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貸本屋おせん の商品レビュー

3.4

34件のお客様レビュー

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2023/03/08

第100回オール讀物新人賞を受賞した「をりをり よみ耽り」から始まる、5篇収録の連作短篇集。文化年間の江戸・浅草を舞台にした人情噺で、主人公の貸本屋おせんがいい。 貸本屋といっても、店を構えて客を待つのではなく、お得意様の喜びそうな本を見繕って訪問するスタイルだ。必然大荷物となり...

第100回オール讀物新人賞を受賞した「をりをり よみ耽り」から始まる、5篇収録の連作短篇集。文化年間の江戸・浅草を舞台にした人情噺で、主人公の貸本屋おせんがいい。 貸本屋といっても、店を構えて客を待つのではなく、お得意様の喜びそうな本を見繕って訪問するスタイルだ。必然大荷物となり、まさしく表紙絵のような状態だったと思われる。 実際に起きた事件も盛り込みながら、行く先々で起こる様々な出来事を彼女ならではの機転で解決していく。続篇も楽しみだ。 NetGalleyにて読了。

Posted byブクログ

2024/02/14

星4.5 日本歴史時代作家協会賞 オール読物新人賞 デビュー作とは思えない。巻頭の作を、村山由佳が「まいりました」と唸ったというが、うまいなあと思う。 当時の出版事情も色々わかって面白い。

Posted byブクログ

2023/02/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第100回オール讀物新人賞受賞作 江戸後期の浅草を舞台にした貸本屋おせんの連作短編集。 おせんのキャラクタがいい。なんともいい。この境遇でこういう話だと主人公は清く正しく美しく、けなげでいじらしい、ってなってしまうのだけど、おせんはそれだけじゃない、たくましさとある種のふてぶてしさを持ってるところがいい。 腕のいい彫り師だった父親を失い、母も失い、天涯孤独になったおせんを見守る周りの人情もいい。幼馴染みでおせんにぞっこんの登もいい。そして本にまつわる5つの「事件」もそれぞれに面白くていい。 おせんが解く事件の鍵にぐいぐいと引き込まれる。紙好き本好きにはたまらないね、これは。

Posted byブクログ

2022/12/28

江戸市中で移動図書みたいな仕事をしている主人公おせんが、本にまつわる色々な厄介ごとに首を突っ込む話。 勝ち気なおせんは仕事一筋、本の為なら命を懸ける。小柄な体に本を背負って懸命に商いをする、こだわりと情熱に感服。 江戸の出版業界の勉強にもなる。 幕政批判ととられる書物、卑猥な...

江戸市中で移動図書みたいな仕事をしている主人公おせんが、本にまつわる色々な厄介ごとに首を突っ込む話。 勝ち気なおせんは仕事一筋、本の為なら命を懸ける。小柄な体に本を背負って懸命に商いをする、こだわりと情熱に感服。 江戸の出版業界の勉強にもなる。 幕政批判ととられる書物、卑猥な書物に関わった人間は相当厳しく処罰されていた様で…「本屋と御公儀は水と油」と言われる程。厳しい監視の目をかいくぐって、娯楽を得る江戸庶民の姿も勉強になった。

Posted byブクログ