遠巷説百物語 の商品レビュー
巷説百物語シリーズの第6作目 舞台を江戸末期の遠野へと移し、盛岡藩筆頭家老の密命で巷に流れる噂話を調べる宇夫方祥五郎を主人公に物語が展開する。 全部で6話。 どの話も遠野の昔語りから始まって、巷の話、事件の当事者の話、最後にそれを解体する話という構成。 昔語りの遠野の方言は...
巷説百物語シリーズの第6作目 舞台を江戸末期の遠野へと移し、盛岡藩筆頭家老の密命で巷に流れる噂話を調べる宇夫方祥五郎を主人公に物語が展開する。 全部で6話。 どの話も遠野の昔語りから始まって、巷の話、事件の当事者の話、最後にそれを解体する話という構成。 昔語りの遠野の方言はなんとも味がある。 ここまでのシリーズでも登場している 長耳の仲蔵、亡者踊りの柳次が主に妖怪変化の仕掛けを施して事件を解決していく。 今回は座敷童のような女の子、花が良いアクセントになっている。 又一が八咫の鴉(やた の からす)として最後の話「出世螺」に登場する。 これで続巷説百物語の後の話だとわかった。
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以前、巷説百物語自体は読んだことがあったが、内容をあまり覚えていなかったこともあって単に妖怪をテーマにした短編だと思っていた。 が、京極夏彦がそんな単純なものを出すわけがないよなぁ〜! 舞台はなんと遠野。遠野物語と関連が!?と一瞬思ったけど、時代が違いすぎたわ。でも山人とか出てきてニヤニヤできる。 読み始めるとまずは東北弁っぽい語りで妖怪譚が語られる「譚」、これはとても短い。 次にメインストーリーとして主人公が出てきて、街を騒がせる事件や異変が語られ、妖怪の仕業だという説明がされる「咄」。 その事件を解決するために必要なキーマンが、大体の場合困惑してたりため息を付いていたりして始まり、解決のための仕込みが行われる「噺」。 最後に全ての説明が、大抵は主人公である宇夫方祥五郎、そして仕込み役である長耳やその仲間たちとの会話で明かされる「話」。 譚 咄 噺 話 四種類の「はなし」で語られる。日本語ってすげー。そして翻訳できなさそう。 これが6篇入った短編集… と思わせておいての京極夏彦。すべて繋がっている! そういえばそうだったわ。京極堂シリーズ本編や番外編でも全く同じ構成だったわ。完全に失念していた。 一つ一つは全く関係ない事件のように思えて、実は裏で繋がっている1つの巨大な事件であり、それまで別々の事件で関わったキーマンたちが協力してアベンジャーズ全員集合のような盛り上がりを見せて爽快に終わる。そんな活劇モノ。 ただ、普通ならメインになりそうなアクションシーンや巨悪との戦い自体は基本的に描かれることはない。主人公の宇夫方祥五郎はあくまでも狂言回しというかキーマンたちを繋ぐ役なので。京極堂で言えば関口。 なので、「噺」では裏で何かが起こってそう、もしくは起こってた、くらいしかわからず、首を傾げた宇夫方祥五郎が長耳の家を訪れるというのが大体の「話」の展開。 だからまあ、正直なところ最初の一話はなるほど!と思い、最終話での全て繋がっていた展開は大変熱かったものの、それぞれの話の展開は「はいはい、妖怪が出たということはまた彼らの仕業なんだな」と分かってしまい、そこはちょっとスンッとなってしまったのも事実。 いや、それが面白さを下げているとか言うつもりはないし、京極夏彦作品は仕掛けはまあもちろんわからないのだが、それを推理するお話でもないし、見事なストーリー構成を洒脱な語り口で説明される、演劇を見ているような楽しみがメインだということは分かっている。主人公も後半になるとまたあいつらだなってなってたし、読み手が同じような気持ちになる仕掛けなのかもしれない。 そこで慣れてきたところに最終話で実はあの話は繋がっていたとなり、これまで無事だった主人公も怪我を負い…!と、あえてだれさせてからの喝!という起承転結。 いやー、読後感が良い。 しかし、今更ながら巷説百物語シリーズであり、それぞれ単体で読むより通して読んだほうが楽しいことがわかってしまったので最初から読み直さなきゃいけないじゃないか!今連載中の了巷説百物語でラストらしいので、それが本になったら一気に読むかな。 あと、余りにも自然でいっそ気づきにくいのだが、色々な百姓、色々な武士、それ以外が出てくるが全員話し方が異なり、特に盛岡の方言が声に出して読みたくなる話し方。というか実際何度か声に出して読んでたずもな。サクナヒメに出てきた方言に似ている。
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盛岡藩支藩の遠野保で起きる摩訶不思議な事件。 シリーズ前作からだいぶ間を置いて読んだため、それと繋がりがある(と思われる)エピソードが上手いこと理解できなかったのが残念。もう一度読み返してみようか。
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あー面白かった…… 正直、今までと趣が違うと聞いてたのでどうかなー?と思いつつ読んだものの。 やはり面白い!の一言に尽きる。 最後の話は終幕に向かっているのがヒシヒシと伝わってきて、震えた…。 乙さん、そうだったのね! さて次はいよいよ了! ところで、 物凄く幸運なことに地元...
あー面白かった…… 正直、今までと趣が違うと聞いてたのでどうかなー?と思いつつ読んだものの。 やはり面白い!の一言に尽きる。 最後の話は終幕に向かっているのがヒシヒシと伝わってきて、震えた…。 乙さん、そうだったのね! さて次はいよいよ了! ところで、 物凄く幸運なことに地元で京極先生のトーク会があり本作のサイン本を手に入れられた、 そんな思い出の1冊。 遠野に纏わる話もすっごく面白かった思い出。 小説もお話しも面白いなんて、ずるい!笑
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いやはや 京極作品は長い その分読み終わったときの達成感はハンパない このシリーズで又一に会えて嬉しかった やっぱり仕掛けの核は又一が一番ですね 遠野の次もあるのかな?
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『遠野物語』読んでるなら一層楽しめます。 真逆『遠野物語』のあの人物にこんなところで再会するとは思いませんでした……。然も迂闊にも最後の最後まで気付かなかった。その上なんかちょっとエモい感じに締められたのが悔しい(笑)。 遠野の全てに愛を込めて。著者が彼の地を愛おしく想う気持ちがひしひしと伝わってくる。読み了えた時、そっと表紙を撫ぜたくなるようなやさしさを感じました。
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2023/8/5読了。乙蔵の祥五郎に対する友情譚が一番心に響いた。遠野物語に登場する新田乙蔵を元ネタにしているというのも趣向が効いてて良い。
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久しぶりに、重かった……。 これこそ電子書籍にすればいいのにと思いますが、やっぱり読了後、本棚に置いたときの、達成感と満足感には変えられないと思わされてしまいます。 面白かったです!謎に包まれた化け物の正体が、あっさりばらされるところは滑稽だし、荒唐無稽な話のはずなのに、史実...
久しぶりに、重かった……。 これこそ電子書籍にすればいいのにと思いますが、やっぱり読了後、本棚に置いたときの、達成感と満足感には変えられないと思わされてしまいます。 面白かったです!謎に包まれた化け物の正体が、あっさりばらされるところは滑稽だし、荒唐無稽な話のはずなのに、史実に結びついていくというのも凄いし、本当の話かもと可能性を残すのがニクイです(笑)。
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シリーズ(文庫化済み)最新巻♫ 「続〜」「西〜」「前〜」「後〜」で完結だと思っていただけに、1〜2年前に本作の存在を知った時には小躍りしたい位に喜んで、首を長くして文庫化を待ったものだった♫ さて、舞台は遠野。 京極ファン皆の大好きなあの男ではないものの、彼と同じ匂いのする男達...
シリーズ(文庫化済み)最新巻♫ 「続〜」「西〜」「前〜」「後〜」で完結だと思っていただけに、1〜2年前に本作の存在を知った時には小躍りしたい位に喜んで、首を長くして文庫化を待ったものだった♫ さて、舞台は遠野。 京極ファン皆の大好きなあの男ではないものの、彼と同じ匂いのする男達の仕掛けの数々は皆、胸のすく解決をもたらしてくれ、最後まで楽しく読み進められた。 そして最終編。例の北林藩も絡んだ大掛かりな仕掛けの始末には あの男 も関わってきていて・・・ いいねえ、とてもいい。 ★4つ、9ポイント。 2023.06.03.新 次作も連載中だとのこと。楽しみ♫ ただし「了〜」というのが寂しいかな。 世界観を読み切ってしまうのが寂しくて読まずにいた 「西〜」も、そろそろ流石に読もうかな。
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1話ごと完結なので、読んでいる間は何となく毎回スッキリしながら読むけど、残り僅かになるに連れて寂しくなってくる。いつの間にか自分も仲間のような気持ちになっていて、みんなと離れてしまうのが寂しい。そんな気持ち。
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