藍色ちくちく の商品レビュー
青森県南に伝わる刺し子の南部菱刺し。これがテーマとなっています。 同じように青森にあるこぎん刺し。私はこちらを少しやっている事もあり、一針一針縫っていく所とか、少しずつ模様ができていく様子を目に浮かべながら読みました。 この菱刺しに関わる人達の物語も、うるっと来る場面があったりし...
青森県南に伝わる刺し子の南部菱刺し。これがテーマとなっています。 同じように青森にあるこぎん刺し。私はこちらを少しやっている事もあり、一針一針縫っていく所とか、少しずつ模様ができていく様子を目に浮かべながら読みました。 この菱刺しに関わる人達の物語も、うるっと来る場面があったりして心暖まる本でした。
Posted by
びっくりするぐらい涙出た。 親というものは本当にどうしようもなくて、 でもありがたい。 ラストの話より、その前の話で死ぬほど泣いた。
Posted by
より子さんの菱刺し工房で、布の目を糸でふさぐ。 日常で感じる隙間をふさぐように。 皆、何かを抱えているのだけれど 菱刺しが心を繋いでくれていた。 より子さんが皆を繋いでくれていた。 大切な人への気づかいに ほっこりとした気持ちになれた。
Posted by
ちくちく手仕事は良いてすね。 私の趣味のひとつが編み物なので 菱刺しとは手仕事として共通する部分が多くて 菱刺しを刺しているより子先生とその仲間たちをなお一層身近に感じました。 作者の高森さんは青森在住で図書館にお勤めしながらの執筆活動とか。 地元ならではの青森弁と 伝統工芸...
ちくちく手仕事は良いてすね。 私の趣味のひとつが編み物なので 菱刺しとは手仕事として共通する部分が多くて 菱刺しを刺しているより子先生とその仲間たちをなお一層身近に感じました。 作者の高森さんは青森在住で図書館にお勤めしながらの執筆活動とか。 地元ならではの青森弁と 伝統工芸品の菱刺し。 どちらもカラフルで明るくおおらかで その地に根付いて暮らすより子先生の生涯を美しいと思いました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【収録作品】魔女の菱刺し工房/今日の佳き日の矢羽根/ひょうたん/真麻の聴色(ユルシイロ) より子の菱刺し工房を軸に、そこに関わる人たちの姿とより子の来し方を描いている。 「魔女の菱刺し工房」 やりたいことがなく漫然と日々を過ごしている高2の綾。ブログで知った菱刺しの作品を公民館で見かけたことをきっかけに、より子の菱刺し工房に出入りするようになる。/より子は、菱刺しに夢中になっていった日々を思い出す。 「今日の佳き日の矢羽根」 綾に工房を教えた結菜は、結婚を控えている。結婚準備を進めているなか、些細なことで父親と行き違ってしまい、気まずいまま結婚式を迎える。/より子は結婚したときのことを思い出す。矢羽根柄は出戻らないという意味があるとのこと。 「ひょうたん」 母子家庭で育った香織は、菱刺しが得意な母に教わって菱刺しをするようになった。その母の認知症が進み、施設に預けるが、食が進まず悩んでいた。/より子は、戦友ともいえる義姉と共に舅の介護をした日々を思い出す。 「真麻の聴色」 聴色は、くすんだピンク色。亮平が引きこもりになった経緯が語られる。 何気ないひとつひとつの話が語られるテンポがいい。こういう工房のような場所をもっていると息をしやすい気がする。菱刺しにも興味が湧いた。手芸品は作る過程を味わうものと考えると、うまさとか目的なんて二の次でいいのかもしれない。
Posted by
この本は絶対に買おう! 図書館から借りた本を読み終え、そう決めた。 菱刺しとは、青森県の南部地方に伝わる、 刺し子模様のこと。 刺し子と言えば、津軽の小ぎん刺ししか知らなかったけれど、 小ぎんが奇数目を指すのに対し、菱刺しは偶数目を拾うので 横長になるらしい。 ネットで画像を検...
この本は絶対に買おう! 図書館から借りた本を読み終え、そう決めた。 菱刺しとは、青森県の南部地方に伝わる、 刺し子模様のこと。 刺し子と言えば、津軽の小ぎん刺ししか知らなかったけれど、 小ぎんが奇数目を指すのに対し、菱刺しは偶数目を拾うので 横長になるらしい。 ネットで画像を検索したけれど、俄然、本物が見たくなっている。 物語は、菱刺し工房に集まる人びとの連環小説。 つなぐのは、菱刺しと師匠のより子先生、御年82才。 工房に集まる誰かの自分語りの後、 関連して、より子先生自身の物語が客観的に語られる。 一貫して、その構成。 どれも、心温まる物語ばかりだ。 私事ながら・・・ つい先日、この本を読み始めた頃、 父の祥月命日を迎えた。 ・・・高校生の娘と父との物語だった。 続けて、その日、読む。 ・・・嫁ぐ娘と父の物語だった。 母の老いを受け入れられず、きつい言葉を投げつけた日。 ・・・認知症の母と中年娘の物語だった。 そのことをずっと悔やんでいたら・・・ 大事な人を喪う物語だった。 最後の喪失の物語は、あってほしくないけれど、 まるで、私の心を映すかのような 寄り添ってくれたかのような物語。 ひたすらに泣きながら、読んだ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『心安らぐ菱刺しに魅せられて…チーム菱刺し工房』 より子さんが教える菱刺し工房に集う仲間たち 各々、悩みを抱えながらも、居心地の良い工房で菱刺しに没頭する中で、光明を見出していく。 こんな素敵な居場所があったらいいな…
Posted by
南部菱刺しは色鮮やか。 木綿が育たないほどの寒冷地区。 育てやすい麻を植え、衣類に織った。 麻は風を通しやすく、その隙間を埋めるための刺し子だった。 より子先生のエピソードからも当時の苦労が伝わってくる。 ちくちく縫うだけ。 間違えたらほどけばいい。 行間からあたたかく柔らかな...
南部菱刺しは色鮮やか。 木綿が育たないほどの寒冷地区。 育てやすい麻を植え、衣類に織った。 麻は風を通しやすく、その隙間を埋めるための刺し子だった。 より子先生のエピソードからも当時の苦労が伝わってくる。 ちくちく縫うだけ。 間違えたらほどけばいい。 行間からあたたかく柔らかな、ふわっとしたものを届けられた気がする。
Posted by
伝統工芸の『菱刺し』を中心にして人間関係を描いている。 家族、恋人、友達。 美しいであろう菱刺しを見てみたい。
Posted by
苦しい時、嬉しい時、そして誰かを想う時。布の目を数え、模様を作る――。青森の南部菱刺しをテーマに描く、手芸×再生の四篇。
Posted by