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罪の壁 の商品レビュー

2.9

12件のお客様レビュー

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2025/05/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

兄殺害の謎を追う主人公、事件担当警部から、容疑者をしっているし頼りになる人だとして紹介されたコクソン。主人公の捜査は地中海に辿り着き、真相はコクソンが犯人。警部に紹介された時点でコクソンは一風変わった助っ人という立ち位置(少なくとも私はそうとりました)になっているので真相に至った時、なんじゃコレって感じでしたね。同じ作者の「マーニー」(ヒッチコックの映画で有名)は凄く興味深い心理小説だったがこの作品は残念。

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2024/03/21

モノクロのサスペンス映画を吹き替えで見ているような感じか。少しばかり無謀なところのある青年が、納得できない兄の自死を巡って、正体不明で、行方も知れない兄の「恋人」や「友人」を追う。とうとう突き止めた友人の正体は意外な人物で、というお話。古いお話なので、今のこの手のお話を読み慣れた...

モノクロのサスペンス映画を吹き替えで見ているような感じか。少しばかり無謀なところのある青年が、納得できない兄の自死を巡って、正体不明で、行方も知れない兄の「恋人」や「友人」を追う。とうとう突き止めた友人の正体は意外な人物で、というお話。古いお話なので、今のこの手のお話を読み慣れた目には悠長というか、ともすれば弛緩しているようにも見えなくはない。けれども、そのゆるさを、今は物語から失われた、ある種の優美さと取ることもできる。これはこれで悪くないといったところ。

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2023/11/06

「罪の壁」とはなにか? 文中のパーティーでは、 大戦後の「落ち着かない世代」により「無秩序への先祖返り」が始まって「古い禁忌の障壁は崩れた」と、登場人物の一人に言わせている。 また、ミステリーのもととなった事件の現場がオランダの娼婦街で「モラルの壁」とも呼ばれていた(訳者あとが...

「罪の壁」とはなにか? 文中のパーティーでは、 大戦後の「落ち着かない世代」により「無秩序への先祖返り」が始まって「古い禁忌の障壁は崩れた」と、登場人物の一人に言わせている。 また、ミステリーのもととなった事件の現場がオランダの娼婦街で「モラルの壁」とも呼ばれていた(訳者あとがきより)。 『罪の壁』は新潮文庫の海外名作発掘企画の一つで第一回英国推理作家協会(CWA)受賞作。 物語は、兄の死因を疑った主人公フィリップが謎を解明すべく、イギリス、オランダ、イタリア、大戦時、異なる立場に置かれた三つの国を巡るミステリー。 その中で最も重要なイタリアでの出来事。 カブリ島では、洋館でのディナーパーティーが開かれ、そこから向かう青の洞窟やアマルフィの街並みではロマンスやアクションが繰り広げられるなど、サービス満点で飽きない。 ミステリーとしての良さももちろんのこと。 さて、「罪の壁」とは……。

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2023/08/13

外国人作家の本を読むのはとても久しぶり…なんだか話題性のある表紙に惹かれて読み始めたけどミステリーというより心理的な話なのかなと。外国人名がなかなか入ってこなくてこれ誰だったかと振り返ったりしてたのでストーリーを把握しきれず不完全燃焼で終わった感じ。

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2023/07/25

本棚の2つ前の「気狂いピエロ」と同様に、帯に、【海外名作発掘】の文字が。そういうシリーズらしい。 本作は第1回CWAゴールド・ダガー賞(1955年)の受賞作。 原題は The Little Walls 自殺とされた兄の死に納得がいかず追求する弟の物語。 なんとなくもっさり...

本棚の2つ前の「気狂いピエロ」と同様に、帯に、【海外名作発掘】の文字が。そういうシリーズらしい。 本作は第1回CWAゴールド・ダガー賞(1955年)の受賞作。 原題は The Little Walls 自殺とされた兄の死に納得がいかず追求する弟の物語。 なんとなくもっさりしている印象。 昔の作品だからか、イギリスのものだからか、もってまわった言い回しがとにかく多い。 そのためになかなか話のテンポが上がらない。 446ページもあるが、内容は平坦。それほどの見せ場もハラハラもドキドキもなく、淡々と進む。 オランダに行ったりイタリアに行ったりもするが、まるで観光のような感じ。 さすがにラスト近辺までいくと多少の盛り上がりはあったが、それも予定調和の感があり、あっさりと話は終わる。 ロマンチックなんちゃら? ロマンチック冒険ミステリー。とでもいうのかな。 栄えある第1回CWAゴールド・ダガー賞にもかかわらず、今日まで日本で出版されなかったのもうなずける。 発掘する必要、あったのかな。

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2023/05/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自分の考えと他人の考えは違う 当たり前だけど、人はきっとこうなんだと思い込む でも、いざ当人と話してみると実はそうだったのかと思う 悩んでいるのは私だけではない 好きな人と一緒にいるのも壁を乗り越えないといけない

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2023/06/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

好企画が続く新潮文庫の「海外名作発掘シリーズ」の22年12月発刊の1冊 本作は、1955年の作品で、兄の自殺をイギリス、オランダ、イタリアと国をまたいだ国際的トラブルを背景に、弟が解決にあたる謎解き物語。唯一土地勘のあるアムステルダムの描写はなかなか風情があってよかった。 全体の出来は良い感じなのだけど、現代の国際的ミステリを慣れ親しんだ目で見ると、少し古さを感じてしまう。それに加え、もしすぐに訳出されても、当時の国際問題と異質な日本で受けたかどうかはよくわからない。ストーリー展開も地味でラブストーリーぱっとしないのでどっちつかずという感じ。 サスペンス感覚はそれなりにあるので最後まで読み通せるし、その意味でよくまとまっているとはいえるのだけど。 いずれにせよ発掘シリーズという主旨にはぴったりだと思う。

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2023/04/05

 敬愛する兄がアムステルダムで自殺したとの知らせを受けたフィリップ。兄のポケットから別れ話の手紙が見つかっていたが、その女性の行方は不明。また兄と同行していたという男の所在も分からない。  果たして兄は本当に自殺なのか、兄が自殺したとは信じられないフィリップは、真相を確かめるべく...

 敬愛する兄がアムステルダムで自殺したとの知らせを受けたフィリップ。兄のポケットから別れ話の手紙が見つかっていたが、その女性の行方は不明。また兄と同行していたという男の所在も分からない。  果たして兄は本当に自殺なのか、兄が自殺したとは信じられないフィリップは、真相を確かめるべく、二人を探すこととする。  後半は、イタリアカプリ島を舞台に、男女のもつれ合いに。  兄の死に深い心理的要因があることが解き明かされるところなどは、サラッと読んだのでは理解しづらいくらいだ。またイギリスミステリーらしく、人間が良く描かれているし、ロマンス的要素も作品に上手く溶け込んでいると思う。  

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2023/03/11

私が生まれる前の作品。ミステリー本来のドキドキ感もだが、オランダの飾り窓やイタリアの風景がとても懐かしく感じた。

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2023/01/18

 魅力的で香るような文体。ぼくの生まれる一年前に出版された古い小説。それでいて本邦発邦訳。しかし、決して古臭くて読みにくいというような小説ではない。  確かに携帯電話もパソコンも人工衛星もない。情報入手や相互連絡の手段は著しく限られ、作中では電報が多用されている。しかし、人間の...

 魅力的で香るような文体。ぼくの生まれる一年前に出版された古い小説。それでいて本邦発邦訳。しかし、決して古臭くて読みにくいというような小説ではない。  確かに携帯電話もパソコンも人工衛星もない。情報入手や相互連絡の手段は著しく限られ、作中では電報が多用されている。しかし、人間の罪と犯罪は、どの時代も変わらない。不穏な黒い勢力も、彼らに牛耳られた警察組織も。人々の愛情も、憎悪も。欲望も、貧富の差も。  アムステルダムの飾り窓の女。運河に落ちて死んだ兄の事件。ナポリ。アマルフィ。セレブたちのパーティ。青の洞窟。ファム・ファタール。大戦の影。行間に薫る香気。懐かしい冒険の時代。大戦後の平和への一歩を踏み出したばかりの世界。セピアカラーの映画のような小説。  ごった煮感のあるジャンルを盛り過ぎて欲張った感のあるストーリーなので、海洋や絶壁でのアクションも豊富であれば、個性豊かな男女のラブロマンスもこってり。今にしてみればサービス過剰の部分もあるけれど、これで運河の事件は終わり? と思うと何だか肩透かしを食らった気分でもあり、複雑。  でも読みごたえ、やキャラクターたちの個性や、それを取り巻く地中海、そこに住む地の塩のような住民たちの心意気等々、島国日本から見れば国際色豊かな環境など、つくづく羨望を感じてやまない。そんなロマン溢れる舞台に展開する、恋と冒険の物語。ロマンの王道をゆくエンタメ作品。それでいてハードな魂と気品を忘れさせぬ騎士道精神。恋と闘いに燃える青年たちの駆け引きドラマが、大戦後間もないが冷戦の緊迫を秘めるヨーロッパに展開する作者渾身の力作である。  今では失われて久しい小説作品に久々に出会えたようなアナクロめいた密かな喜びをもたらしてくれるので、作品の現代性やサービス精神に不足を感じてもなお基調で豊穣な読書体験をもたらしてくれる作品である。CWA賞第一回受賞作品として今更ながら翻訳されている不思議、という点もミステリーファンにとっては、興味深いと思う。

Posted byブクログ