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絶縁 の商品レビュー

3.5

23件のお客様レビュー

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2024/09/22

社会情勢が個人に与える影響は大きい。それをそのまま写し出すのか、ほんのり匂わせるのか、全く別の形として書き出すのか、作品ごとに異なる。 「穴の中には雪蓮花が咲いている」青年の現在と過去の、寂しさ、微笑ましさ、やるせなさが牧歌的な映像を通して感じられる。幼い2人のやりとりが可愛くて...

社会情勢が個人に与える影響は大きい。それをそのまま写し出すのか、ほんのり匂わせるのか、全く別の形として書き出すのか、作品ごとに異なる。 「穴の中には雪蓮花が咲いている」青年の現在と過去の、寂しさ、微笑ましさ、やるせなさが牧歌的な映像を通して感じられる。幼い2人のやりとりが可愛くて切なかった。

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2024/07/23

流石の村田沙耶香。「無」 ますます筆が冴える。これからは、このくらいの毒が吐ける作家でなくてはね。 「産んでしまった後は私が家畜だった。夫にとって私は古くて汚いけれど性欲処理ができて、放っておけば家事をしてくれる肉性機械道具だった。娘は私で性欲処理をすることはないが、いくら成長...

流石の村田沙耶香。「無」 ますます筆が冴える。これからは、このくらいの毒が吐ける作家でなくてはね。 「産んでしまった後は私が家畜だった。夫にとって私は古くて汚いけれど性欲処理ができて、放っておけば家事をしてくれる肉性機械道具だった。娘は私で性欲処理をすることはないが、いくら成長しで当然のように私を使いつづけた。でもいつか、未来では娘が私たちの道具になる、それだけが心の支えだった。」 痺れる〜! ラシャムジャ「穴の中には雪蓮花が咲いている」 悲しくもふっくらした短編。これはこれで、好きだなあ。このふっくらした感じは人柄なのか、チベットという国が持つものなのか。 チョン・セラン「絶縁」 分断は経済格差だけでなく、価値観や倫理観にも表れてくる。もう絶縁しかないのか? このような形の書物が世に出ること、そのことを祝福したい。

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2024/06/05

 アジアの女性作家九人によるアンソロジー。しかもテーマは「絶縁」。「しびれるテーマ」と村田沙耶香は言ったそうだが、確かに「しびれる」。なかなか、こんな本が存在するというだけで意義深いような、圧がある。ある特定の層には熱い支持を受けそうな一方、この価値観、というよりはこれに「しびれ...

 アジアの女性作家九人によるアンソロジー。しかもテーマは「絶縁」。「しびれるテーマ」と村田沙耶香は言ったそうだが、確かに「しびれる」。なかなか、こんな本が存在するというだけで意義深いような、圧がある。ある特定の層には熱い支持を受けそうな一方、この価値観、というよりはこれに「しびれる」感覚って、普遍性ないかもしれないな…とも思う。  Audibleで聴取。朗読は、どの作品も独特の色が浮かび上がり、とても良かった。ただ終盤は私の集中力/モチベーションが枯渇してきて実はちゃんと聴けてない。いつかちゃんと読み直したい。 ■村田沙耶香(日本、一九七九〜)『無』 うん。絶縁だ。村田沙耶香の絶縁だ。 ■アルフィアン・サアット(シンガポール、一九七七〜)『妻』 絶縁どころか新しい縁を自分の意志で結ぼうとしたのに、絶縁だ。「するとサウダはだしぬけに、縄が切れてしまって井戸の中を落ちていくような感覚になった。」怖い。 ■ 郝景芳(ハオ・ジンファン、中国、一九八四〜)『ポジティブレンガ』 これは絶縁と思い込んでいたところから始まっての、縁のつながりの確認、と感じた。 ■ウィワット・ルートウィワットウォンサー(一九七八〜)『燃える』 タイの政治情勢についてものを知らなすぎ、ついていけてない感を味わいながらの本編だったが、訳者解説のおかげでなんとかキャッチアップ。 ■韓麗珠(ホン・ライチュー、香港、一九七八〜)『秘密警察』 重かった。 ■ラシャムジャ(チベット、一九七七〜)『穴の中には雪蓮花が咲いている』 「穴の中には雪蓮花(せつれんか)が咲いている」。覚えておこう。 ■グエン・ゴック・トゥ(ベトナム、一九七六〜)『逃避』 親子の関係には犠牲がある、特に東アジアでは親が子どものために犠牲を払うことが暗黙の了解になっている。というあとがきのことば。 ■連明偉(リエン・ミンウェイ、台湾、一九八三〜)『シェリスおばさんのアフタヌーンティー』 ちょっとスタンド・バイ・ミーを思い出した。 ■チョン・セラン(韓国、一九八四〜)『絶縁』 なかなかストレート。(読み直し要。)

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2024/04/03

他の国の現状なんて知らなかったし、絶縁なんて非現実的な話じゃないんだな。そこら中にある あと絶縁は人の話だけじゃないね。視野が狭くなってた、反省 また村田さんはいつものことながら鋭い切り口で暇さえあれば考えてる。日本に関しては後書きはないから、日本の現状はなんなんだろう

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2023/12/08

こんなアンソロもあるんか…すげえ…。 取り上げるワードが「絶縁」ってのも、半端ねえな…。 しかし、当たり前だけどタイだのチベットだのでも文学作品てあるんだな…そりゃ当たり前なんだけど…。自分の不勉強さから、なんだかびっくりしてしまった…。 しかし村田沙耶香は多国籍共同アンソロ...

こんなアンソロもあるんか…すげえ…。 取り上げるワードが「絶縁」ってのも、半端ねえな…。 しかし、当たり前だけどタイだのチベットだのでも文学作品てあるんだな…そりゃ当たり前なんだけど…。自分の不勉強さから、なんだかびっくりしてしまった…。 しかし村田沙耶香は多国籍共同アンソロでも村田沙耶香だった。 どうしたって謎の奇声上げるENDなのか、村田沙耶香。 なんだろう…もう地に帰ることすら、人間にはできないのか…消えて塵になるしか救いはないのか…???????

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2023/08/23

アジアの作家たちの共作ということで読んだ作家だけをメモ。 村田沙耶香「無」 アルフィアン・サアット「妻」 韓麗珠「秘密警察」 ラシャムジャ「穴の中には雪蓮花が咲いている」 グエン・ゴック・トゥ「逃避」 チョン・セラン「絶縁」

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2023/08/07

面白いのも、そうでないのもあったが、色々な国の色々な作家の作品が読めたのは楽しかった。 文学は政治や社会の状況と密接に繋がっているのだと改めて感じた。

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2023/06/17

東アジア~東南アジアの若手作家による『絶縁』という共通テーマのもとに書き下ろされたアンソロジー。 かなり読みごたえがある。 読み終えるのに結構な時間がかかった。 同じ時代を生きているのに、その国の政治・社会状況によりこんなにも違った世界が広がっているとは、想像もしなかった。そう...

東アジア~東南アジアの若手作家による『絶縁』という共通テーマのもとに書き下ろされたアンソロジー。 かなり読みごたえがある。 読み終えるのに結構な時間がかかった。 同じ時代を生きているのに、その国の政治・社会状況によりこんなにも違った世界が広がっているとは、想像もしなかった。そう、同じテーマのもとに書かれているにも関わらず。 作家の個人的な傾向もあるだろうが、それとてその国の社会情勢に影響されることは少なくないだろう。 村田沙耶香、チョン・セランの作品は、読みながら(村田沙耶香のはディストピアのようだったが)その状況や心理が掴みやすかったのは、やはり似通った社会構造の国の作家だからだろうか。 他の作品は、知識のなさゆえに想像力が追い付かないものもあったが、アジア文化圏の多様性と奥深さを感じ、もっと和訳されてほしいと思う。 2023.1

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2023/06/02

正直、難解なものも多く(特に燃える)、途中で断念しそうだったが、「穴の中には雪蓮花が咲いている」が素晴らしくて、読んでよかった〜と思った。チベットが中国なことも知らなかかった無知な私だが、ラシャムジャさんの他の作品も読んでみたい

Posted byブクログ

2023/05/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

絶縁をテーマに九つの話からなるアンソロジー。海外小説はどうも頭に入らず途中リタイア。残念。原文で読めれば違ってくるのかなぁ。でも村田沙耶香さんの「無」は読み応えあった。「完璧な無」に生きてる意味はあるのだろうか。でも「無」の生き方に憧れる気持ちもあるな。そういう境地に私はなりたい、気もする。

Posted byブクログ