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自転しながら公転する の商品レビュー

4.2

493件のお客様レビュー

  1. 5つ

    170

  2. 4つ

    214

  3. 3つ

    77

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    1

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2024/09/17

結婚して幸せな人生を送る、幸せな家庭を作るとか、幻のような「幸せ」はいらないと思った。そんな幻よりも隣で笑ってくれる人がいる、帰ったらその居心地の良さに癒される。そんな幸せを感じられる人になりたいと思った。 幻を追いかけていたら日常の幸せを見逃してしまう。 一生懸命働いて理不尽な...

結婚して幸せな人生を送る、幸せな家庭を作るとか、幻のような「幸せ」はいらないと思った。そんな幻よりも隣で笑ってくれる人がいる、帰ったらその居心地の良さに癒される。そんな幸せを感じられる人になりたいと思った。 幻を追いかけていたら日常の幸せを見逃してしまう。 一生懸命働いて理不尽なことがあっても、帰る家がある。落ち着く場所がある。それが幸せだと思った。そして困難な出来事にも2人で作戦を立てて立ち向かう。素敵だなと思う。

Posted byブクログ

2024/09/08
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なんとも大きく動かない日常を綴っている描写が続き、リアルで悶々とする時間が続いた。 それでも最後の最後に仕掛けられた大きなどんでん返しでいい読書体験にしてくれる作者のユーモアが最高。

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2024/09/07
  • ネタバレ

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寿司屋で再会するところで泣きそうになった。 最初と最後のちょっとしたミスリード?も個人的には好きだった。

Posted byブクログ

2024/09/04
  • ネタバレ

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読み始めて感じた読みやすさは、おそらく自分が都に似ているからかなと序盤で思った。そして、やたら貫一に惹かれたのも、元カレに似てるからかもしれない。 自分は今、都のように仕事を一度挫折した段階にいる。結婚はしたいし子供も欲しい。仕事もいつかは復帰したい。でも人生において何が自分にとって幸せで追い求めたいものなのか正直わからなくなっている。都が送った人生はたぶん自分にとって憧れの形なのだろうなと思う。いいなあと読みながら不安に駆られていたら、この台詞 「別にそんなに幸せになろうとしなくていいのよ。幸せにならなきゃって思い詰めると、ちょっとの不幸が許せなくなる。少しくらい不幸でいい。思い通りにはならないものよ」 涙が止まらなかった。 辛い時、この本がちょっとした支えになってくれるかもしれないと思うと嬉しくなった。

Posted byブクログ

2024/08/31

何度も感情が昂ぶる主人公に嫌悪感もあるのに、自分にも重なる部分があると気づいて、いつのまにか共感してしまっていた。応援してしまっていた。 面白くて、あっという間に読み終えてしまいました。 山本さんの本何冊か読んだことはありますが、やっぱりよかった。他の本も読んでみます。

Posted byブクログ

2024/08/30
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山本文緒さんの作品を読むのは初めてです なんておしゃれなタイトルなんだろうって完全にタイトル買いでした 自分が勝手にタイトルからイメージした雰囲気ではなかったのですが、それでも良い読後感の作品でした 解説にも書かれているように、賛否ありのエピローグに私も少し思うところありでした あそこで終わってたらキレイだったのに…って でも、都が色んな気付きを得たその後も、良くも悪くも聖人や完璧な人間でないってのがいいのかもしれないですね 対比でそよかがすごく出来た人間のように思えてきちゃうんだけど、それもやっぱり当事者じゃないからそう言えるのかもしれないなって 実際に貫一のことは理由があるのかもって慮ることができても、彼氏が自分のために秘密にしてくれていたのかもって同じように考えられてないし でもやっぱりそよかいいな イエスマンや甘やかしてくれる人ばかりじゃ自分が成長できないし、相手が傷つくと自分も嫌な気持ちになるってわかってても本当に相手のためにと想って言ってくれるかけがえのない人かもしれないし、いやいや単純に自分の気持に正直でいたいだけで言葉を飲み込む方がしんどいのよ…みたいな人でも貴重な人だし とにかくそよかのような友人は私もほしい 脇役ではあるもののお父さんとお母さんの人生のストーリーはとても興味深くて、歳を取ってからでも人は変われるし成長できるってことになんだかすごく励まされました 初めてでしたが、とても読みやすく心に響く文章でした 訃報はニュースで知っていたのですが解説でもそれに触れていて、古参ファンでもないのに「こんな素敵な文章を書く人がもういないなんて」と思わず涙が出ました 山本文緒さんの作品はもう増えないかもしれないけれど、私のようにこれから作品に出会う人もいて、読者はこの先もずっと増えていくんですね

Posted byブクログ

2024/08/27

題名がすごい気になってずーっと読んでみたかった本 終始、主人公にイライラしっぱなしででも話自体はおもしろくて読む手が止まらなかった 巻末の藤田香織さんの解説で「私のことが書いてあるかと思いました」みたいな20代、30代女性から支持を受けたみたいなコメントがあってそっか、これがリア...

題名がすごい気になってずーっと読んでみたかった本 終始、主人公にイライラしっぱなしででも話自体はおもしろくて読む手が止まらなかった 巻末の藤田香織さんの解説で「私のことが書いてあるかと思いました」みたいな20代、30代女性から支持を受けたみたいなコメントがあってそっか、これがリアルなのかもしれないなと思った 私もただあーだこーだ悩んでる時期はこんな主人公みたいできっと側から見たら痛々しく、苛立ちを覚えるのかも そして私自身中卒や無職にバイアスがかからず接することができるかと言われればたぶん、難しいと思う そういう意味ではこのぐるぐる回り続ける思考を「自転しながら公転する」と表現したの、すごく天才的だな 話の構成としては非常にいいし、終わり方も綺麗でおもしろかった 著者の山本文緒さんの近影をみて「1962-2021」って書いてあって一瞬意味がわからなかった 肝臓癌でお亡くなりになられてたんですね その前にはうつ病で執筆活動もやめられてたとか 基本エッセイは読まないんだけどまた機会があったら闘病記を読んでみたい

Posted byブクログ

2024/08/24

現代の日本を生きる30代女性のリアリティがよく描かれている作品だった。様々な局面に立たされた時の主人公の冷静な分析や想いに共感できることが多かった。人生には何が起こるかわからない、それらを乗り越えていく術はたくさんあるのだろうということも考えさせられた。

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2024/08/20

都以外みんな好き。煉獄さんばりにくどい!くどい!と文句を言いながらも意地で読了した自分にもウンザリ…

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2024/08/20
  • ネタバレ

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私が初めて読んだ山本文緒さんの作品は『恋愛中毒』だった。 その後、2013年に直木賞受賞作『プラナリア』を読んだだけなので なんと10年以上も遠ざかっていたことになる。 『自転しながら公転する』が2021年の本屋大賞にノミネートされ 気になりつつ… 文庫化された2022年に手にした。 (さすが話題作!1年で文庫化) それをずーっと積読。。。 ようやく読了! 文庫解説で書評家の藤田香織さんは 都が貫一と出会うあたりは 「軽微なラブコメ的魅力もある」と言われているが 私は650ページあまりの文庫本を読む間 「ラブコメ」というワードが頭をかすめることは一度もなく 息苦しかった… 例えるならば、水中で息を止めている感じ。 苦しくなって水面に顔を出したいのに そこは様々なもので覆いつくされていて 顔を出す場所を容易にみつけることができない。 そんな感じだったような… 地球は約24時間で自転しながら 太陽の周りを約1年かけて公転する。 これは小学校でも習うことだけれど この小説で使われる「自転しながら公転する」という表現が なんとも素晴らしいと思った。 自転しながら公転していたら 明るい日が差し込む朝が来て 少し体を休められる夜が来る 暑さに辟易する日々もあるけれど 心地よい日差しを浴びてくつろげる日もある。 厳しい寒さに身も心も凍り付きそうでも 再びあたたかい日差しが降り注ぐ日々が待っている。 はずなのに… 上手くいかないことだらけ。 自転するけど公転しない 自転しないけど公転する 自転も公転もしない そんな選択があってもいいはずなのに。 自転する周期、公転する周期は自分で決める。 他人と同じ周期で回る必要なんてないのに そのことに劣等感や後ろめたさを感じるのは 誰でもない自分自身。 それに気づかないままでいたら 立っていられなくなる。 エピローグの都の言葉。 「別にそんなに幸せになろうとしなくていいのよ。 幸せにならなきゃって思い詰めると、 ちょっとの不幸が許せなくなる。 少しぐらい不幸でいい。 思い通りにならないものよ」 なんだかじんわり沁みる…

Posted byブクログ