思い出リバイバル の商品レビュー
忘れられない過去を再上映できるなら、と考えたけど過去を変えられるわけではないし追体験だけなら望まないかも…と思ってしまう。どの話も事件や事故など辛いものや、楽しい思い出が実はこうだった…という内容だけど、やっぱり今が大切だと思えたり再確認できるならきっと前に進むきっかけにはなるは...
忘れられない過去を再上映できるなら、と考えたけど過去を変えられるわけではないし追体験だけなら望まないかも…と思ってしまう。どの話も事件や事故など辛いものや、楽しい思い出が実はこうだった…という内容だけど、やっぱり今が大切だと思えたり再確認できるならきっと前に進むきっかけにはなるはず。都市伝説化した謎だらけの映人の秘密が明かされる最終章ではさらに強くそう思う。人は見たいものだけを見るし思い出は美化されるけど、例えば歳を取ってからあったかく優しい思い出を再上映してもらって懐かしむことができたら幸せだろうな。
Posted by
辻村美月さんの「ツナグ」、清水晴木さんの「さよならの向う側」に似ている。 連作短編集。 思い出をふり返るということは、自分自身と向き合うことなのかもしれないなぁ…なんて漠然と思いながら読んだ。 再上映、過去を再体験する。 一方的にしか見られなかったことが、多角的に見られるようにな...
辻村美月さんの「ツナグ」、清水晴木さんの「さよならの向う側」に似ている。 連作短編集。 思い出をふり返るということは、自分自身と向き合うことなのかもしれないなぁ…なんて漠然と思いながら読んだ。 再上映、過去を再体験する。 一方的にしか見られなかったことが、多角的に見られるようになり、見えなかった真実が見えてくる。 残酷だったり、優しさを感じたり、ほろ苦く感じたり… ラストの短編は私にとっては蛇足。少し残念。
Posted by
「たったひとつだけ思い出を再上映できるとしたら、あなたはどれを選びますか?」 過去に自分が見ていた世界と時間を経て大人になった自分から見た世界は全くの別物。もし自分が思い出を再上映するとしたら何を選ぶだろうか。再上映したいと思えるような思い出を作るために今を生きてる。
Posted by
思い出を呼び覚まして、本人に再上映(リバイバル)できる人、「映人」を取り巻く物語。 五話に分かれていて、それぞれの話の中で主人公が映人によって過去の思い出を”体験”し、そのことを通じて現在(今)のことを改めて理解する。 過去があって今がある。そんな当たり前のことを思い起こさせてく...
思い出を呼び覚まして、本人に再上映(リバイバル)できる人、「映人」を取り巻く物語。 五話に分かれていて、それぞれの話の中で主人公が映人によって過去の思い出を”体験”し、そのことを通じて現在(今)のことを改めて理解する。 過去があって今がある。そんな当たり前のことを思い起こさせてくれる物語です。彩坂先生らしい、ミステリアスであり、甘酸っぱくもあり、どこか哀しい小説です。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「ツナグ」を連想させる3編。 依頼人の望む、自分の過去の1日を、仲介する〈映人〉と思い出の品により、再度体験できる、というお話。 4話目はとてもドラマチックで、そして、 敢えて読まない5話目。 そこで得た、今の心地よい読後感。 今まで読んだ数百冊の小説のうち1%にも満たないと思うが、それでもチラホラ、 「最後のアレがなかったら、自分にとって大好きな本だったのに・・・」 唇を噛み締めた経験が数度あった。 今回は、フォロワー、さてさてさんのレビューを読み、リスク回避をした感じです。 ありがとうございました。 ①父の思い出 立花亜衣は、幸せな家庭で育った恋人からのプロポーズを受け、少しの不満で転職を繰り返す父が不慮の死を遂げた、“あの日“に向き合うことを決意する。 ②恋人との思い出 結婚3年目。恋人だった頃の愛情は消え失せ、今日は起き抜けにケンカまでして家を飛び出した林里佳は、高校時代の恋人、佐倉真吾との、最後の“あの日“を指定する。 ③青春の思い出 仕事も職場の人間関係も不満だらけ、冴えない日常を送る三橋陽太。「オレはこんなところにいる人間じゃない!」自分が最高に輝いていていた“あの日“、高校の文化祭の日へと戻る。 ④ある犯罪の思い出 炎天下、林間学校の山歩きの最中、小山和夫は仄かに思いを寄せる静子が木陰にうずくまっているのを見かけ声をかけるが、静子は構って欲しくなさそうな様子。まもなく天候が急変し、いきなり激しい雨や雷鳴が轟き、生徒たちは走り出した。和夫は列の中に静子がいないのに気づき、1人引返す。 ⑤映人の思い出 〈未読〉 物語としては④が素晴らしい。 ただ、僕の胸を一番衝くのは③。 三橋陽太のような経験が僕にも何度かある。 “いい”話だ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「たった1つだけ思い出を再上映できるとしたら、あなたはどれを選びますか?」 何人かの思い出が再上映されるが、それぞれ全く違うので飽きさせない そして最後には再上映させる人「映人」の正体が!! 先が気になり、一気読み
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
⚫︎受け取ったメッセージ 思い出は変化することはないけれど、 新しい意味を加えて前に進むことはできる。 ⚫︎あらすじ(本概要より転載) ひとつだけ、過去を「再上映」できるとしたら。今だから気付けることがあるーー思い出とは、未来へ一歩踏み出す自分を支えてくれるもの。 思い出をひとつだけ「再上映」してくれる不思議な存在、映人。 過去を変えることはできないが、今の自分の視点でもう一度過去を見直すことができる。 幸せだった頃を取り戻したい人、後悔にけりをつけたい人……映人に再上映を依頼する理由は様々だが、受けるか受けないかは映人なりの基準があったーー。 幸せなものでも、苦しいものでも、自分にとって価値があって大切なものだと心から思えたら、きっと「これから」が変わっていく。 思い出を再体験した依頼人たちは、何を得るのか。 そして、映人の正体と目的とは。 ⚫︎感想 さてさてさんの感想を読んで、読みたくなり、読了しました。ありがとうございます。 まず、装丁が素敵でした。コンセプトに惹かれました。思い出を上映してくれる…。この本に出会った人は、自分の思い出の中でなら、どれを上映してもらおうか…と必ず考えると思う。 この本を読んで、内容というよりは、むしろ自分の内面を見つめられる本だなと思った。そういう本の方が読んだ価値があると思う。 人生は良いことばかりでなく、むしろ悲しいことの方が多く記憶に残るから、あのときもっと出来ることはなかったかと痛みを持って思い出すことが多い。だけど、あの時はあの時で、あの時の精一杯があったのだと、前に進むしかない。 今この瞬間も、思い出のひとつになるのだから、精一杯大切にしていこうと思えた。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
取り戻したい過去の思い出を再上演できる。その人には出会うべき人しか出会えない。 仕事を転々とし、母や娘の自分に迷惑をかけ続けた父。離婚後、進路選択の高校3年時。数年ぶり会った父からの言葉は私を失望させた。直後に何者かに襲われ亡くなった父の本当の想い。真実はとても優しくそして残酷なものだった。 結婚3年目。一生を共にする決意をした夫。それなのに最近は彼の悪い所ばかり目についてしょうがない。こんなはずじゃなかった。思い出すのは元カレとの幸せな思い出。もう一度彼に会いたい。彼との最後のデート。あの時の楽しい時間を取り戻せたが、目の前にある彼の死を阻止することはできない。一緒に過ごした時間は決して消えない。元カレが教えてくれたこと。日常の幸せに、夫の優しさに、気づけないでいたのは自分だった 企画を提案しても頭の固い上司は首を縦に振らない。調子の良い後輩は媚びて上司や取引先に可愛がられている。ここは俺のいるべきではない。高校時代のあの輝かしい時間に戻りたい。最高の文化祭だったはず。仲間から慕われ好きな子も自分を好いている。突きつけられた現実は全く違うのもだった。人はだれしも自分の見たいものを見る。大人になった今、自分の世界を変えるときが来た
Posted by
都市伝説のようにささやかれる、思い出を再上映する〈映人〉。 一縷の希望を持って映人に会いに来る人々。 「ある犯罪の思い出」のラストが素敵だった。 私にはリバイバルしたい思い出はまだないな。
Posted by
「映人」。都市伝説としてネット上を賑わす人物で、依頼者の過去の思い出をひとつだけ「リバイバル」してくれるという。 その映人のリバイバルのおかげで人生の新しい一歩を踏みせるようになった人たちの物語。 本編5話とプロローグからなり、主人公は各話で異なる。 * ...
「映人」。都市伝説としてネット上を賑わす人物で、依頼者の過去の思い出をひとつだけ「リバイバル」してくれるという。 その映人のリバイバルのおかげで人生の新しい一歩を踏みせるようになった人たちの物語。 本編5話とプロローグからなり、主人公は各話で異なる。 * * * * * 過去の思い出の一点に戻ることができるというので、岡崎二郎さんのSFファンタジーマンガ『時の添乗員』のようなストーリーを想像していたのですが、本作はもっと暗くて何となくすっきりしない印象でした。 特に、第1話の「父の思い出」がすっきりしません。 父親が殺される瞬間に立ち会いたいという希望もどうかと思うし、父に致命傷を負わせたのが実は娘の自分だったという真相を突きつけられて、ああいうラストになるとは考えづらい。 また、映人の偽物との対決を描く最終話もすっきりしません。 映人の名誉を回復しようと奔走する遼太については、彼が危険を犯してまで行動するほどの動機がわかりにくい。 さらに、映人が若い女性だったという設定自体は悪くないと思うけれど、その真の能力についてはヴェールに包まれたままだったのが、個人的に物足りませんでした。 過去の不本意な思い出に囚われていては新たな一歩は踏み出せないし、未来は拓けない。過去との訣別は必要になります。 だから、それを手助けしてくれる存在として能力者を登場させるのはファンタジーの定石でしょう。むしろ、そういった点を私たちは楽しむものだと思います。 でも、能力者に妙なスポットの当て方をした最終話の作り方が、作品を中途半端なものにしてしまった気がしました。それが少々残念に思うところでした。
Posted by
- 1
- 2