未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること の商品レビュー
「未来の年表」シリーズ5作目となり、著者によるこのシリーズはすべて、関連書籍も読んでいます。 今回は、これまでと同様、人口減少に関する内容の中で、それぞれの業界がどのように変化していくかということにスポットを当てた内容になっていますので、自分の業界や地域の状況などにより、一層身近...
「未来の年表」シリーズ5作目となり、著者によるこのシリーズはすべて、関連書籍も読んでいます。 今回は、これまでと同様、人口減少に関する内容の中で、それぞれの業界がどのように変化していくかということにスポットを当てた内容になっていますので、自分の業界や地域の状況などにより、一層身近な問題として感じることができる内容となっています。 著者がこのシリーズを始めたのが2017年で、5年近く経過しており、それでも状況が変わっていない現状を嘆いています。その思いを「人口減少対策は夏休みの宿題のようなもの」という表現をしているのが、著者の複雑な心境を感じさせます。 個人でできることは限界があるものの、人口減少はわかっている未来。少しでもできる対応策を考えたいものです。 ▼マーケットの縮小とは単に総人口が減るだけの話ではない。若い頃のようには消費しなくなる高齢消費者の割合が年々大きくなっているのである、今後の日本は、実人数が減る以上に消費量が落ち込む「ダブルの縮小」に見舞われる ▼商圏人口が減るということは、同時に、消費者が求める「便利さ」のモノサシも変わるということだ ▼ここで言う「人口減少に打ち克つ」とは、人口が減ることを前提として、それでも日本社会が豊かであり続けられるようにするための方策を見つけ出すことだ。社会やビジネスの仕組みのほうを、人口減少に耐え得るよう変えようというのである。 ▼人口減少対策とは「夏休みの宿題」のようなものである。いつかやらなければならないと頭では分かっていても、ついつい後回しにしがちだ。その変化は日々の暮らしの中では目に見えないほど軽微なためである。「まずは目の前の課題をこなすことが先だ」と言い訳しながら、時だけが過ぎていく。 <目次> 序章 人口減少が日本にトドメを刺す前に 第1部 人口減少日本のリアル ●革新的ヒット商品が誕生しなくなる ー製造業界に起きること ●整備士不足で事故を起こしても車が直らない ー自動車産業に起きること ●IT人材80万人不足で銀行トラブル続出 ー金融業界に起きること ●地方紙・ローカルテレビが消える日 ー小売業界とご当地企業に起きること ●ドライバー不足で10億トンの荷物が運べない ー物流業界に起きること ●みかんの主力産地が東北になる日 ー農業と食品メーカーに起きること ●30代が減って新築住宅が売れなくなる ー住宅業界に起きること ●老朽化した道路が直らず放置される ー建設業界に起きること ●駅が電車に乗るだけの場所ではなくなる ー鉄道業界に起きること ●赤字は続くよどこまでも ーローカル線に起きること ●地方に住むと水道代が高くつく ー生活インフラに起きること ●2030年頃には「患者不足」に陥る ー医療業界に起きること1 ●「開業医は儲かる」という神話の崩壊 ー医療業界に起きること2 ●多死社会なのに「寺院消滅」の危機 ー寺院業界に起きること ●会葬者がいなくなり、「直葬」が一般化 ー葬儀業界に起きること ●「ごみ難民」が多発、20キロ通学の小学生が増加 ー地方公務員に起きること ●60代の自衛官が80~90代の命を守る ー安全を守る仕事に起こること 第2部 戦略的に縮むための「未来のトリセツ」(10のステップ) ステップ1 量的拡大モデルと決別する ステップ2 残す事業とやめる事業を選別する ステップ3 製品・サービスの付加価値を高める ステップ4 無形資産投資でブランド力を高める ステップ5 1人あたりの労働生産性を向上させる ステップ6 全従業員のスキルアップを図る ステップ7 年功序列の人事制度をやめる ステップ8 若者を分散させないようにする ステップ9 「多極分散」ではなく「多極集中」で商圏を維持する ステップ10 輸出相手国の将来人口を把握する
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人口が減少する日本で、各業種や公共サービスに何が起こるのか。 今後日本が直面する、実人数が減り消費量が落ち込む「ダブルの縮小」。 日本にこれから起きる大変化を詳細に描き、「戦略的に縮む」という成長モデルの手順を深掘りしていきます。
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人口減少で起きる未来を書いている。 商店やインフラ等を身の回りにも大きな影響があると思った。 第一部が人口減少で起き得ること、第二部でその解決策の構成だが、第一部の分量が非常に多いと感じた。
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内容はこれまでのもの、ただし産業別に個別展開 Data収集が大変 日本は官庁がDataを独占しているので、知や政策が創造されない
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2023年最初の読書は、『未来の年表』シリーズを選んだ。 元祖『未来の年表』の衝撃から5年が経った。当時は「この本に書かれている通りに変わるのかな?」「もし変わったら、世間の価値観が変わって面白そう」と、ボンヤリと感じた程度。あの頃から日本の状況は改善されたどころか、急速に「崖っ...
2023年最初の読書は、『未来の年表』シリーズを選んだ。 元祖『未来の年表』の衝撃から5年が経った。当時は「この本に書かれている通りに変わるのかな?」「もし変わったら、世間の価値観が変わって面白そう」と、ボンヤリと感じた程度。あの頃から日本の状況は改善されたどころか、急速に「崖っぷち」へ追いやられた。読み進めるうちに、厳しい現実を突きつけられ、読み終わる頃には、ワールドカップの熱狂の名残が吹き飛んでいた。 あらゆる公共サービスと社会機能が急激に縮小するリングの上で、ヒト·モノ·カネを取り合い続ける「ゼロサムゲーム」をいつまで続けるのだろうか。ますます貧乏で閉塞感の漂う未来がすごそこに近づいている。100歳まで生きるためには、日本企業でサラリーマンを続けてはいけないのだろうか。現実の延長では想像できない。 もはや「将来は田舎で穏やかに過ごす」なんて、暢気に構えて居られなくなった。夢を見るのは良いが、数十年かけて、相当な準備と覚悟が必要なのだろう。新年の仕事始めにあたり「異次元の働き方で売上を伸ばせ」「うちは安定した業界だから転職なんて考えるな」などと言う、社長のコメントが空虚に感じられ、1ミリも心に響かない。 確かに私自身、転職する計画は無いのだが、「この会社が潰れたらどうするのか」「60歳を過ぎた時に何をしたいのか、どうなっていたいのか」くらいは、本気で考え始めたいと思う。(昨年は何も思い描けなかったので)
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このシリーズも5冊目のようだが、次第に少子化対策への期待が薄れ、具体策の有効性はないものとして、その上でどう生き残っていくか、という方向にシフトしている。 外国人労働者も低賃金の日本にはきてくれないだろうし、子どもを産むことのできる女性の総数が減っている以上、少子化対策を強化して...
このシリーズも5冊目のようだが、次第に少子化対策への期待が薄れ、具体策の有効性はないものとして、その上でどう生き残っていくか、という方向にシフトしている。 外国人労働者も低賃金の日本にはきてくれないだろうし、子どもを産むことのできる女性の総数が減っている以上、少子化対策を強化しても出生数の回復は見込めない。 ならば、人口減を前提として、それでも豊かにあり続けられる方法を模索した、とのこと。 「多極集中」という考え方は、ありだと思う。限界集落があちこちに分散するのは、インフラのコストが莫大になってしまう。東京一極集中を避け、いくつかの地方都市に分散して移住し、駅を中心に人が住むという居住の仕方は、現実的だと思う。 日本すばらしい!のテレビ番組はまだあるようだが、そんな目くらましをうっとりして現実逃避してないで、早く現実を見つめて、自分たちの社会を変えていこうという風が吹いてほしいと思う…切に。
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業界ごとに未来予想が書かれています。 ビジネスマン的には、どの話もまあそうだよなと思う一方、目を引くような話はなかったかなとの印象でした。 目覚ましい勢いでテクノロジーが発展してるんで、そのまま、この本に書かれてるようにはならないのかなと思ってます。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
第一部は、様々な業界における人口減少の影響について解説しているが、広く浅くやや総花的な印象を受けた。 第二部は、人口減少を前提に、戦略的に縮む方法について解説されている。全体のパイが小さくなるので、売上よりも資本効率性を重視するべき/高付加価値化を目指すため、無形資産・人的資本を重視すべき等、最近よく言われていることが、人口減少という背景を踏まえていることが理解できた。
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もはやシリーズ化したと言える未来の年表、少子高齢化によって具体的に起こることの事例を列挙してますがまだまだ他にもあるでしょう。著者も続編の執筆をほのめかしています。 問題は対策なのですが、成長路線からの脱却、選択と集中、生産性の向上など、今となっては陳腐化した施策ばかりが提言さ...
もはやシリーズ化したと言える未来の年表、少子高齢化によって具体的に起こることの事例を列挙してますがまだまだ他にもあるでしょう。著者も続編の執筆をほのめかしています。 問題は対策なのですが、成長路線からの脱却、選択と集中、生産性の向上など、今となっては陳腐化した施策ばかりが提言されています。第一人者だからこそ、何か斬新な提案を期待したいです。
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