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ポエトリー・ドッグス の商品レビュー

3.9

34件のお客様レビュー

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2024/11/04

犬のマスターがカウンターに佇む、住宅地のバー。突き出しは、ナッツでもフルーツでもなく、詩。 し、って、あの 詩 ですか? そう、あの詩です。 私は詩はあまり嗜みませんが、たまに、ハッと視界を一段明るくしてくれるような言葉に出会うことがありますよね。そういう時は本当に嬉しい。 ...

犬のマスターがカウンターに佇む、住宅地のバー。突き出しは、ナッツでもフルーツでもなく、詩。 し、って、あの 詩 ですか? そう、あの詩です。 私は詩はあまり嗜みませんが、たまに、ハッと視界を一段明るくしてくれるような言葉に出会うことがありますよね。そういう時は本当に嬉しい。 犬を愛する男性の、マスターとの交流の物語としても、しみじみ味わい深い一冊でした。 漢字で書くのが一般的な言葉も、あえてひらがなで書いてあったりするのが、詩人の方の書いた作品だなぁって感じです。

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2024/10/26

詩って難しい。 その感覚は、読み終わった後も変わらないけど それを、詩を読み込めない自分をなんだか少し 恥ずかしく思ってたあの自分はいなくなった。 どう感じるかも、どう捉えるかも、 そこに別に正解はないし、なんでもいい。 言ってしまえば詩だってただの文字の羅列。 そんな風に肩...

詩って難しい。 その感覚は、読み終わった後も変わらないけど それを、詩を読み込めない自分をなんだか少し 恥ずかしく思ってたあの自分はいなくなった。 どう感じるかも、どう捉えるかも、 そこに別に正解はないし、なんでもいい。 言ってしまえば詩だってただの文字の羅列。 そんな風に肩の力を抜いて読むと ふっと心に風が吹いて入り込んでくる。 それで十分だと思える本。

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2024/10/23

音読で、4ヶ月かけて少しずつ読了。犬のマスターがお酒のつきだしに、詩をつけてくれるバーでの物語。詩は難しいもの、という思い込みはなかったが、滋味あるよいお話でした。筆者の別作品とのリンクも思わせる描写もあって、にっこり。

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2024/10/21

歩くと、おもい出してしまう。 よろこぶからって、あんなにどこもかしこも散歩するんじゃなかった。もう、どの道も、歩けない。 いぬのバー最後の夜 毎回泣いてしまう

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2024/06/10

詩の読み取り方には正解は無いと思う。それぞれ思い思いの受け取り方ができるのが詩の魅力の一つかと。 温かい部屋で毛布にくるまりながら読みたくなる本だった。

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2024/03/21

犬がマスターのバー 突き出しに詩を出してくれる 詩のことはよくわからない、だけどじんわり沁みてくる言葉たちがそこにはある マスターと主人公の掛け合いの意味が徐々に理解できて、疲れた時に読んだら泣いてしまいそう そっと寄り添ってくれる素敵な本でした

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2024/03/10

小説の形をとりながら、「こんな読み方もあります」という紹介をしてくれる、おもしろい形式だなあとおもった。詩人と詩に関する話が印象的だった。 倉橋の酔郷譚もそうだけど、バーを舞台にした連作短編って好きだなあ。バーテンと客の間に薄い境界(カウンター?)があって、バーテンは異界の人物な...

小説の形をとりながら、「こんな読み方もあります」という紹介をしてくれる、おもしろい形式だなあとおもった。詩人と詩に関する話が印象的だった。 倉橋の酔郷譚もそうだけど、バーを舞台にした連作短編って好きだなあ。バーテンと客の間に薄い境界(カウンター?)があって、バーテンは異界の人物なんだけど、客もそちら側に行ける、という構造なのかも。

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2024/01/31

自分をひとりにさせないでくれる本だなと思いました。 イケイケどんどんなひとには響かないテンポの本かもしれないけれど、ひさしぶりに、ひとにおすすめできる本の候補が見つかりました。 詩に関心はあるけれど詩そのものの本はハードル高いなと思うひと、バーという言葉に魅力を感じる方におすす...

自分をひとりにさせないでくれる本だなと思いました。 イケイケどんどんなひとには響かないテンポの本かもしれないけれど、ひさしぶりに、ひとにおすすめできる本の候補が見つかりました。 詩に関心はあるけれど詩そのものの本はハードル高いなと思うひと、バーという言葉に魅力を感じる方におすすめです。

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2024/01/20

たまたま立ち寄ったのは、いぬのマスターがつきだしのかわりに詩を出してくれるバーだった・・・そんなファンタジックな設定。「ぼく」はそのバーに15回訪れて、そのたびにマスターが出してくれたお酒を飲み、詩を読み、話す。 「詩はわからない!」 前半、読みすすめながら、正直、そう思った。...

たまたま立ち寄ったのは、いぬのマスターがつきだしのかわりに詩を出してくれるバーだった・・・そんなファンタジックな設定。「ぼく」はそのバーに15回訪れて、そのたびにマスターが出してくれたお酒を飲み、詩を読み、話す。 「詩はわからない!」 前半、読みすすめながら、正直、そう思った。「ぼく」とマスターのやり取りが物語というよりは「詩の解説」に思えて、なんだかお勉強している感じで。例えばこんな感じ。 ❝登場人物とか、テーマとか、ストーリーを通してでなく、ただ、そこにあることばをさしこむような直接さがある。でも、こっちの回路を開けっぱなしておく練習も、たしかに、ひつようだろう。  音楽は、耳だし、絵は、目だ。詩は、どちらでもあるようで、どの回路ともちょっとちがう。あとは、 「匂い?」  ぼくは、おもった。  とても、似ている。手ざわりや、味にも。  そして、即物的なのに、つかめないかんじは、そもそもーー死、に似ている。❞ (p.165) うーん、難しい。「こっちの回路を開けっぱなしておく」ことができていないのかな。 ところが後半、「ぼく」がこのバーに通う理由が少しずつわかってきた。たいせつなものを失った喪失感を受けいれて前にすすみはじめるストーリー。 ❝「いつでも、おもい出してください。夜でなくても、しらふでも」❞ (p.182) 自分に詩を楽しむ才能がないのがうらめしいが、話がわかりやすくなってやっと物語そのものを楽しむことができた。

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2024/01/10

犬のマスターが酒と一緒に詩を選んで提供する不思議なバーでのやりとりを描いた連作短篇集。 小説形式で書かれた近現代詩の入門書。喋る犬はでてくるが、高原英理の『詩歌探偵フラヌール』より幻想味は少なく、もっと露骨に解説してくる感じで、忙しい現代人に詩を処方してくれるバーがあったらい...

犬のマスターが酒と一緒に詩を選んで提供する不思議なバーでのやりとりを描いた連作短篇集。 小説形式で書かれた近現代詩の入門書。喋る犬はでてくるが、高原英理の『詩歌探偵フラヌール』より幻想味は少なく、もっと露骨に解説してくる感じで、忙しい現代人に詩を処方してくれるバーがあったらいいのにな〜という"やさしいお話"である。 大枠の部分はちょっとおっさんくさいが、選ばれている詩の趣味はいいと思う。語り手の物語との繋がりも安直ではなく、ぬるたい引用にはなっていない。不意打ちで岡田有希子さんのことを書いた詩に出会って虚を突かれた。「アイスクリームの皇帝」はアンソロジーで何度か読んでいるはずなのに、その度こんな詩だったっけと思うなぁ。

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