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猫を棄てる 父親について語るとき の商品レビュー

3.7

76件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2026/03/18

村上春樹さんが語る彼の父親とのこと、戦争のこと。 私の父の父、つまり祖父には会ったことがない。 夏休みに祖母の家に行くとまず仏壇で手を合わせた記憶があって、写真の祖父は軍服姿だったと思う。 私の戦争に関する記憶は祖父に関することしかない。 村上春樹さんが語るこの物語を読めて良...

村上春樹さんが語る彼の父親とのこと、戦争のこと。 私の父の父、つまり祖父には会ったことがない。 夏休みに祖母の家に行くとまず仏壇で手を合わせた記憶があって、写真の祖父は軍服姿だったと思う。 私の戦争に関する記憶は祖父に関することしかない。 村上春樹さんが語るこの物語を読めて良かったと思う。

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2026/01/13

村上春樹氏のお父様に対する短めのエッセイ。従軍の記録などよく調べたものだと思った。イラスト入りが雰囲気を出している。

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2025/11/20

村上春樹さん 文藝春秋2022年11月発行 絵 ガオイェンさん 亡くなった父親についての文章とどこか懐かしい絵 棄てた猫が、先回りして帰宅しているところは、思わず嬉しくなった。 心に響いたフレーズはたくさんありますが、 ひとつだけ引用します。 父の記憶、父の体験、そこから受け...

村上春樹さん 文藝春秋2022年11月発行 絵 ガオイェンさん 亡くなった父親についての文章とどこか懐かしい絵 棄てた猫が、先回りして帰宅しているところは、思わず嬉しくなった。 心に響いたフレーズはたくさんありますが、 ひとつだけ引用します。 父の記憶、父の体験、そこから受け継いでいくもの 引き継ぎという行為、あるいは儀式の中にある。その内容がどのように不快な、目を背けたくなるようなことであれ、人はそれを自らの一部として引き受けなくてはならない。もしそうでなければ、歴史というものの意味がどこにあるのだろう?

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2025/08/26

私がこの本で得られたこと、あとがきにあるように、歴史が過去のものではなく、それらが自分の中にあるのだと言うことを感じられたことです。 父と共に猫を捨てにいったのに、その猫が先回りして家にいた。そんな父と僕との何気ない人生の共通の思い出が、2人の中にあり、その共通のものが、2人を...

私がこの本で得られたこと、あとがきにあるように、歴史が過去のものではなく、それらが自分の中にあるのだと言うことを感じられたことです。 父と共に猫を捨てにいったのに、その猫が先回りして家にいた。そんな父と僕との何気ない人生の共通の思い出が、2人の中にあり、その共通のものが、2人を作っていくという感じ。その象徴的な絵のように感じました。 小さな日々の積み重ねが、やはり自分をつくりあげ、その一つが違えば、また違う道がある。こうしたいくつもの重なりや偶然の上になりたっていることを、村上春樹さんとそのお父さんの一つの歴史の中で感じさせてもらえる本だったと個人的には想います。 高妍のイラストもこのお話の雰囲気と相まってとても素敵でした。

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2025/06/18

一人称単数のヤクルトスワローズ詩集の続き、みたいなのを読みたくて読んでみた。 父親との関係を赤裸々に綴った本。 確かに自分のファミリーヒストリーを辿っていくと不思議な感じ、運命やそれの連続である宇宙を感じる感覚みたいなの、わかるなー。 改めて映画バックトゥーザフューチャーってすげ...

一人称単数のヤクルトスワローズ詩集の続き、みたいなのを読みたくて読んでみた。 父親との関係を赤裸々に綴った本。 確かに自分のファミリーヒストリーを辿っていくと不思議な感じ、運命やそれの連続である宇宙を感じる感覚みたいなの、わかるなー。 改めて映画バックトゥーザフューチャーってすげえなー。 こういう感覚みたいなのを、あそこまでマス向けにポップに分かりやすく落とし込んだんだもん。 エリート向けに抽象的な比喩や表現も使って説明するより、断然難しいと想う。。 リスペクト、ロバートゼメキスandスピルバーグ

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2025/06/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

父の心に長いあいだ重くのしかかってきたものを-息子である僕が部分的に継承したということになるのだろう。人の心の繋がりというのはそういうものだし、また歴史というのもそういうものなのだ。その本質は〈引き継ぎ〉という行為、あるいは儀式の中にある。その内容がどのように不快な、目を背けたくなるようなことであれ、人はそれを自らの一部として引き受けなくてはならない。もしそうでなければ、歴史というものの意味がどこにあるだろう?【P63】 たとえば僕らはある夏の日、香櫨園の海岸まで一緒に自転車に乗って、一匹の縞柄の雌猫を棄てにいったのだ。そして僕らは共に、その猫にあっさりと出し抜かれてしまったのだ。何はともあれ、それはひとつの素晴らしい、そして謎めいた共有体験ではないか。そのときの海岸の海鳴りの音を、松の防風林を吹き抜ける風の香りを、僕は今でもはっきりと思い出せる。そんなひとつひとつのささやかなものごとの限りない集積が、僕という人間をこれまでにかたち作ってきたのだ。【P106】 村上春樹さんの物語で、私の物語だ。ささやかなものごとの集積。ストンと、納得できた。

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2025/05/26

作者として絶大な人気を誇る村上さんの幼少期はどんなものだったのかが気になり読みました 誰にでもある幼少期にある一種のエピソード、トラウマ、印象に残ってるなんともないこと。 主にはご両親のお話。猫の話。 ぎゅっと幼少期の出来事が詰まっているけど どれも村上さんにとって忘れられ...

作者として絶大な人気を誇る村上さんの幼少期はどんなものだったのかが気になり読みました 誰にでもある幼少期にある一種のエピソード、トラウマ、印象に残ってるなんともないこと。 主にはご両親のお話。猫の話。 ぎゅっと幼少期の出来事が詰まっているけど どれも村上さんにとって忘れられないエピソードなのだろうなと思った

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2025/05/29

明らかになる父親の存在  「神の子どもたちはみな踊る」でも父親との不和を描いた村上春樹だが、やうやくそのベールがまくられた。  父親は中国へ行き、中国人捕虜が殺されるのを見た。この話を聞かされたことが「ねじまき鳥」の原点になってゐるのは、想像に難くない。  勉強好きの父親とさう...

明らかになる父親の存在  「神の子どもたちはみな踊る」でも父親との不和を描いた村上春樹だが、やうやくそのベールがまくられた。  父親は中国へ行き、中国人捕虜が殺されるのを見た。この話を聞かされたことが「ねじまき鳥」の原点になってゐるのは、想像に難くない。  勉強好きの父親とさうでない息子とのあひだに、必然的にみぞが生じる。絶交状態は長くつづき、死ぬまぎはに和解のやうなことをした……

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2025/05/09

どんな人間も、平凡な親から生まれてきた、平凡な人間である。幼少時代にその親によって育てられたのならば、思いをどんな形でありながらも、受け継いでしまう。それがいいことであれ、悪いことであれ。

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2025/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

村上春樹の父親のことをまとめた自叙伝ならぬ父叙伝?で、戦争の時代を生きた父親のことを、その息子である村上春樹が、あやふやな記憶とたくさんの文献から整理したもの、、という(どちらかというと)村上春樹にしては味気ない印象を受けた。 個人的には、村上春樹の本に対して自分は、彼の考えたこととか感性に触れる、ということを求めているのだな、と再確認できた。 ちょっと毛色の違うものを、、と思って手に取ってみたが、いささかばかり事実の整理という側面が強く、途中からは流し読みになってしまった。 (そのために書いた、と著者自身が言っている本なのだから、それを承知で読み始めた自分が悪いのだけれど) いちばん印象に残ったのは、やはり最後の締めのところでの文章だった。 「...我々は、広大な大地に向けて降る膨大な雨粒の、名もなき一滴に過ぎない。固有ではあるけれど、交換可能な一滴だ。しかしその一滴の雨水には、一滴の雨水なりの思いがある。一滴の雨水の歴史があり、それを受け継いでいくという一滴の雨水の責務がある。我々はそれを忘れてはならないだろう。たとえそれがどこかにあっさりと吸い込まれ、個体としての輪郭を失い、集合的な何かに置き換えられて消えていくのだとしても。いや、むしろこう言うべきなのだろう。それが集合的な何かに置き換えられていくからこそ、と。」 なんでもない自分が、なんでもない平々凡々な人生を生き切ることの意味を、ここに見出せる気がしている。 記憶というのはとても曖昧であやふやなもの、、というのを、最近、読んだ本や自分の経験からひしひしと感じていた。 この本の中でも、そんな場面がいくつかあった。まとまった言葉や文章になっていれば、なんとなく確かなもののように感じるが、実際にはさまざまな文献を辿って、整理して、そこで初めて記憶という形になるものだと読んでみて思った。

Posted byブクログ