スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険 の商品レビュー
難しい、理解し難い人や場面に直面した時にすぐに白黒つけたがる節が自分にはある。 モヤモヤした感情を抱えているのはむず痒いし、決断を先延ばしにして時間を無駄にすることもしたくないからだ。 だが、分からないことを深く咀嚼し、モヤモヤを抱えた状態のまま過ごすことで、また新たな(これ...
難しい、理解し難い人や場面に直面した時にすぐに白黒つけたがる節が自分にはある。 モヤモヤした感情を抱えているのはむず痒いし、決断を先延ばしにして時間を無駄にすることもしたくないからだ。 だが、分からないことを深く咀嚼し、モヤモヤを抱えた状態のまま過ごすことで、また新たな(これまでの自分の価値観では到達し得ないような)次元に到達することがある。と言うか、このプロセスを怠ってしまうと、一生自分のステレオタイプに固定され、その反響の中だけで生きて行くことになる。 このモヤモヤを留め、深く咀嚼する能力を著者はnegative capabilityと定義する。 ネガティブ•ケイパビリティを可能にするためには、「余白(孤独)」が重要だ。絶え間なくファストな刺激を提供するスマホから離れ、この余白を手に入れる方法を本書では説いている(=趣味•自分の中の他人と向き合う事)。 抽象的な議論でややわかりにくかったが、所々共感できる部分もあった。もう少し「依存性」について知りたかったが、「哲学」を解く本なので、そのギャップもまた発見かなと。 ———————————————————- •自力思考が平凡なアウトプットに陥るのは、自分がすでに持っている考えを再提出しているにすぎないから。 •今の自分を維持できないほどの大きな衝撃を受けた人は、そこから何らかの問いや謎を汲み上げて、生活を新しく意味づける事で目を背けたい出来事と折り合いをつけ、和解する必要がある。この断ち切れない思いを無かったことにせず、安易に説明をつけずに向き合った経験が優しさである。 •誰かの経験をその人の視点から理解したいと望む時、安易な説明付けや意味づけに回収してはならない。 •寂しさから他者といようとする時、実際に働いているのは「自分への過剰な配慮」であり、「他者への配慮」ではない。 •何かを手に入れたと思っても、そこからこぼれ落ちるものがあることを知っている。「コレだ」と思ったものがもっと深さを持っていて、どこまでも知性を超えて行くと言う洞察が人間の知的探究心を刺激する。 •敵意や強い攻撃性もまた、その他者に対する強い依存の表現に他ならない。
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現代人はスマホなどが取り巻く環境によって何かに接続しているのに寂しい感覚を持っている。 結果、不確実さやモヤモヤなどのハッキリしていないものをハッキリしていないまま抱えておくネガティブケイパビリティが足りなくなっている。 その状態が必ずしも悪いと言っているのではなく、なんでそう...
現代人はスマホなどが取り巻く環境によって何かに接続しているのに寂しい感覚を持っている。 結果、不確実さやモヤモヤなどのハッキリしていないものをハッキリしていないまま抱えておくネガティブケイパビリティが足りなくなっている。 その状態が必ずしも悪いと言っているのではなく、なんでそうなっているのか、それを是としないときにどうしたらいいのかを論じている本だった。 なんとなく抱えていた「ゆったりできていなさ」に少しヒントをくれた、やさしい本だった
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「スマホ時代の…」と銘打たれているが、 読んでいてずっと思っていたのは、 これはいつの時代にも当てはまる話ではないかということ。 確かにスマホは私たちの習慣を大きく変えた。 ただ、その指摘自体はすでに語られ尽くされていて、 目新しさはあまり感じなかった。 結局、人はいつの時代で...
「スマホ時代の…」と銘打たれているが、 読んでいてずっと思っていたのは、 これはいつの時代にも当てはまる話ではないかということ。 確かにスマホは私たちの習慣を大きく変えた。 ただ、その指摘自体はすでに語られ尽くされていて、 目新しさはあまり感じなかった。 結局、人はいつの時代でも孤独を感じる生き物なのではないか。 孤独は不幸なのか。 それとも自由なのか。 母はよく「孤独は自由」と言っていた。それはトレードオフなのではないだろうか。 前半は面白かったが、 後半、エヴァンゲリオンの引用が増えてからは少し冗長に感じた。 エヴァも結局は一つの思考の集積であり、 それが現代人の普遍的な指標になるとは限らない。 ブルース・リーやスティーブ・ジョブズの言葉も同様で、私の解釈とは違っていた。 (ジョブズのスタンフォードのスピーチは、今でもとても良いと思う。) ✴︎みんなちがってみんないい この時代の切実な問題に対して、「答えは出ないよね」と いい感じに宙ぶらりんにしている印象も受けた。 どこか、名言を当てはめて満足しているようにも感じる。 人格の多面性については、 「私とは何か 「個人」から「分人へ」」(平野啓一郎)の方が腑に落ちるし、 退屈について語るなら 「暇と退屈の倫理学」(國分功一郎)の方が深い。 結果的に、 考えるきっかけにはなるが、 深く潜るには少し物足りなさも残るかなぁ。珍しく辛口で・・・
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「自分の頭で考えよう」「心の声に従い、やりたいことに邁進しよう」「他者とどんどん繋がろう」 といった、自己啓発書でありがちな文言が、この本では全否定される。 日本では珍しい"プロ哲学者"による、哲学への道案内と、私たち現代人のマズい状態の分析と、そこそこ具体...
「自分の頭で考えよう」「心の声に従い、やりたいことに邁進しよう」「他者とどんどん繋がろう」 といった、自己啓発書でありがちな文言が、この本では全否定される。 日本では珍しい"プロ哲学者"による、哲学への道案内と、私たち現代人のマズい状態の分析と、そこそこ具体的な提言がセットになった本。個人的には、もともと自己啓発の文脈が肌に合わなかったのもあり、著者の主張が好みに合って、とても好きな本になった。 しかしまあ何というか、感想を迂闊に書けない。表現・文体は易しく読みやすいので、意味不明ということではないのだが。というのも、本書の超ざっくり結論は、 「謎や疑問に対して、安易に『自分の分かる範囲』に回収せず、不確実性や疑念の状態に耐えること(=ネガティブ・ケイパビリティ)が重要。そのために自分自身と対話しましょう」 という感じだからだ。「◯◯という学びがありました!」とか言うと、「いやそういうことじゃねーから!」となる。 また、ここでの「自分自身と対話しましょう」というのは、「心の声に従う」「本当の自分を求める」といった内省とは違うことを言っている。むしろそういった内省は、「自分の声だと今の自分が思っているもの」を増幅させ、自分の中にある葛藤や対立を早々に手放すことを助長しかねない、と批判されている。 本書のメッセージを真摯に受け取って、本書が提案する狭義の〈趣味〉をゆっくり実践して味わった上で、時間をあけてまた読んでみたいと思った。
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sns時代で常時他人と接続された世界でインスタントで断片的な情報過多の世界に身を置いている。 空っぽなハイテンションな活動は承認欲求や虚栄心を満たすには適しているが、逸らそうとしている退屈や倦怠感、不安は目を逸らすべきでない。孤独の中で向き合わなければならない。 ハンナアレン...
sns時代で常時他人と接続された世界でインスタントで断片的な情報過多の世界に身を置いている。 空っぽなハイテンションな活動は承認欲求や虚栄心を満たすには適しているが、逸らそうとしている退屈や倦怠感、不安は目を逸らすべきでない。孤独の中で向き合わなければならない。 ハンナアレント。 孤独=1人の中に2人いる。俯瞰した自分。 「孤独(Solitude)」「孤立(Isolation)」「寂しさ/見捨てられ(Loneliness)」を区別し、特に最後者を危険視しました。前向きな自己対話である「孤独」に対し、他者や自己との対話が断たれた「寂しさ」が、全体主義を生む土壌(孤独に根ざした孤立)になると指摘しました。
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これ自分のために書かれたの?というくらい、読んでて思い当たる節がありまくりました。 注意として、この本は最近ありがちな「現代人はスマホ中毒だからスマホを手放そう」という前向きで安直な内容ではないです。 むしろ微量の毒を含み、読んでいてグサッときます。自己完結して「はいはい、そ...
これ自分のために書かれたの?というくらい、読んでて思い当たる節がありまくりました。 注意として、この本は最近ありがちな「現代人はスマホ中毒だからスマホを手放そう」という前向きで安直な内容ではないです。 むしろ微量の毒を含み、読んでいてグサッときます。自己完結して「はいはい、そんな人いるよね〜」と余裕をぶちかましていると横槍がスレスレを通過!みたいな危険度があります。まさにヒヤリハット。 でも危険なだけではくて、著者がしっかり伴走してくれます。中級者向けの登山道を、万全の道具(参考文献)や先輩(著者)を携えて登るイメージ。 スマホが手放せなくなった現実に向き合いつつも、その中で失われつつあるものに目を向けるきっかけを与えてくれる素敵な本です。ある種の現代人のバイブルかも? 内容はぜひご自身の目で!
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上から目線、決めつけ、押しつけ。ピンとこない、イライラする。ジョブスの言葉についての解説なんて、酷すぎる。自分こそが正しいと思っている人の文章
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【1. 本を買った理由】 書店で表紙を見て手に取りました。これまで、過去の哲学者のことは触れたことがあっても、現代の哲学者の考えを読むことはありませんでした。「スマホ時代」は、かつての人類が行ってきた営みとは違う日常を送っているだろうということは私もよく分かっているので、そんな...
【1. 本を買った理由】 書店で表紙を見て手に取りました。これまで、過去の哲学者のことは触れたことがあっても、現代の哲学者の考えを読むことはありませんでした。「スマホ時代」は、かつての人類が行ってきた営みとは違う日常を送っているだろうということは私もよく分かっているので、そんな時代に必要な哲学を学んでみたいと思い、購入しました。 【2. あらすじ(ネタバレなし)】 まずは、哲学とはどういうものか、解説をされています。過去の偉人たちの言葉を引用しながら、つまりどういうことか、と読者に語りかけています。この本は、森を歩くときに共にいると心強いパークレンジャーのように、哲学という未知の世界を伴走する相棒だと思いながら読んでほしいと書かれています。 【3. 読んでみて感じたこと】 読みやすさは〇でもあり△でもあります。哲学の導入として、現代社会に問題提起をしながら読むのはとても面白いと思います。途中でアニメや映画のワンシーンが出てきたり、頻繁に哲学者の引用が出てきたりと、飽きることなく読み進めることができます。しかし、哲学の性質上、1度読んで理解するということは難しいです。何度か目を通していますが、まだまだ飲み込みきれていない部分があります。それが哲学のあり方であると書かれてもいるので、私は正しい読み方ができているのかもしれませんね。 【4. おすすめしたい人】 ・哲学に触れたことがない人 ・大勢と繋がっているのに、寂しいと感じる人 ・哲学と生活を結びつけたい人 【5. まとめ一言】 何度も読むべき一冊になりました。哲学をする上での謙虚さを大切にしていきたいと思います。
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分類すると哲学書でありますが、読みやすい内容で最後までモヤモヤも楽しみながら読むことができました。 本書で恐らく読み終わった後に出てくる代表的な感想になってしまいますが、日常生活のモヤモヤを留めておき、すぐに解決しない考えは印象的でした。 結果的にモヤモヤを孤独を通じた自己対話を...
分類すると哲学書でありますが、読みやすい内容で最後までモヤモヤも楽しみながら読むことができました。 本書で恐らく読み終わった後に出てくる代表的な感想になってしまいますが、日常生活のモヤモヤを留めておき、すぐに解決しない考えは印象的でした。 結果的にモヤモヤを孤独を通じた自己対話を通して意見を交わしていくことが、人間としての成長や深みにも繋がると感じることができました。
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第一章 「自分を疑え」「単純で消化しやすいものは満足しやすいが難しくモヤモヤするものが人間を成長させる」みたいなことが書いてあった。非常に納得はできた。見てすぐに理解でき、満足できるものばかり見ていても楽しいだけで自身の成長は感じられない。どこか謎が残る作品を見た方が見た後もその...
第一章 「自分を疑え」「単純で消化しやすいものは満足しやすいが難しくモヤモヤするものが人間を成長させる」みたいなことが書いてあった。非常に納得はできた。見てすぐに理解でき、満足できるものばかり見ていても楽しいだけで自身の成長は感じられない。どこか謎が残る作品を見た方が見た後もその作品のことを考えるから思考が深まるような感覚は確かにある。これは実生活でもそうで、同じ仕事を繰り返すことももちろん立派で素晴らしいことだが、スキルアップはしない。しかし、新たな仕事に挑むことで考え方の選択肢が増えるような気がする。 このように理解はできたが、ゲームや漫画、アニメやテレビ等を単純刺激なものとして下に見ているのが伝わってきて少しムカついたかな。
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