タスキメシ 五輪 の商品レビュー
タスキメシの第3弾。 正直、「五輪」って、なんか便乗かしら?と斜に構えていたんだけれど。 さすが額賀澪! 読ませてくれるじゃん、いい話ばっかじゃん。 失礼しました! 中短編集のこちら。 第一部では、食品会社に就職した箱根ランナーが オリンピック選手村の食堂委託会社での日々が描か...
タスキメシの第3弾。 正直、「五輪」って、なんか便乗かしら?と斜に構えていたんだけれど。 さすが額賀澪! 読ませてくれるじゃん、いい話ばっかじゃん。 失礼しました! 中短編集のこちら。 第一部では、食品会社に就職した箱根ランナーが オリンピック選手村の食堂委託会社での日々が描かれる。 ちょこちょこ懐かしい顔も登場。 東京オリンピック、何だかんだ言って楽しんだひとりとしては 突き刺さる言葉も今でもあるけれど・・・ そこに賭けてきた人たちはいる。 選手だけではなく・・・ という当たり前のことを、しみじみ感じ入る。 第2部は、懐かしの面々が、東京オリンピック以後 どうしているかが描かれる。 パリを目指すランナーたちも、時代に翻弄される。 でも・・・という展開は、さわやかで明るい。 頑張る全ての人を応援したくなる。 ちなみに・・・ 先日、ゴハンがおいしくて、これはどこかで読んだぞ、 白米が美味しくて溜まらん、とい話・・・と 考えていたら、思い出しました。 この本の最後の一編でした。 ゴハンた食べたくなります。
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「タスキメシ」「タスキメシ 箱根」に続く,3冊目の続編。 2021年3月。 井坂都は,2021年の夏に開催される大規模国際スポーツイベント,すなわちオリンピックの選手村食堂でのアルバイトの面接に来ていた。 新型コロナウイルスの流行による緊急事態宣言とその後のまん延防止...
「タスキメシ」「タスキメシ 箱根」に続く,3冊目の続編。 2021年3月。 井坂都は,2021年の夏に開催される大規模国際スポーツイベント,すなわちオリンピックの選手村食堂でのアルバイトの面接に来ていた。 新型コロナウイルスの流行による緊急事態宣言とその後のまん延防止重点措置による時短営業のあおりを受けた。そのため都が勤めていた和食店の店主が3月で閉店を決める。 閉店後,飲食業は軒並み休業,閉店が多く,オリンピック選手村の食堂が最も条件が良かったのだ。ただ,コロナ禍で開催されるオリンピックには風当たりも強い。 その選手村食堂の面接で出会ったのが前年の箱根駅伝で10区を走った仙波千早であった。 ◇ 前作,前前作との繋がりのある3冊目ですので,「タスキメシ」「タスキメシ 箱根」は必読だと思う。 延期になった東京オリンピックの選手村食堂を舞台に,オリンピックを支える裏方の人々が小説で描かれている。 井坂都,箱根を走った後,競技は引退して食品会社に就職した仙波千早。 そのほか「タスキメシ 箱根」「タスキメシ」で登場してきた人々。 実際にあったオリンピックでの出来事が,作品内にエピソードとして出てきている。 コロナ禍での飲食業界の切実さも感じたし,そんな中で行われるオリンピックへの反発もあったし。 厳しい社会情勢の中,都たちのような市井の人々が懸命に頑張ってきた姿が描かれている。フィクションだが,オリンピックの裏方には,このような人がたくさんいたのだろうと思うと,名もなき人々たちに感謝。
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コロナ禍のオリンピック。 いつかは思い出になって、 この本を読んだ人が現実に基づいているとは 思わなくなる日もくるのかな。 それくらい生々しく書いてある。 いろんな人のいろんな思いが 交錯していた時期だったのだと 改めて思った。 面白さとしては箱根に1票。
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タスキメシの第三弾。 箱根駅伝を終えて食品会社に就職した仙波千早は東京オリンピックの選手村食堂へ派遣される。そこで偶然にも駅伝部コーチ・眞家早馬の初恋の相手・井坂都と一緒に働くことに…。 前半は千早と都の二人を軸にした、世界のアスリートたちを裏方として支えるお仕事小説でした。...
タスキメシの第三弾。 箱根駅伝を終えて食品会社に就職した仙波千早は東京オリンピックの選手村食堂へ派遣される。そこで偶然にも駅伝部コーチ・眞家早馬の初恋の相手・井坂都と一緒に働くことに…。 前半は千早と都の二人を軸にした、世界のアスリートたちを裏方として支えるお仕事小説でした。 後半はうって変わって、早馬の弟・春馬を中心としたアスリートのお話。でも今作はほぼマラソンのお話でしたね。 駅伝要素もご飯要素も薄くなってますが、それでも第一弾、第二弾と読み進めてきたからこそ、おもしろいしグッときます。今までのタスキメシを読んできた方には、ぜひとも読んで欲しいです。 ちなみに今作は餃子と桃がめちゃめちゃ食べたくなりました。 エピローグがっ!私の地元・群馬で行われるニューイヤー駅伝でした。でも結局今年も駅伝、まったく見ませんでした…。年末に読み終えればよかったかなぁ。 *** 「任された仕事の中に、使命感や尊さを見出しながら働いてる。それだけだ」「だから全力でやる」「自分で選び取ったものじゃなくても、そこにやり甲斐を見つけて、やり遂げる」(130頁)
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読了したのが2023年1月1日。まさかエピローグの舞台とぴったり一致するとは思わなかった。オリンピック、世界陸上、ニューイヤーと様々な視点から描かれて、もはや飯はあまり関係ない。
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大好きなシリーズ。 それぞれの葛藤、成長が描かれてて、その後の物語が知れて嬉しくなる。また読み返そう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とても難しい問題で、私自身、オリンピックの開催に心から賛同できなかったし、全く観なかったので(ニュースで流れていたの見たけれど)、準備に携わって下さった全ての方に感謝する気持ちと同時に、日本の政情を憂う気持ちも再び湧き上がってきた読後でもありました。世界でオリンピックを知る人すべてが何かしらの感情を抱いただろうし、携わった方(観客の方も含めて)が満足であろうと、不満であろうと何らかの感情が動いたんだろうな、と思います。
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前半のまま話を膨らまして欲しかったのですが、途中力尽き果てたか、得意分野で収束してしまった感じで残念でした。
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Amazonの紹介より 己との闘いは、続いていく・・・・・・・。 箱根駅伝を終えた千早は食品会社に就職。その会社から東京五輪選手村食堂に派遣され、偶然コーチ早馬の初恋の人、都と仕事仲間に。主将として初出場が叶った4年次の箱根駅伝では、最後の最後で「努力に裏切られた」千早。東京五輪...
Amazonの紹介より 己との闘いは、続いていく・・・・・・・。 箱根駅伝を終えた千早は食品会社に就職。その会社から東京五輪選手村食堂に派遣され、偶然コーチ早馬の初恋の人、都と仕事仲間に。主将として初出場が叶った4年次の箱根駅伝では、最後の最後で「努力に裏切られた」千早。東京五輪選手村食堂では、裏方として世界のアスリートたちを支えるが、目の回る忙しさの中、自分の仕事への情熱が呼び起こされていく。駅伝では「努力に裏切られた」が、「裏切られた後の景色も悪くない。裏切られた俺は、今、頑張ってます」と言えるまでに成長していく。前半の「祈る者」は臨場感溢れ、読み手の心をつかんで話さないお仕事小説。 一方、眞家春馬はパリ五輪を視野に入れ世界陸上に参戦。兄早馬との関係や、世界を相手に挑戦を続けるアスリートの心象風景が描かれる、後半の「選ぶ者」。春馬、そして高校時代、大学時代ともにライバル関係だった選手・助川、藤宮らはアスリートとして悩み、葛藤を繰り返しながらも競技生活を続けている。彼らの自分との闘いは、やがて、世界へ・・・・・・。 「タスキメシ」シリーズの第三作目ということで、今回は社会人編となっています。 前半は東京オリンピックでの選手村での模様が描かれていて、物語はフィクションですが、所々多分、本当のエピソードが盛り込まれていると思いますが、へぇーと感心するエピソードばかりでした。 初めて目にする食べ物に感動するオリンピック選手達。その様子は、とても和みましたし、日本人で良かったなと思う部分もありました。 食べ物は人を幸せにする。料理が出てくるたびにこちらまで微笑ましい気持ちにさせてくれました。 その一方で、料理を提供している人達には、感謝しかないなと思いました。何千、何万という料理を作るということは想像できないですが、オリンピックの裏方として活躍していた人達は素晴らしいなと思いました。 後半では、春馬が体験する世界陸上の模様が描かれています。様々な道へ進んだ登場人物達。色々あれど、今でも友情で繋がれているのはうらやましい限りでした。 やっぱりスポーツの祭典って良いなと気持ちを高ぶらせてくれました。 ただ、今までの「タスキメシ」を読んでいた分、ちょっと拍子抜け感はありました。 ちょっと手間のかかった料理を食べることで、登場人物たちは一生懸命に頑張るといった構図が頭に浮かんでいた分、登場人物達と「食べ物」の関係性が薄くなったように感じました。学生時代は団体戦として熱気が溢れていましたが、この作品では、ほぼ「個人」でしたので、横との繋がりをもう少し楽しみたかったです。 また、学生とは違い、社会人なので、急成長するといった変化が楽しめないので、もう少しわちゃわちゃしていた学生時代をもう少し楽しめたかったなという個人的な思いはありました。
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