリア刑事が、事故死 とされていた結論の裏の真実に迫ります。 そこには国家の闇が待ち受けています。 良く耳にする「公共事業は一度決まったら 絶対に止まらない」を目の当たりにする、 一冊です。
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相変わらずの骨太作品。ハラハラしながら読了。そんな終わり方嫌だ、と思った矢先に良い方向にどんでん返し。北海道新幹線というテーマも時流に乗っていて流石。
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久しぶりに出ました★5オススメ小説 最初、若干乗り切れなかったけど、 後半は、もう一気読み 北海道赴任から伏線 ラスボス(?)も、早々に出現し、 相手方の心情も描く しかし、これすら… ネタバレになりそうで書けんわ 練りに練られたプロットに 読後、ため息が漏れる 最...
久しぶりに出ました★5オススメ小説 最初、若干乗り切れなかったけど、 後半は、もう一気読み 北海道赴任から伏線 ラスボス(?)も、早々に出現し、 相手方の心情も描く しかし、これすら… ネタバレになりそうで書けんわ 練りに練られたプロットに 読後、ため息が漏れる 最後の最後まで目が離せない すごい作品であった
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相場英雄の最新作は、女キャリア刑事を主人公に、北海道に赴任した際に、ふとしたきっかけから不審死のことを知り、それを追い詰めていくうちに、収賄事件や利権の闇が絡み合いながらもなんとか真相までたどり着くが、どういう結末を迎えるのか?というスピーディーな展開の物語で、なかなか面白い作品...
相場英雄の最新作は、女キャリア刑事を主人公に、北海道に赴任した際に、ふとしたきっかけから不審死のことを知り、それを追い詰めていくうちに、収賄事件や利権の闇が絡み合いながらもなんとか真相までたどり着くが、どういう結末を迎えるのか?というスピーディーな展開の物語で、なかなか面白い作品でした!
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※このレビューにはネタバレを含みます
樫山、アラフォー独身女キャリア警察官 北海道転勤。警察官僚政治家に期待していると呼び出される。捜査二課課長。贈収賄案件で犯人逮捕直前。伊藤という高卒警官が世話役で毎日送り迎え。 ある技官の事故死の杜撰な捜査に気がつく。 業者からの賄賂を歌舞伎町ホストに貢ぐ女が完黙。1000万円合わない。貢がれたホストの部屋に死んだ技官の写真。二人の共通点は旭川のサッカーチーム。監督はその1カ月前に不審死。急性心筋梗塞の診断書が捏造疑い 樫山が現場で調査。事故隠蔽が発覚。新幹線工事の工期短縮で安全性が無視されていた 監督の葬式に口止めで国交相の天下りが絡んでいる。技官の事故も殺人再捜査。検察も前向き。樫山が警察官僚政治家から呼び出されると隠蔽を言い渡された。一緒にいた伊藤は自分を監視する公安、警察官僚の部下。全て筒抜け。隠蔽工作に加担しなければ懲戒解雇。先輩キャリアは二度目の捜査妨害。 休職して宇都宮の実家へ。 政権交代で警察官僚が失脚。 新総理が再捜査を命じた。 監督のサッカーチームは赤字。事故死の保険費用1億円を妻はサッカーチーム費用に使わない。裏金作りを始めた女は昔ボランティアで養護施設で孤児の世話をしていた。ホストと技官は当時世話していた。 技官は事故隠蔽を告発する直前に北鉄の総務部から呼び出されていた。母親に預けたPCに保存されていた。 天下り官僚は警察官僚から左遷。キャバ嬢に愚痴っているのを新聞記者がつかんだ。
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今も正に北海道では新幹線の工事が行われている。 札幌駅でも新幹線ホームの改修工事をしていました。 小説ではあるけれど現実に権力に抗って働いている人がいるんだろうな。 北海道新幹線も利用したことあるけど札幌まで開通した暁には工事に従事した人々の想いを感じながらまた利用したいと思う。
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