清く貧しく美しく の商品レビュー
石田衣良と言えば性描写がメインなイメージだったが、そういった描写はなく進む小説。 ひとつひとつの描写がきれいで出てくる料理すべてが美味しそうに感じるし、登場人物の感情の移り変わりがきれいに描かれているなと思った。 元カノと発展するかと思ったけどそうではなく、良くも悪くも現状維持。...
石田衣良と言えば性描写がメインなイメージだったが、そういった描写はなく進む小説。 ひとつひとつの描写がきれいで出てくる料理すべてが美味しそうに感じるし、登場人物の感情の移り変わりがきれいに描かれているなと思った。 元カノと発展するかと思ったけどそうではなく、良くも悪くも現状維持。モヤモヤとも爽快とも違うし納得とも違うけど、私は目を背けたいと思った。きれいな話だった。
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カオリの その人、あなたの力を認めて、きちんと引き出そうとしてくれる人なのか。それともただ一緒に沈んでいく人? っていうセリフ、胸に刻んでおきたい。
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1番好きだけど、しばらく読んでいなかった石田衣良さんの作品。読むたびに、ああ、これが衣良さんの小説だ、こういうところが好きなんだ、再確認させられました。 日菜子にイライラというかもどかしさというような感覚を何度も覚えたのも、冷静になってみたら自分自身が日菜子に近い人間だからなのか...
1番好きだけど、しばらく読んでいなかった石田衣良さんの作品。読むたびに、ああ、これが衣良さんの小説だ、こういうところが好きなんだ、再確認させられました。 日菜子にイライラというかもどかしさというような感覚を何度も覚えたのも、冷静になってみたら自分自身が日菜子に近い人間だからなのかもしれないなぁと思ったり。衣良さんの小説に出てくる人物が大好きです、改めて。
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お互いがお互いの思いを解らなければ繋いでいた手を離してしまうだろう。 優しい物語。 いま、過去のいろんなことに囚われず、今どうして生きて生きたいかを考えたお話。 うらやましいしいのは解りあえる相手と清く貧しくも美しい生活がそこにあること。。
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解説文を読んでぞっとした。 けど同時に、それもいいじゃないかって思った。 自分の選択に責任を持てるならどんな選択でもいい、けどその選択ができるだけ正しく、ベターなものであるためには、自分の価値観が明瞭になってなくてはいけないのかも、そうじゃないと他人の価値観が気がついたら内製化し...
解説文を読んでぞっとした。 けど同時に、それもいいじゃないかって思った。 自分の選択に責任を持てるならどんな選択でもいい、けどその選択ができるだけ正しく、ベターなものであるためには、自分の価値観が明瞭になってなくてはいけないのかも、そうじゃないと他人の価値観が気がついたら内製化してるかもしれない。
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読み終わった直後は反発を覚えるものの、時の経過とともにじんわり沁みてくる母の優しさのような小説である。物語の終盤に主人公2人がそれぞれ決断をするのだけど、読みながら「いやいやいや、なんでやねん」と盛大にツッこんだ。 お金を稼ぐとこが卑しいという考え方はあまり好きではないが、お金...
読み終わった直後は反発を覚えるものの、時の経過とともにじんわり沁みてくる母の優しさのような小説である。物語の終盤に主人公2人がそれぞれ決断をするのだけど、読みながら「いやいやいや、なんでやねん」と盛大にツッこんだ。 お金を稼ぐとこが卑しいという考え方はあまり好きではないが、お金を使わずに精神的に豊かな生活を送っている人がいることも知っている。ただ、後者の場合は清貧生活を自分で選択しているか、選択の余地なく強いられているかで随分幸福度は変わってくる。 雇われの身としては、もっと給料上げてほしいな〜とか、もっと優秀な人たちと働きたいな〜とか、日々思うことはあるけど、今より給料が高くて、意識高い人が溢れる職場に転職したとして、それで私は幸せなんだっけ? 人生で何をして、どう生きていきたいか、考えさせてくれる良き本。
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恋愛小説です。 貧しい同棲をしているカップルのお話。 明確に彼女が浮気をしているシーンは辛かったな。 衣良さんがこの程度は浮気の内に入らないと考えていそうだけど、好意を持ってしまっていたから読んでいてしんどかった。 彼らは一緒にはなれない。 現代が彼らを一緒にさせない。 人が幸せ...
恋愛小説です。 貧しい同棲をしているカップルのお話。 明確に彼女が浮気をしているシーンは辛かったな。 衣良さんがこの程度は浮気の内に入らないと考えていそうだけど、好意を持ってしまっていたから読んでいてしんどかった。 彼らは一緒にはなれない。 現代が彼らを一緒にさせない。 人が幸せを求める時、必ず邪魔をする他者がいる。 読み終えてから妻と手を繋いで近所を散歩しました。 僕は誰にも邪魔をされずに妻と幸せな日を送っている。気が付いていないだけで本当は違うのかもしれない。 気が付かないままでたくさん本を読んでたくさん音楽を聴いて過ごしていきます。
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生きるなかで決断をする時は多々あるのだけど、どんな決断をしても一緒にいてくれるような尊い存在が近くにいるということだけで幸せなのかな。 下した決断に対して、主人公たちが幸せならそれでいいんだろうなと思う。 小さな幸せを当たり前と思わずに大切にしていきたいなと思った。
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人生観が変わった1冊。 人生に求めるものは、家族であっても親しい友達であってもパートナーであっても、本当に人それぞれで、価値観を押し付けたり誰かに合わせたりする必要はなくて、ありのままの自分を大切にすること、かつ、それを受け入れてくれる大切な人がいることはすごく幸せなことだよな...
人生観が変わった1冊。 人生に求めるものは、家族であっても親しい友達であってもパートナーであっても、本当に人それぞれで、価値観を押し付けたり誰かに合わせたりする必要はなくて、ありのままの自分を大切にすること、かつ、それを受け入れてくれる大切な人がいることはすごく幸せなことだよなって、 当たり前のことだけど改めて考えさせられた。 今の自分は「普通」に縛られてて、勝手に焦って、劣等感を感じてる最中だったから、今この本に出会えたのはラッキーだった。
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久々にいい作品に出会えた気がした。 自分を消費していくことと、自分が消費されていくことは違う。 幼少期から決められたレールに乗って生きていける人が私は心底羨ましいと思う反面、つまらないと思っていたこともあった。 自分が何に対してキラキラワクワクできるのかは、人それぞれ違うなんて...
久々にいい作品に出会えた気がした。 自分を消費していくことと、自分が消費されていくことは違う。 幼少期から決められたレールに乗って生きていける人が私は心底羨ましいと思う反面、つまらないと思っていたこともあった。 自分が何に対してキラキラワクワクできるのかは、人それぞれ違うなんて当たり前なのに忘れる。 最後まで通して私が日頃から考えていることの具現化のようで読んでいて惹き込まれた。 「普通の幸せ」とはなにか。 考えても考えても答えが出ないのは、人類皆共通の幸せなんてこの世に一つも存在しないからだということを再認識させられた。 人生に何を求めるか。 私も、日菜子や堅志のように「やりがい」や「生きがい」を求めてるのだと思う。 豊かな国に生まれて自分の人生をいくらでも選べる今に生きているからこそ 消費される立場が故に付いてくる価値ではなく、自分が自分自身を消費していく上で生じる価値を重んじて生きていくのも悪くないと思う。
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