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竜の姫ブリュンヒルド の商品レビュー

4.1

7件のお客様レビュー

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2026/02/06
  • ネタバレ

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『竜の姫ブリュンヒルド』は、ファンタジーという器を借りて「生き方そのもの」を問いかけてくる、静かで苛烈な物語だった。 人と竜、国家と個人、祈りと犠牲―― そのどれもが安易な善悪に回収されることなく、痛みを伴った現実として描かれる。特に印象的なのは、ブリュンヒルドという主人公が「巫女」という役割に押し込められながらも、与えられた運命をただ受け入れる存在ではない点だ。彼女は迷い、疑い、傷つきながら、それでも自分の意志で選択を重ねていく。その姿は気高く、同時にとても人間的で、心に強く残る。 物語全体に漂う空気は決して軽くはない。むしろ、読む側に覚悟を要求するほど重厚だ。しかしその重さは、単なる陰鬱さではなく、「奪われること」「守ること」「信じること」の意味を丁寧に掘り下げた結果として生まれている。だからこそ、ページを閉じた後に残るのは虚無ではなく、確かな余韻と静かな納得感。 また、竜という存在も単なる象徴や装置にとどまらず、人間とは異なる倫理と時間を生きる存在として描かれている点が、この作品に独自の深みを与えている。人の都合で語られがちな「守護」や「犠牲」という言葉が、ここでは容易に通用しない。その緊張感が、物語全体を引き締めている。 『竜の姫ブリュンヒルド』は、読後に爽快感を与えるタイプの物語ではない。けれど、確実に心の奥に沈み、時間をかけて反芻したくなる力を持っている。

Posted byブクログ

2025/07/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『竜殺しのブリュンヒルド』の続編的作品。 邪竜の脅威にさらされる小国ノーヴェルラント王国は、神聖な竜(神竜)と契約して守護を受けていた。その神竜と心を通わせる者こそ「竜の巫女」であり、その家系に生まれた少女・ブリュンヒルドは幼い頃から神殿で竜と会話し、月に七人の生贄を捧げる儀式を務めていた 。しかし、ブリュンヒルドは竜が生贄を食べる残忍な姿を目撃することで王国を襲う邪龍は本当に存在するのか疑い始める。 やがて、ブリュンヒルドは、従者ファーヴニル、王国の王子シグルス、王子に使える王国一の騎士スヴェンと共に神龍を倒すことを画策する。 読んでいて話の着地地点がどこになるのかわからなくなる作品。 神龍はいつ倒せるのか。シグルスは助かるのか。 ハッピーエンドになるのか、それともバッドエンドになるのか、なかなか見えない展開でした。 異世界転生物や軽めのファンタジー作品が多いライトノベル界で、この緊張感を出せる作家はなかなかいないように思えます。 『竜の姫ブリュンヒルド』もスリリングな作品でした。東崎さんの作品は、いつもギリギリのテンションで溢れています。

Posted byブクログ

2025/05/06

竜に仕える巫女が竜の慣習に疑問を抱き、竜と対立していく、、お話(?)。 「ブリュンヒルド」シリーズ第2弾。人名は重なるが、また別の世界線のお話かと思いきや、、、。今作では主と従者の関係が上手く絡みあっていて流石だなぁ、と思いました。 今作もラストがどうなるかが気になり、サクッ...

竜に仕える巫女が竜の慣習に疑問を抱き、竜と対立していく、、お話(?)。 「ブリュンヒルド」シリーズ第2弾。人名は重なるが、また別の世界線のお話かと思いきや、、、。今作では主と従者の関係が上手く絡みあっていて流石だなぁ、と思いました。 今作もラストがどうなるかが気になり、サクッと一気読みできてしまいましたなぁ。 「テイルズ」シリーズみたい(?)に大枠が一緒だけど違う世界のお話かと思わせておきつつ、最後で繋げてきていてお見事だなぁ、と思いました。

Posted byブクログ

2024/11/01

前巻もそうだったけど、ハッピーエンドともバッドエンドとも言えない、絶妙な終わり方がお上手。 確かに悲しいんだけど、それが最善だったとしか言いようがない。

Posted byブクログ

2023/09/05
  • ネタバレ

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前作の終わりを読んで一番疑問に思ったのが、「続くの…?」だったが、なるほどそういうことか。 一瞬パラレルワールドかと思ったが、あの時代の前、ファルシオンやバルムンク、ジークフリートの成り立ちの話だった。 「ブリュンヒルドの物語」…そういうことなー。 そして相変わらず残酷。縹けいか作品よりは絶望ではないが、全然ハッピーエンドじゃなくて良い。 しかしコミックだとしんどいものは読みたくなくてハッピーなものを読みたがる最近なのになぜ小説だと構わないのか、我ながら不思議。 最初読み始めてたときはあの神竜の700年前の話かと思ったが、途中でエデンにいないから違うと気づいた。というかエデンどんだけあるんだろう。 そしてこの小国、某巨人話のように壁に囲まれているらしいが、どうやって成り立ってるんだろうか。こういうのって結構広くないと成り立たないのでは。まあ、広いんだろうな。こういうの、ついつい気になってしまうけど割とどうでもいいところばかり気になってしまう悪癖。 ファーブニルが裏切るように見えて愛に目覚めるか、目覚めなくてもブリュンヒルドをかばって死ぬとかそういう話だろう!と思ったけど合ってたような合ってなかったような。 ただ、神竜ですら愛を知っているのにそれを知らない自分は一体なんなんだ、という懊悩はなんか最近の自分に刺さるのでやめてくれ。しかももちろん特別な理由があったわけではなく、最後までそういう人間だったというだけ。まあ、自分はさすがに愛はある。猫好きだし子供も好きだし。ファーブニルは愛がそもそもないから恋愛も愛も区別してなかったが、共感できるのがファーブニルというのが悲しいといか中二病感あって嫌だなぁ。 前作もそうだったが、神竜がかなり神よりは人に近い感情を持ってておもしろい。今回はスヴェンがおかしかっただけという感じもするが、それでも人ひとりに負けるし、考えも別に全てがわかるとかでもなく普通にだまされ、普通に衝動で動き、考えもあっさり読まれたりしている。若干神性を失う感じはするが、わかりやすいのでヨシ! 本屋でこれを買ったとき、三冊目の存在も確認して、そのときは更に混乱したけどこういう流れならヨシ!安心して次も読める。まあ、次は次でこれまでの流れを更に良い意味で裏切ってくれるのかも知れないけど。 ちなみに文中にドミノ倒しとかいう表現が出てくると、読みやすいけどこの世界にドミノあるんかいとか思ってしまうので人々がなだれ落ちてきたみたいな一般的な表現のほうがいいのではと思ったりするけどでも他の慣用句だって語源とか言い始めたらどれもこういう世界にはないものばかりなわけでうーむ。

Posted byブクログ

2023/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

好評を博した『竜殺しのブリュンヒルド』に続く第二弾。前作が綺麗に終わっているので、どうするのかと思ったら前日譚(というかかなり昔の話)で勝負してきた。 一作目に比べると、メインキャラが四人に増えた分、かなり書くのに苦労している印象。 もうすぐ、シリーズ三作目も出るようなので、次はどうなるか。

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2022/11/17

竜に子供を生贄として捧げる世界。世界の在り方に疑問を抱いた少女・ブリュンヒルドを中心に、4人の少年少女が織りなす、ダークファンタジー。 彼らそれぞれの信念に基づいた選択によって、愛情や憎しみを生みつつも、すべてを赦し、たどり着く結末は圧巻。傑作でしょう。 前作「竜殺し」と同様、竜...

竜に子供を生贄として捧げる世界。世界の在り方に疑問を抱いた少女・ブリュンヒルドを中心に、4人の少年少女が織りなす、ダークファンタジー。 彼らそれぞれの信念に基づいた選択によって、愛情や憎しみを生みつつも、すべてを赦し、たどり着く結末は圧巻。傑作でしょう。 前作「竜殺し」と同様、竜と人の愛というテーマを同じ世界観で描きながらも、単独作品として纏まとまっており、凄い。 多分、ゲルマン神話の要素を取り入れた作品で、読了後にブリュンヒルドとシグルズの関係や、ファーヴニルの立ち位置を調べても面白いかもと思いました。

Posted byブクログ