貸本屋おせん の商品レビュー
江戸時代の貸本屋を主人公にした作品。 当時の生活模様が分かったのは面白かったが、今はあまり使わない漢字が多様されていて、振り仮名をつけて欲しかった。 前回5章だがどの章も、もう1展開あれば良かったなと思う。ある程度先の読める内容だった。
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時代小説は、面白いですね。なぜでしょう? 人情があるからでしょうか。 12歳で両親を失ったおせんは、女だてらに貸本屋を営んでいます。幕府の規制で出回らなくなった本などもあり…。貸本屋は、少し裏稼業の面もあるのですね。 そんな貸本屋おせんが、人々の困りごとを解決していく、5篇の短...
時代小説は、面白いですね。なぜでしょう? 人情があるからでしょうか。 12歳で両親を失ったおせんは、女だてらに貸本屋を営んでいます。幕府の規制で出回らなくなった本などもあり…。貸本屋は、少し裏稼業の面もあるのですね。 そんな貸本屋おせんが、人々の困りごとを解決していく、5篇の短編集。 続きもできそうですが、どうかしら?
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《2024年読了ー12冊目》 時は文化年間 浅草は福井町の千太郎長屋に暮らすおせんは天涯孤独の24歳 父、平治は腕のいい板木屋だったが、平治が手掛けた作品が奉行所の逆鱗に触れ、板木を削られ指をおられちまった 以後平治は酒におぼれ、ノミを持つことはなかったねぇ… おせんの母はそんな...
《2024年読了ー12冊目》 時は文化年間 浅草は福井町の千太郎長屋に暮らすおせんは天涯孤独の24歳 父、平治は腕のいい板木屋だったが、平治が手掛けた作品が奉行所の逆鱗に触れ、板木を削られ指をおられちまった 以後平治は酒におぼれ、ノミを持つことはなかったねぇ… おせんの母はそんな平治に愛想を尽かし、男をつくって出ていっちまった… そしてある日、平治はついに川に身を投げてしまったって訳よ… こうして天涯孤独となったおせんだったけどよ… 平治の知人や長屋の仲間にも助けられ、おせんは「貸本梅鉢屋」として、貸本を高々と担い江戸市中を飛び回ってよぉ〜 「わしらは本とお客さんをつなぐお媒酌なのさ」 おせんは、客が好みそうな本を担ぎ、下町を走り回ってねぇ〜 そりゃあおせんは粋だよ もう江戸の空気、匂い、江戸っ子たちの話し声まで聞こえてくる 勝ち気で男勝り、正義感が強くて人情に厚い…とにかくそんなおせんが魅力的でねぇ… だからなのか おせんときたら、貸本屋として市中を駆け回りながら、捕物まで解決してみせる お前さん、変なことに首突っ込むんじゃねぇよ!なんて言いたくなるんだけど まぁ、それも作品の魅力ってことで… あっ! そうだ…ちょいと艶のある話ってのも忘れちゃいけねえな… おせんもよぉ… 登と桜餅でも食いながら、愛を語らってはどうだい? というか、とっとと嫁に行きやがれ!(笑) 作品の中にチラッと出てくる「江戸の出版王」蔦屋重三郎 #横浜流星 くん主演で25年の大河ドラマが発表されましたね! これは楽しみ〜!
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艶話っぽさをちょいと絡めた、貸本屋おせんの行商活劇だ。各話ともに本や錦絵をめぐる事件帖で、毎度からくりを解かんとおせんが勝気に挑む。再三危うい目に会っては幼馴染の登に救われる。世話になってんだから、存分に口すいくらいさせてやんなよ。ともあれ、江戸期の貸本事情が伝わってくる。当時の...
艶話っぽさをちょいと絡めた、貸本屋おせんの行商活劇だ。各話ともに本や錦絵をめぐる事件帖で、毎度からくりを解かんとおせんが勝気に挑む。再三危うい目に会っては幼馴染の登に救われる。世話になってんだから、存分に口すいくらいさせてやんなよ。ともあれ、江戸期の貸本事情が伝わってくる。当時の人には読書好きが多く、実際に貸本業は盛況だったとか。版元であり流通革命の父・蔦屋重三郎も紹介される。庶民が読みたいのは御公儀が取締まる洒落本や黄表紙。そりゃそうだ。おせんには父親平治の無念晴らしで、もっと悪女ぶりを発揮してほしい。
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文化期の江戸・浅草は福井町、千太郎長屋に住む貸本「梅鉢屋」の"おせん"が、様々な事件に巻き込まれながらも一歩も退かず生きて行く物語。当時の「本屋」に対して、幕府の"目"が厳しかったことに、とても意外な印象を持った。
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3.5 江戸の貸本屋の話し。当時の出版業や製本業のなりわいや庶民の暮らしが判りつつミステリーの色合いも。あまり期待してなかったけど思いの外楽しめました。
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著者は男性なのか?文章を読んで最初思った。 それぐらい描写が力強さなどが印象的だった。 難しい漢字や場所の名前などで、辞書や地図を見ながら読んだのは久しぶりだった。 当時の閉塞感や北斎や蔦重の話は最近映画やドラマによく出てくるので、 興味深かった。 作品、板木、製本、貸本。当時の...
著者は男性なのか?文章を読んで最初思った。 それぐらい描写が力強さなどが印象的だった。 難しい漢字や場所の名前などで、辞書や地図を見ながら読んだのは久しぶりだった。 当時の閉塞感や北斎や蔦重の話は最近映画やドラマによく出てくるので、 興味深かった。 作品、板木、製本、貸本。当時の本屋さんのビジネスが非常に興味深かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
亡き父親の影響により貸本業を営むおせんさんが、お上、泥棒、幽霊、幻の書、火事、等々に出会い、立ち向かっていくお話(?)。 貸本業の様子がわかったり、まだいろいろ展開(登さん関係)しそうな感じもあり、楽しかったです。
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3話目の「幽霊さわぎ」から、おせんのキャラが掴めてきて話の筋も面白く思えるように。 江戸時代の貸本の仕組みや、本にまつわる人々の生き様を知れて興味深い。 時に作り手の企みを秘めて、そして読み手の想いを乗せて変化していく江戸の本は、それ自体に命があるかのようだ。 「本は一場のたわ...
3話目の「幽霊さわぎ」から、おせんのキャラが掴めてきて話の筋も面白く思えるように。 江戸時代の貸本の仕組みや、本にまつわる人々の生き様を知れて興味深い。 時に作り手の企みを秘めて、そして読み手の想いを乗せて変化していく江戸の本は、それ自体に命があるかのようだ。 「本は一場のたわむれだ。ありもしないことを、さも当たり前のごとく書き記した本や絵巻は、人の目にふれなければ無いに等しい。だったら無くてもいいと御公儀は断ずるのだろうが、ささやかなたわぶれ心によって、町の民びとは希みを得ることもあるのだ」p88
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一行目:ゼミの声と入れ替わるように、重羽こおろぎが鳴きはじめた。 絵を描く人、彫る人、刷る人、昔はそんなふうにわかれていたんだっけ。 思っていたより面白かった。 短編だけど、燕ノ舎は繰り返し登場するのかと思ったら、肩透かしで残念。 ラストのおせんの台詞「たかが本だよ」が良か...
一行目:ゼミの声と入れ替わるように、重羽こおろぎが鳴きはじめた。 絵を描く人、彫る人、刷る人、昔はそんなふうにわかれていたんだっけ。 思っていたより面白かった。 短編だけど、燕ノ舎は繰り返し登場するのかと思ったら、肩透かしで残念。 ラストのおせんの台詞「たかが本だよ」が良かったなあ。 本を愛する人ほどそんな言葉を使う。ふと、漫画「金魚屋古書店」でも同じような台詞が出てきたことを思い出し、無性に読みたくなる。
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